治験とは

化学合成や,植物,土壌中の菌,海洋生物などから発見された物質の中から,試験管の中での実験や動物実験により,病気に効果があり,人に使用しても安全と予測されるものが「くすりの候補」として選ばれます。この「くすりの候補」の開発の最終段階では,健康な人や患者さんの協力によって,人での効果と安全性を調べることが必要です。こうして得られた成績を国が審査して,病気の治療に必要で,かつ安全に使っていけると承認されたものが「くすり」となります。
人に対する有効性や安全性を調べる試験を一般に「臨床試験」といいますが,「くすりの候補」を国(厚生労働省)から「くすり」として認めてもらうために行う臨床試験は,特に「治験」と呼ばれています。
治験においては,「薬機法」という薬や医療機器全般に関する法律と,これに基づいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(=GCP [Good Clinical Practice])という規則を守ることが義務付けられています。

GCPで定められている治験の主なルール
  • 医療設備が十分に整っていること
  • 責任を持って治験を実施する医師,看護師,薬剤師等がそろっていること
  • 治験の内容を審査する委員会を利用できること
  • 緊急の場合は直ちに必要な治療,処置が行えること
札幌医科大学は,これらの要件を満たし,GCPを順守しながら治験を行っています。

当科では,現在下記の疾患を対象とした治験を実施しております。
 

温式自己免疫性溶血性貧血の患者さんを対象とした治験

治療抵抗性慢性移植片対宿主病に対する低用量インターロイキン2皮下投与の第Ⅰ/Ⅱa相試験のバイオマーカーを含めた2次解析(後方視研究 オプトアウト)

国内外の後天性血友病を含む出血性疾患のゲノム解析を含まない調査研究(後方視研究 オプトアウト)

急性白血病における遺伝子変異と治療反応性・白血病発症機序の解明(北海道白血病ネット)(後方視研究 オプトアウト)

血液疾患に対する遺伝子検査