公衆衛生看護学専攻 教育内容

近年、医療の高度化や患者の高齢化など、医療現場の著しい状況変化や地域ケアへの移行を背景に、保健師に求められる能力は質・量ともに増大しています。
こうした背景を受け、「地域医療への貢献」を建学の精神とする札幌医科大学では、北海道の公衆衛生看護を牽引していく高い実践力を持つ、質の高い保健師を養成し、道内各地域へ送り出すため、1年間で保健師を養成する専攻科として2020年4月に公衆衛生看護学専攻を開設しました。
専攻科の開設により、従来の学士課程での保健師養成よりも、専門科目、臨床実習ともに科目数・単位数を増やすなど、教育内容を充実させるとともに、地方での就業意識を醸成するために、地方で活躍する保健師から直接学ぶ機会を多く設定しています。
また、保健師として就業したいと希望する学生や社会人の進学先として、大学院等以外の新たな進路の選択肢を提供できます。

取得可能な資格

  • 保健師国家試験 受験資格
  • 保健師資格取得後、都道府県労働局への申請により第1種衛生管理者の資格が得られる

カリキュラムの特徴

卒業に必要な科目と単位数

30科目、合計38単位が必要です。全ての単位を修得することで、保健師国家試験受験資格が得られます。
卒業科目の画像

年間スケジュール

年間スケジュールのイメージ

※科目の内容については、学修の手引きをご覧ください。

授業風景

写真 : 授業風景1
健康教育の演習
公衆衛生看護学専攻 授業風景2
保健指導の演習
写真 : 授業風景3
乳児訪問技術の演習
写真 : 授業風景4
地区踏査の演習
写真 : 授業風景5
災害保健の演習
写真 : 授業風景6
保健事業の企画演習

実習施設

充実した臨地実習

豊かな実習科目によって、地域社会に対する視野を広げ、高い実践力を身につけます。
実習詳細表
科目 実習概要 実習期間 主な実習施設
公衆衛生看護実習1 地域住民に身近で頻度の高いサービスを提供している市町村での個人・グループ(小集団)を対象として展開されている家庭訪問、健康相談、健康教育、健康診査等への参加をとおして、既存の知識や技術を基盤に対象者や地域の実情に合わせて実践できる能力や多様な場における保健師の役割について総合的な思考を養います。 9月下旬から10月上旬にかけて2週間
  • 市内10区の保健センター
  • 小樽市保健所
  • 千歳保健所及び管内保健センター
  • 室蘭保健所及び管内保健センター
公衆衛生看護実習2 実習地域を看護の対象として、保健統計資料の分析や地区踏査などから地域アセスメントを実施し、人々の健康課題やニーズの明確化、地域の実情に合わせた課題解決のための対策を立案する能力、地域との協働における保健師の役割について総合的な思考力を養います。
また、地域を包括的に捉えるうえで、保健所と市区町村における公衆衛生看護活動の違いを理解すると共に、各々の役割や機能について学習します。
10月中旬から下旬にかけて2週間
  • 市内10区の保健センター
  • 小樽市保健所
  • 千歳保健所及び管内保健センター
  • 室蘭保健所及び管内保健センター
公衆衛生看護管理実習 実習先で展開されている公衆衛生看護管理活動の実際から、具体的な公衆衛生看護管理を学び、地域の健康課題に基づいた事業化の方法を学習します。
公衆衛生看護管理における保健師の役割と機能、健康課題から施策を展開していく方法と技術を理解し、保健師による地域のケアの質保証の方法を学習します。
10月下旬から11月上旬にかけて1週間
  • 札幌市保健所
  • 小樽市保健所
  • 千歳保健所及び管内保健センター
  • 室蘭保健所及び管内保健センター
産業保健実習 労働者の個人、集団、組織の健康の保持増進及び予防活動における保健師の役割について実践をとおして学びます。
産業看護の概念や公衆衛生看護活動における産業看護の目的、労働者の健康に及ぼす影響、産業看護における看護管理の特徴や展開を学習します。
9月上旬から中旬にかけて1週間
  • 製鉄記念室蘭病院
  • JR札幌病院
  • エア・ウォーター健康保険組合
  • 花王グループカスタマーマーケティング株式会社
  • イオン北海道株式会社
学校保健実習 学校保健の場の特性を理解し、個人及び家族、学校組織を対象とした公衆衛生看護活動について実践をとおして学びます。
公衆衛生看護活動における学校看護の目的、学齢期を対象にした公衆衛生看護活動を展開するために必要な方法、技術等について実践をとおして学ぶとともに看護教諭の役割を学びます。
11月中旬から11月下旬にかけて1週間
  • 札幌市立陵北中学校
  • 札幌市立伏見小学校
  • 札幌市立発寒小学校
  • 札幌市立平岡中央小学校
地域包括ケア実習 地域包括支援センターにおける活動、三職種(保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員)の役割、機能を実践をとおして学びます。
地域で暮らす高齢者への継続訪問を実施し、高齢者と家族への支援方法を具体的に学びます。
地域のニーズを把握し、地域包括ケアシステム構築のために必要な知識や技術、保健師としての役割を学びます。
6月、9月、12月の計4日間
  • 札幌市内地域包括支援センター