札幌医科大学オープンアクセス支援ポータルサイト
オープンアクセス(OA)とは
オープンアクセス(OA)とは、学術論文等の研究成果をインターネットで公開することにより、誰もが無料かつ自由に研究成果にアクセスできるようにすることです。OAの推進により、学術情報の入手が容易になり、学術研究の更なる発展に繋がります。
また、OAは著者にとってもメリットがあります。
・インターネットによって、世界中の人に論文を読んでもらうことができます。【視認性向上】
・論文が引用される可能性が高まります。【被引用数の増加】
・社会に対する研究成果の還元と説明責任を果たします。【科学的知識の公平な普及】
札幌医科大学オープンアクセスポリシー
札幌医科大学では、本学研究者による研究成果を広く公開することにより、学術研究の更なる進展に寄与するとともに、情報公開を推進し社会に対する説明責任を果たすことを目的として「札幌医科大学オープンアクセスポリシー」を策定しました。これに則り、本学研究者は、本ポリシーが適用される令和6年12月1日以降に学術雑誌等に掲載された研究成果について、原則OAにすることになります。
オープンアクセスにする方法(機関リポジトリ・APC)
研究成果をオープンアクセスにするには、次の2つの方法があります。
機関リポジトリによるオープンアクセス(グリーンOA)
大学や研究機関等が運用する各種リポジトリで研究成果をOAにする方法です。
利点:
・ 論文掲載料(Article Processing Charge:APC)の負担なく、無料でOAにすることができる。
・ 大学や各分野の研究成果として残すことができる。
札幌医科大学の研究者は、札幌医科大学学術機関リポジトリ「ikor(イコル)」を利用することができます。
利点:
・ 論文掲載料(Article Processing Charge:APC)の負担なく、無料でOAにすることができる。
・ 大学や各分野の研究成果として残すことができる。
注意点:
・ 投稿先学術雑誌の規程により、エンバーゴ(公開猶予期間)が定められている場合、即時公開できない。
「ikor」への登録申請は、以下の申請フォームから随時行うことができます。
札幌医科大学学術機関リポジトリ「ikor」
ジャーナルサイトによるオープンアクセス(ゴールドOA)
学術雑誌へ論文掲載料(APC)を支払うことで、論文をOAにて掲載する方法です。
利点:
・ 即時OAが可能。
図書館での機関契約により、以下の出版社については、論文掲載料(APC)が免除・割引となります。
この他、学会誌の学会員へのAPC割引等については、各学会等にお問い合わせください。
学術雑誌には、全ての論文をOAで掲載しているフルゴールドOA誌と、著者がOAオプションを選択するハイブリッド誌があります。
利点:
・ 即時OAが可能。
注意点:
・ 論文掲載料(APC)が高額になる場合がある。
・ 論文掲載料(APC)が高額になる場合がある。
図書館での機関契約により、以下の出版社については、論文掲載料(APC)が免除・割引となります。
この他、学会誌の学会員へのAPC割引等については、各学会等にお問い合わせください。
Wiley
粗悪学術誌(ハゲタカ/ハイジャックジャーナル)への注意喚起
オープンアクセスジャーナル(OA誌)の増加に伴い、査読を標榜しながら適切な査読を行わず、論文掲載料(APC)による収益のみを目的としている、粗悪学術誌(predatory journals=ハゲタカジャーナル)が増えています。
また、実在する学術誌を騙った「偽ジャーナル(ハイジャックジャーナル)」も発見されています。(本学紀要「札幌医学雑誌 The Sapporo Medical Journal」も被害にあっています。)
粗悪学術誌や偽ジャーナルに関わると、著者や所属機関の評価、学術的信用が失われるリスクがあります。
手口は巧妙化しており、粗悪学術誌を見分ける明確な方法や基準はなく、判断が困難な状況です。
論文投稿先を検討する際や査読を依頼された際には、以下のようなサイトを参照したうえで、「不審な点はないか?」確認することが大切です。
粗悪学術誌に自身が投稿しない、査読を引き受けないほか、指導者として学生が粗悪学術誌に投稿しないようにすることも重要です。
参考サイト
参考サイト
- Retraction Watch Hijacked Journals Checker 外部サイト(新規ウィンドウで開きます)
- Retraction Watch Hijacked Journals Checkerスプレッドシート 外部サイト(新規ウィンドウで開きます)
FAQ
Q.必ず全ての論文と研究データを公開しなければいけないのでしょうか。
A.OAポリシーにより、学術雑誌等に掲載された研究成果については、原則公開することとしています。それ以外の研究成果(研究データを含む)については、法的及び倫理的要件に従って、またオープン・アンド・クローズ戦略により、その公開の可否、条件、方法等について決定してください。
Q.出版後1年経過で出版社サイトでOAになりますが、別途OAにする必要がありますか。
A.OAポリシーは出版後即時のOAを求めるものではありません。この場合は別途OAにする必要はありません。しかしながら、他の方法で早期にOAにすることにより、論文の視認性向上に繋がる可能性があります。
Q.出版後1年経過で出版社サイトでOAになりますが、別途OAにする必要がありますか。
A.OAポリシーは出版後即時のOAを求めるものではありません。この場合は別途OAにする必要はありません。しかしながら、他の方法で早期にOAにすることにより、論文の視認性向上に繋がる可能性があります。
Q.OAポリシーが施行される前に出版した論文や札幌医科大学に在籍する前に出版した論文も、OA化しなければいけないですか。
A.札幌医科大学OAポリシーの対象外ですので、OA化の必要はありません。しかし、著者が希望すれば、札幌医科大学学術機関リポジトリikorへ登録することでOA化できます。
Q.OA誌に論文を投稿・掲載することが望ましいのでしょうか。
A.どの学術雑誌に論文を投稿・掲載するかについては、研究者自身の判断に委ねられています。必ずしもOA誌への投稿を求めるものではありません。
Q.OA誌は、論文の質や研究者への評価が低い恐れはありませんか。
A.Wiley,Springer Nature, Elsevirなどの大手出版社もOAジャーナルを有しており、査読によって質が担保されており、研究者の実績となります。しかし、APCによる収益を目的とし、査読を適正に行わない、学術的に粗悪なジャーナルが存在するため注意が必要です。投稿先の選定は慎重に行うようにしてください。
Q.研究者は必要な学術雑誌は購読しているので、OA化のメリットは少ないのではないでしょうか。
A.学術雑誌購読料の高騰により、購読をとりやめる機関が増えています。また、大きな機関に所属している研究者ばかりではありません。様々な論文がOA化されることで、研究者自身の専門分野に限らず、購読していない雑誌に掲載された論文にもアクセスできるようになり、イノベーション促進に繋がる可能性があります。さらに、研究者以外もアクセス可能となることで、研究成果の社会への還元に繋がります。