再生医療に係る医師主導型治験の開始
日本で初めての細胞製剤を用いた再生医療に係る医師主導型治験の開始にあたり記者会見を行いました【記者会見3月8日】
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このたび本学附属病院において、日本で初めての細胞製剤を用いた再生医療に係る医師主導型治験となる「脳梗塞患者に対する自家骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与」を実施することとなり、平成25年3月8日(金)午後3時より、本学基礎医学研究棟5階会議室にて、島本学長、黒木医学部長、フロンティア医学研究所 神経再生医療学部門 本望教授より、記者発表を行いました。
当日は、多くの報道機関様にお越しいただきました。また、記者会見にあたり、文部科学省橋渡し研究加速ネットワークプログラム サポート室長 福島雅典先生より、貴重な激励の言葉を賜りました。
<研究概要>
医学部附属フロンティア医学研究所神経再生医療学部門本望 修(ほんもう おさむ)教授を中心とする研究チームは、これまでの研究成果をもとに、自家骨髄間葉系幹細胞の安全性と有効性を確かめるための医師主導型治験の実施について、2月5日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ届け出ました。
本望教授のチームは、1990年代より神経再生に関する研究を精力的に進めており、2007年からは札幌医科大学附属病院において12例の患者さんに対する自主臨床研究を実施し、幹細胞を投与したすべての症例で運動機能の改善等の効果が見られました。詳細については、Brain誌等に論文を発表しています。
この技術は、脳梗塞になった患者さんの骨髄から間葉系幹細胞を取り出し、細胞プロセッシング施設(CPC:Cell Processing Center)で培養して増やし、患者さんに点滴の要領で静脈内に投与して神経の再生をはかるというものです。患者さん自身の細胞を使うため、副作用が起こりにくいこと、静脈内への投与のため、患者さんの精神的肉体的負担が軽いことなどがメリットとしてあげられます。
こうした知見を医薬品として開発することで、広く国民の健康に還元すべく、文部科学省「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」(平成19年度から平成23年度までは「橋渡し研究支援推進プログラム」)の枠組みのもと、PMDAでの薬事戦略相談を受けるなど、医師主導型治験の準備を進めてきました。今後は、この治験の結果を受けて、医薬品として国内初の再生医療に用いる細胞製剤の承認を目指す予定です。
※治験の詳しい概要は、札幌医科大学及び附属病院のトップページにある「脳梗塞再生医療 治験のお知らせ」をご覧ください。
<治験に関するお問い合わせ>
専用コールセンター フリーダイヤル 0120-265-016
平日午前9時~午後5時まで。