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ホーム > Research  > 中津川宗秀[病理組織診断支援人工知能(AI)の開発]

Research

助教

中津川 宗秀 M.D. Ph.D.

(なかつがわ むねひで)

学歴

1999年 札幌医科大学医学部卒業
2009年 札幌医科大学医学部大学院修了

海外・国内留学

2011-2016年 Princess Margaret Cancer Center (Naoto Hirano Lab)

学会

日本癌学会
日本病理学会

主な論文

HLA-DP84Gly constitutively presents endogenous peptides generated by the class I antigen processing pathway. Yamashita Y, Anczurowski M, Nakatsugawa MTanaka M, Kagoya Y, Sinha A, Chamoto K, Ochi T, Guo T, Saso K, Butler MO, Minden MD, Kislinger T, Hirano N. Nat Commun.May 10;8:15244-15257. 2017(PubMed)

Mismatch Repair Protein Deficiency Is a Risk Factor for Aberrant Expression of HLA Class I Molecules: A Putative "Adaptive Immune Escape" Phenomenon. Kubo T, Hirohashi Y, Matsuo K, Sonoda T, Sakamoto H, Furumura K, Tsukahara T, Kanaseki T, Nakatsugawa M, Hirano H, Furuhata T, Takemasa I, Hasegawa T, Torigoe T. Anticancer Res. Mar;37(3):1289-1295. 2017(PubMed)

BET bromodomain inhibition enhances T cell persistence and function in adoptive immunotherapy models. Kagoya Y, Nakatsugawa M, Yamashita Y, Ochi T, Guo T, Anczurowski M, Saso K, Butler MO, Arrowsmith CH, Hirano N. J Clin Invest. Sep 1;126(9):3479-3494. 2016(PubMed)

CD4(+) and CD8(+) TCRβ repertoires possess different potentials to generate extraordinarily high-avidity T cells. Nakatsugawa M, Rahman MA, Yamashita Y, Ochi T, Wnuk P, Tanaka S, Chamoto K, Kagoya Y, Saso K, Guo T, Anczurowski M, Butler MO, Hirano N. Sci Rep. Mar 31;6:23821-23835. 2016(PubMed)

Specific roles of each TCR hemichain in generating functional chain-centric TCR. Nakatsugawa M, Yamashita Y, Ochi T, Tanaka S, Chamoto K, Guo T, Butler MO, Hirano N. J Immunol. Apr 1;194(7):3487-3500. 2015(PubMed)






中津川宗秀

病理組織診断支援人工知能(AI)の開発

年々、病気の解明がすすむにあたり、病理診断医の役割が増しています。例えば、肺がんでは抗PD-1抗体治療適応判定のために、PD-L1免疫染色が必要となり、病理診断医の判断が要求されるなど、日常の病理診断において診断の複雑化や、仕事量の増加が顕著です。しかしそれによる病理診断の質の低下は避けなければなりません。その問題を解決するため、病理診断医の負担を軽減する対策が急務となっています。

Figure近年、ディープラーニング(深層学習)技術の発達によってこれまで実現不可能であった問題を解決し、自動運転、自動翻訳、異常検知などを可能にする人工知能(AI)が開発され、様々な分野で技術革新が進んでいます。ディープラーニングは、大量の学習データから自動的に特徴量を抽出するが、従来法のヒトが特徴量を一つ一つ抽出する方法に比べ、ヒトが認識しえない特徴までも抽出可能となり、そのため特に画像認識において劇的な認識精度の向上がみられました。2012年の画像認識コンペティション(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge, ILSVRC)においてディープラーニングを用いたシステムが従来の方法を採用していた他のグループを圧勝し、現在は人間より高い精度で画像認識できるまでになってきています(ILSVRC, 2015)。海外ではすでに放射線画像診断の領域で、AIを利用した診断の取り組みが始まっていますが、病理組織診断においてはまだ研究段階であり、海外も含めその歴史はまだ浅いといえます。私たちは、ディープラーニングの得意分野である画像認識技術を病理組織診断に応用して、診断支援を目指しています(図)。具体的には、免疫染色陽性細胞の定量測定支援、リンパ節転移判定を行う診断支援、各種生検検体におけるがん診断支援、診断が難しい希少疾患の診断支援、マッピング作業支援などが考えられます。またデジタル化された病理組織画像の蓄積データは学生教育や経験の浅い病理診断医の教育においても有用なツールとなると考えています。

 

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