松岡 友理恵 さん(実習年度:平成28年)
学んできた知識を豊富な症例を通して実践に移す
松岡 友理恵 さん(製鉄記念室蘭病院 消化器内科・血液腫瘍内科)
地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
大学病院での実習と比べ、より「参加型」の実習ができると聞き選択しました。医療面接や身体診察だけでなく、基本的医療行為も経験できるという点にも非常に魅力を感じました。また4週間に渡って地域基幹病院で実習することで、自分が興味を持っている分野の、より幅広い疾患を経験することができ、1人の患者さんの入院から退院までの経過を断続的に診ることができると思い選択しました。
実習先での1日のスケジュール
朝は9時頃から指導医の先生に同行して回診を行い、担当患者さんの病態を確認しました。また、化学療法を受けている患者さんについて、治療効果や副作用の程度を評価するために、毎日血液検査データを観察し、方眼用紙に患者さん個別の経過表を作成していました。その後、主に午前中は上部消化管内視鏡検査、午後は下部消化管内視鏡検査の見学をし、合間の時間で病棟業務に参加したり、担当患者さんに関するレクチャーを受けるといったスケジュールでした。病棟や外来で処置があるときはその都度呼んでいただき、先生や看護師さんのご指導のもと介助や実施をさせていただきました。指導医の監督のもと、末梢静脈路確保、動脈穿刺、骨髄穿刺、腰椎穿刺、CVポート造設、CVカテーテル挿入・抜去などの介助もさせていただきました。また時間外救急の患者さんが来た際には、問診や病状の説明、カルテ記載などをさせていただきました。
実習を通して得たもの、学んだことについて
病棟では刻一刻と変化する患者さんの状態を、患者さんの様子と検査データの両面から観察することができ、化学療法の治療効果や副作用の出現を目で見て学ぶことができました。患者さんの身体の中で何が起こっているのか、また今後どのような変化が予想されるのかを考えることは、難しくもありましたが大変面白かったです。また、手技を実践する際には、必ず事前に先生の手技を見学し、手順など丁寧にご指導いただいてから臨むといった順序でしたが、どんなに頭で理解しているつもりでも、実際に手を動かし始めると戸惑うことが多くありました。一つ一つの手順の意味を考え、頭の中でしっかりイメージすることが重要であることがわかりました。自分が施行した検査の結果が診療に反映されている様子を見て、患者さんの診療に参加しているという責任を強く感じることができました。
週に一度のサテライト実習では、老人保健施設やMSWなど他職種の活動についても学ぶことができました。退院後の患者さんがもとの生活に戻ることができるのか、それとも他の施設に受け入れられることになるのか、その判断はなかなか難しいものであると思います。患者さんが抱える問題に対して、医師とは違った視点で介入していく様子を目の当たりにし、よりよい医療の提供には多職種間の協力が不可欠であることを改めて実感しました。
後輩へのメッセージ
4週間の実習は、毎日自分の成長を感じることができる非常に充実したものでした。これまで大学で学んできた知識を、豊富な症例を通して再確認でき、実践に移せるような貴重な機会はなかなかないと思います。マンツーマンで非常に丁寧なご指導を受けることができ、国家試験だけでなく将来医師となってからも役立つような多くの知識、経験を得ることができました。何よりも学生のうちに「診療に参加している!」という緊張感と面白さを感じられることが一番の魅力であると思います。決して楽な実習ではありませんが、多くの収穫が得られるプログラムとなっていると思うので、迷っている方は是非選択してみてください。
最終更新日:2015年10月04日