札幌医科大学医学部 麻酔科学講座 │ 安全で質の高い麻酔科医療の提供、世界に通用する麻酔科医の育成

心臓血管麻酔

心臓血管麻酔

臨床
札幌医科大学附属病院では開心術(人工心肺使用症例+Off pump CABG)を年間80~100件程度行っています。道内関連施設には心臓血管麻酔学会の認定施設が4施設あり、関連施設全体では年間でおよそ1200件と多くの開心術が行われています。
札幌医科大学附属病院の開心術の麻酔は心臓血管麻酔チームが主に行っております。心臓血管麻酔チームは心臓血管麻酔専門医やそれを志すもので構成され、2023年現在8名の心臓血管麻酔専門医が所属しています。チームには国内のhigh volumeセンターに留学を経験したものも複数在籍しており、スタンダードかつハイクオリティな心臓血管麻酔を目指しております。
札幌医科大学附属病院や一部関連施設ではTAVIやMitra clipといった血管内治療を行っており、これらの診療の麻酔もハートチームの一員として心臓血管麻酔チームで行っております。
当科関連施設には救急や集中治療を麻酔科が担っている病院も多く、他分野から得た技術や知識が心臓血管麻酔に活きることも多々あります。また複数の施設で麻酔をかけてきた経験から、医療におけるチームワークの重要性を強く意識しています。これらが札幌医科大学の心臓血管麻酔チームの特色であると考えています。
教育
心臓血管麻酔は繊細な循環管理、各種カテーテル挿入、血管作動薬の使用、輸血・輸液、血液凝固、経食道心エコー、術式の理解、他科・他職種とのコニュニケーションなど多くの技術と知識を必要とします。若手の麻酔科医にとって難易度が高く、教育が非常に重要な分野の1つです。
札幌医科大学附属病院の定期の開心術と上記の血管内治療の麻酔はすべて心臓麻酔チームが担当しています。麻酔科専攻医1年目の先生を主麻酔医として、心臓麻酔チームが指導しながら手術に臨みます。専攻医1年目から難易度の高い心臓血管症例の麻酔を担当してもらい経験を積むことで、より質の高い麻酔科医を目指してもらいます。チーム内で綿密なコミュニケーションをとることで、教育方針も一貫しています。
また例年秋ごろには心臓血管麻酔の勉強会を専攻医向けに行っています。こういった教育の結果、興味を持った当科専攻医が毎年JB-POT(日本周術期経食道心エコー認定試験)にチャレンジしてくれています。
麻酔科専門医はもちろんのこと、心臓血管麻酔専門医を目指す先生方の力となれるよう尽力致します。
研究
札幌医科大学附属病院ではレミマゾラム、経食道心エコー、血液凝固などの心臓血管麻酔に関連する臨床研究を行っています。また、それ以外にもラットやマウスを用いた人工心肺モデル、周術期心筋障害モデル、デクスメデトミジンのポストコンディショニング効果といった基礎研究を行っています。
論文執筆や学会発表も積極的に行っており、専攻医に対しての学術的な指導も行っております。

近年の主な業績

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