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新人看護職員対象 研修報告
「文献検索」「看取りのケア」「看護診断基礎」
平成27年10月6日(金)11日(水)に「文献検索」「看取りのケア」「看護診断基礎」の研修が行われました。
*「文献検索」
保健医療学部看護学科講師の首藤英里香先生より、「文献検索の意義と文献の読み方の基本」について講義していただきました。文献活用の重要性や文献の読み方、文献整理などについて具体例を用いて説明していただき、理解を深めることができました。また講義を通して、臨床の看護の場における問題解決や自身の看護実践の振り返りに文献を活用し、専門職として自己研鑽することが求められていることを再確認しました。
講義のあとは札幌医科大学附属総合情報センター主任司書の今野穂先生より、「文献検索の方法と実際」について、講義・演習していただきました。受講者からは「図書館に行って使ってみようと思う」という声が聞かれていました。
*「看取りのケア」
医事相談センター副看護師長、緩和ケア認定看護師の田中幸恵看護師より、「看取りの時期における患者と家族の看護」について講義していただきました。
受講者の一人からは「まだ看取りの経験がなく身構えていたが、講義を受けて、日々のケアの基本と同じであることが分かった」との声がありました。講義内容は、すべての看護実践の基本となる「看護師としての姿勢」「患者や家族の思いの尊重」などが基盤となっており、受講者の心に響く研修であったと感じました。
*「看護診断基礎」(新卒者)
集中治療部看護室副看護師長の堀由紀子看護師より、「看護診断の考え方と基礎知識」について講義していただきました。
看護診断の基本的な知識やプロセスについて説明がなされ、その後、簡潔な事例における診断仮説の検討や意見交換をしました。受講者からは「看護診断に抵抗があったが、理解できて使えそうだと感じた」「知識が整理された」という声があり、今後の看護実践に活かしてくれることを期待します。
* | 平成27年度の新人看護職員対象の研修は、全てのプログラムを終了しました。研修終了後の受講者の皆さんの顔には、この半年間で習得した知識や技術、経験による自信と今後への不安が入り混じっているように感じました。自己研鑽の積み重ねによる更なる成長、活躍を期待するとともに、数か月後には一番身近な先輩看護師として、新人看護職員を支えてくれることを望みます! |
「他部門研修」
平成27年9月から10月の期間で「他部門研修」が行われました。6部門(薬剤部、リハビリテーション部、医療材料部、放射線部、院内SPDセンター、検査部)中2部門で同行研修を行い、異なる部門を見学した受講者で編成されたグループで互いの学びを共有しました。
各部門での同行研修においては他職種が働く現場を見学し、資料など用いた丁寧な説明を受け、普段の看護業務の中では気付かなかった他職種の具体的な役割や仕事に対する考え、看護師への希望などを知ることができました。
▼抗がん剤調剤の様子を興味深く 見学しています |
▼検体採取時の注意事項の説明を 受けています |
▼SPDの方と一緒に病棟への 物品の補充も体験しました |
▼様々な工程を経て安全な医療材料が 提供されています |
▼MRIの磁力を体感しています。 鉗子が機器の中心に向かってグッと引き寄せられました。 |
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報告会では同行研修で学んだこと、気づいたこと、感じたこと、考えたことなどを報告し合い、「チーム医療」や「他職種との連携」について改めて考え、看護職として具体的に何を行えば良いのかについて考える機会となりました。「こんなに確認してくれているんだと思った」「他職種にたくさん支えてもらっていることがわかった」といった信頼や感謝を実感する声もあり、多くのことを学んだ研修となりました。
*他部門研修は昨年の平成26年度より実施している研修です。センターりぽーと[2015年8月18日(火)~19日(水)「学会発表」]でも報告しましたが、今年の8月に日本看護学教育学会第25回学術集会で「他部門研修における新人看護職員の学び」をテーマに研究発表しました。学会では参加者の方々から多くのご質問を頂き、興味や関心の高い研修であると感じていましたが、今回の受講者の発表内容や提出記録から、改めてこの研修の意義を実感しました。
「フィジカルアセスメントⅡ」「褥瘡予防」
平成27年10月2日(金)、8日(木)に「フィジカルアセスメントⅡ」「褥瘡予防」の研修が行われました。
*「フィジカルアセスメントⅡ」
「フィジカルアセスメントⅠ」で学んだ知識と臨床経験などをふまえて、事例の看護についてグループで検討し、どのグループも積極的に意見交換を行いました。「観察の視点」「現状のアセスメント」「今後の予測や対応」などを記録用紙にまとめ、発表会での発表や質疑応答によって、他グループと学びを共有することができました。また、集中ケア認定看護師の五百蔵三奈看護師長と和泉美保副看護師長より事例の解説をしていただき、新たな視点への気付きや知識の再確認ができ、症状アセスメントについて学びを深めました。
「フィジカルアセスメントⅡ」は今年度初めて企画・実施した研修です。毎日の看護実践の中で、患者さんの訴えや症状をどのようにとらえ対応していくかということが、新人が抱えている課題なのではないでしょうか。そこで、グループ討議や発表で自身の知識や経験に基づく思考過程を表現し記録用紙に記述することで、振り返る機会になることを期待し企画しました。研修後の受講者からは「勉強になった」「理解が深まった」という声が多数聞かれており、今後の看護に活かしてくれることと思います!
▼初めに五百蔵看護師長より例題の解説を聞き、 アセスメントを進めていくイメージをつかみました。 |
▼グループの代表者がわかりやすく 説明しました。 |
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▼発表者も、発表を聞く側も真剣です。 質疑応答は良い視点への気付きがありました。 |
▼最後に和泉副看護師長より 事例の解説をしていただき、 学びを深めました。 |
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*「褥瘡予防」
皮膚・排泄ケア認定看護師の角谷真由美主任看護師より、褥瘡発生の要因とリスクアセスメント、基本的な看護ケアなどについて講義をしていただきました。演習では、体圧分散、ずれの防止、ポジショニング、スキンケアの基本となる泡の作り方を学びました。褥瘡を予防する上での基本となる技術を、根拠・留意点を意識して再確認する機会となりました。
▼角谷主任看護師 | ▼講義の中で、ドレッシング材の 剥がし方を学びました。 |
▼いざ、実践! 安楽なポジショニング! |
▼クッションで安楽になることを 体感しました。 |
▼ポリ袋で泡を作りました。 フワフワでキメ細やかな泡ができあがりました。 |
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「膀胱留置カテーテル」「経管栄養法」
平成27年9月3日(木)、4日(金)に「膀胱留置カテーテル」「経管栄養法」の研修が行われました。どちらも医療安全に関わる技術であるため、正しい理解が必要であることを再認識しました。
* 膀胱留置カテーテル
手術部看護室副看護師長の中川尚美看護師より、「安全な膀胱留置カテーテルの挿入と管理」について講義がなされ、カテーテル挿入のポイントやトラブル・異常への対応、カテーテル留置中の看護などを説明していただきました。その後に膀胱留置カテーテル挿入・抜去の演習を行いました。
* 経管栄養法
第一外科看護室副看護師長の佐藤麻紀看護師より、「経管栄養法」について講義がなされ、経腸栄養法の目的、胃管挿入中の看護、胃瘻造設後の看護などを説明していただきました。その後、経鼻胃管固定テープの交換、経鼻胃管からの経管栄養法の演習を行いました。
「フィジカルアセスメントⅠ」
平成27年7月3日(金)、6日(月)に新人看護職員を対象とした「フィジカルアセスメントⅠ」の研修が行われました。集中ケア看護認定看護師の五百蔵三奈看護師長と和泉美保副看護師長より、循環器系・呼吸器系・消化器系・神経系のアセスメントに関する基礎的な知識、主な症状・徴候に関する基礎的な知識、これらのフィジカルアセスメント方法について、演習を交えながら講義をしていただきました。また講義の後にはフィジカルアセスメントモデル"フィジコ"を使用した演習が行われ、講師の先生には指導と解説をしていただきました。
* 講義
▼五百蔵三奈看護師長 | ▼和泉美保副看護師長 | ▼腸蠕動音聴取 |
▼瞳孔の観察 | ▼呼吸音聴取 | ▼上肢のバレー徴候の観察 |
* "フィジコ"を使用した演習
講義内容をふまえてグループごとにフィジコの瞳孔の観察、呼吸音聴取、腸蠕動音聴取を行い、得られた情報とそのアセスメントについてグループでディスカッションをしました。
▼フィジコの観察 | ▼観察から得られた情報を グループで確認 |
▼意見が不一致の場合、再度観察 |
▼アセスメントをグループで ディスカッション |
▼フィジコの体験の合間には、ナーシングスキルの視聴や演習問題に 取り組みました。 |
「院内BLS・AED」「糖尿病の薬物療法と看護」
平成27年6月23日(火)、24日(水)に新人看護職員を対象とした「院内BLS・AED」「糖尿病の薬物療法と看護」の研修が行われました。
*「院内BLS・AED」
JRCガイドライン2010に基づいた研修であり、援助者は当院のACLSワーキンググループインストラクターが担当しました。研修は①発見、応援要請、気道確保、呼吸確認、心停止の判断、②胸骨圧迫、③人工呼吸、④AED、⑤BLS、⑥気管挿管の介助、⑦BLSからALSまでの一連の流れについて、それぞれ講義と演習を交互に行う形で進行しました。一人一人が複数回演習することができ、研修内で受講者のスキルがぐんぐん上達していました!
*「糖尿病の薬物療法と看護」
糖尿病看護認定看護師の河原尚美主任看護師より、糖尿病治療における薬物療法の基本的知識や看護について講義をしていただきました。
「フォローアップ研修」
平成27年6月15日(月)、18日(木)に新人看護職員を対象とした「フォローアップ研修」が行われました。
この研修の目標は「①同期と交流しリフレッシュできる。②情報等を交換する中で思いを表出し、今後の仕事への意欲につなげることができる。」となっており、和やかな雰囲気のなかで研修は進められました。
研修内容としてはグループに分かれて自己紹介したのち、「趣味や休日の過ごし方」「就職してからの体験(うれしかったことや印象に残ったことなど)」、「目標にしたい先輩看護師」「これから自分がどうなりたいか」などについて自由に語り合い、その後グループ交流として簡単な運動やゲームを行いました。
▼ 白衣の皆さんを見慣れているため、私服だとずいぶん印象が違います。
▼ グループでのフリートーク
* 準備運動:ラジオ体操第一
▲ 久しぶりのラジオ体操でしたが、皆さんしっかりと行えていました!整列が美しいです。
* グループ交流①:長縄跳び
1グループ9名でチャレンジし、連続跳んだ回数の最高記録は6月15日:43回、6月18日:30回です!
縄の回し方やタイミングの取り方など、グループで相談しながら勝利を目指し取り組みました。
長縄跳び第一位のグループ
長縄跳び第一位のグループ
* グループ交流②:ピンポン玉運びリレー
1グループ4~5名でピンポン玉をお玉やスプーンで運び競争しました。
載せてスタート!
リレー第一位のグループ
ピンポン玉受け渡し
リレー第一位のグループ
みなさん知っていますか?
* 最後に「研修の感想、今後の決意」などを記載してもらいました。
この用紙は入職時に配布した「新人看護職員研修ファイル」に綴じて保管してもらうことになります。数年後、新人のときの自分自身を振り返ってもらえたらと思っています。
今回の研修を通して、多くの新人看護職員が「リフレッシュすることができた」「他の同期も同じようなことで悩んでいることを知ることができ、自分だけじゃないことがわかって元気が出た」などと表現していました。また日頃の緊張感から開放された新人看護職員の皆さんは、普段の研修とは別の一面をみせてくれたと感じました。そのような皆さんの姿にセンター員もリフレッシュさせてもらった一日でした!
「口腔ケア」「吸引(口腔・鼻腔)」「ME機器の取り扱い」
平成27年5月21日(木)、22日(金)に新人看護職員を対象とした「口腔ケア」「吸引(口腔、鼻腔)」「ME機器の取り扱い」の研修が行われました。
*「口腔ケア」「吸引(口腔、鼻腔)」
摂食・嚥下障害看護認定看護師の石崎千順主任看護師より「口腔ケア」と「吸引」の講義がなされ、口腔ケアの原理・原則や口腔環境が人間の心身に及ぼす影響、ケアの具体的な方法、吸引における必要な知識と技術などについて丁寧に説明していただきました。
講義に続いての演習では、各看護室の主任看護師の方々に援助者となってもらい、グループごとのデモンストレーションと指導を担当していただきました。
▲さまざまな口腔ケアの物品
▲実際に体験もしました
▲口腔モデルを使用した演習です
▲吸引モデルを使用した演習です
▲援助者の説明を聞き漏らさないよう真剣です▲
*「ME機器の取り扱い」
「ME機器の取り扱い」は、まず臨床工学部の橋本佳苗先生より臨床工学士の視点から、輸液ポンプとシリンジポンプの取り扱いを中心に講義をして頂きました。正しい機器の使用方法と、重大な事故は機器そのものでなくヒューマンエラーによって引き起こされるのだということを実感する内容でした。そして第一内科看護室副看護師長の茶谷亜希子看護師より、「シリンジポンプ・輸液ポンプを使用している患者の看護」という講義がなされ、ヒューマンエラーを予防するために必要な看護の視点を説明していただきました。
▼演習では機器の取り扱い方法について、講義をふまえて再確認していきました。
今回の研修内容は、「実践したことがない」「見たことがあるだけ」という新人看護職員が多かったため、今後の実践に生かしていただけることを期待します。また4月以来の研修であったため、所属部署に関する情報交換をしたり大変さを共有したりする姿も見られ、研修の場が学びだけではなくリフレッシュの機会にもなっているように感じました。まだまだ覚えることが多くて大変な時期ですが、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
看護診断基礎(既卒者・期中採用者)
5月18日(月)に既卒者・期中採用者12名に「看護診断基礎」研修が行われました。
今までに、看護診断の経験がある看護師は半分で、看護診断の講義を初めて聞くという看護師もいました。
講師は、集中治療部看護室副看護師長の堀 由紀子看護師です。
- 看護診断とは何か
- 看護診断のプロセス
- 事例から看護診断を考える
という内容でした。
事例ではとてもわかりやすく説明していただき、頷きながら聴いている受講者の姿が印象的でした。
新卒の皆さんへは、11月に行います。お楽しみに。
「看護記録」
平成27年4月21日(火)に、新人看護職員を対象とした「看護記録」の研修が行われました。この研修は、昨年度の新人さんの「SOAP記録が難しい」「SOAP記録に時間がかかる」という声をもとに、新たに企画したものです。
講義では看護記録の目的や意義に始まり、当院の看護記録の中でもSOAP記録について詳しい説明がありました。後半は演習も交え、正しい看護記録の記載を学びました。新人看護職員が、日々行う看護実践とその思考過程を正しく伝える記録ができるよう、役立ててもらえたらと思います。
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余談ですが、この日は新規採用看護職員の集合写真を撮影しました。昨年度から始まった集合写真ですが、同期が一堂に会して写真を撮るようなことは今後なかなかないので、特に新人看護職員にとっては良い記念になるのではないかと思います。この写真は一年間、看護部管理室の前の廊下に飾られますので、立ち寄った際にはぜひご覧ください。
「新規採用時研修」
平成27年4月1日、札幌医科大学附属病院は平成27年度の新規採用看護職員80名を迎えました!
4月1日(水)~7日(火)の、計5日間で新規採用時研修を行いました。厳粛な雰囲気の辞令交付式に始まり、病院や看護部の理念、安全管理、電子カルテについてや接遇など、当院の看護職員として必要なオリエンテーションや研修を行いました。
▲緊張の辞令交付式
▲新人さんのパワー全開、新人交流会
▲お辞儀の角度も学びます
▲浣腸の時は左側臥位!
患者さんへの声かけも大切に
▲先輩の技を伝授!採血演習
▲院内施設見学:酷寒のヘリポート
▲院内施設見学:病院の地下に潜入!
制御センター
▲院内施設見学:医療現場の廃棄物が全て集まるゴミ処理施設
怒涛の5日間でしたが、概ね無事に終了してホッとしました。でもそれも束の間、翌日から新人さんたちは各部署での指導が始まり、我々も次の研修企画や準備に取り掛かり始めました。また新たな1年が始まるのだな、と身の引き締まる思いです。
~新人バッジについて~
今年度から新人看護職員は1年間「新人バッジ」を装着します。これは、新人看護職員が初心者としての自覚を持ち看護に取り組むため、また患者さん・ご家族・他職種へ新人であることを提示するためのものです。看護職員の名札にこのバッジを見かけた際には、あたたかくご指導いただければと思います。
「就職前技術研修(移乗・移送、酸素吸入療法、感染予防テクニック)」
平成27年度新規採用看護職員を対象に、入職直前の3月27日(金)に、就職前技術研修を行いました。総勢71名の受講者がバイタルサインの測定、感染予防テクニック、酸素吸入と酸素ボンベの取り扱い、移乗・移送の技術演習を行いました。
バイタルサインの測定では、体温・脈拍・呼吸・血圧の測定方法について原則を振り返り、実際に受講者同士でバイタルサインを測定しました。感染予防テクニックでは、衛生学的手洗い、個人防護具や滅菌手袋の着脱、無菌操作の演習を行いました。酸素吸入と酸素ボンベの取り扱いでは、酸素マスク・経鼻カニューレの装着方法や酸素ボンベの交換の演習を行いました。移乗・移送では、片麻痺のある患者さんのベッド・車椅子間の移乗や、点滴ルートと膀胱留置カテーテル挿入中の患者さんのベッド・車椅子間の移乗と移送の演習を行いました。
▲バイタルサインの測定
▲蛍光塗料を手に塗布して流水と石けんによる手洗いを行い、ブラックライトで洗い残しをチェックしました。
▲流量計の目盛りは目線を合わせて読みます
▲車椅子のブレーキはしっかりと
今回の研修では、各看護大学で実習インストラクターとして活躍されている先生方に援助者をお願いしました。看護技術の伝授はもちろんですが、何と言っても先生方のコミュニケーション能力に脱帽!でした。はじめは緊張した面持ちだった受講者も、研修が終了する頃にはワイワイ談笑していました。
また、学校から当院に就職したのは1人だけ・・・という受講者は、4月1日の前に同期と顔を合わせて、顔見知りができたのはちょっと心強かった様子です。中には、待機時間に自己紹介などで盛り上がっているグループもあり、就職前に敢えて集合研修を行った手応えを感じました。
平成27年度の新人看護職員研修の幕開けとなった一日でした。