国産手術支援ロボット「hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」による世界第1例目の大腸がんに対する手術を実施しました

~消化器外科領域の手術に新たな手術支援ロボットが使用可能となりました~

hinotori手術のようす
手術の様子
hinotori手術のようす
執刀する消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 竹政 伊知朗教授
 <概 要>
札幌医科大学附属病院では「hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」を用いた世界で第1例目の大腸がん手術を11月8日(火)に実施しました。
手術を担当した消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 竹政 伊知朗教授は、「消化器外科領域の手術に新たな手術支援ロボットが使用できるようなり、選択肢が増えました。北海道の患者さんにより安全で高度な医療を提供することにつながります」と述べました。
札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科では、これからもロボット支援手術を積極的に施行します。

<手術支援ロボットhinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステムとは?> 
hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステムは、株式会社メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットで、2020年8月に泌尿器科領域で承認を受けました。手術機器を動かすオペレーションユニット、術者がロボットを操作するためのサージョンコックピットと呼ばれるシステム、術野を映像化するビジョンユニットから構成されています。hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステムを用いた手術では、執刀医はサージョンコックピットに座り遠隔操作でロボットを動かして手術を進めます。
国産手術支援ロボット「hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」
国産手術支援ロボット「hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」
 <~ロボット手術の利点とは?~>
hinotoriTM(ヒノトリ)サージカルロボットシステムを用いた手術では、最先端のビデオ技術により、手術野を高解像度な3D(三次元)画像かつ拡大した視野でとらえることができ、手振れ防止機能の付いた鉗子操作により、精細な手術操作が可能となっており、見る、切る、縫うという点において、従来の手術よりも高い精度の手術が実現可能となっています。

<~対象となる疾患は?~>
消化器・総合、乳腺・内分泌外科で行っているロボット支援手術は下記の術式です。
・ 腹腔鏡下直腸切除・切断術
・ 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術
・ 腹腔鏡下胃切除術
・ 腹腔鏡下噴門側胃切除術
・ 腹腔鏡下胃全摘術
・ 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術
・ 腹腔鏡下肝切除術

<札幌医科大学のロボット支援手術について>
札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座は、ロボット支援手術において国内トップクラスの実績を誇ります。
これまでロボット支援手術の遠隔指導に向けて企業との共同開発にも取り組み、2020年11月には3D映像のリアルタイム映像伝送の実証実験にも取り組んでいます。

発行日:

情報発信元
  • 札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座