2014年 年頭あいさつ

島本理事長・学長による新年の年頭あいさつが行われました

画像スライド集

写真1
島本和明理事長による新年年頭あいさつ

理事長・学長 島本 和明

写真2
島本和明理事長による年頭あいさつ

会場の様子

写真3
島本和明理事長による年頭あいさつ

会場の様子


 平成26年1月6日、仕事始にあたり、臨床医学研究棟講堂において、島本和明理事長・学長より、本学教職員に向けた年頭のあいさつを行いました。
 挨拶では、第2期中期計画の最重要課題となる新キャンパス構想や、がんワクチン・再生医療等の研究推進、質の高い学生の確保に向けた取り組みや学生教育等について新年の抱負を述べました。
平成26年の理事長・学長年頭あいさつについては次のとおりです。

━平成26年 理事長・学長年頭あいさつ━

 皆様、新年明けましておめでとうございます。
 
 年末年始は9連休の期間中、後半こそ大雪でしたが、暖かい年末年始となり、皆様もゆっくりと落ち着いた正月を迎えられたものと存じます。教職員の皆様、学生諸君、同窓生の皆様にとりまして、本年が実り多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
 本日は、新年を迎えるにあたりまして、今年、そして今後の札幌医科大学の運営について抱負を述べさせていただきます。

 まずは、私自身学長就任4年目となりますが、昨年10月の理事長選挙で多くの皆様の信任をいただき、4月からさらに2期目の大学運営をさせていただく事になりました。厳しい課題も多くある中ではありますが、気を引き締めて精進致しますので宜しくお願い致します。

 平成26年は、本学におきましても大きな変革の年になります。まず、昨年3月で6年間の中期計画の最終年度を終えましたが、お陰様で6年目の昨年度は、北海道の評価委員会による評価でA評価以上100%、計画期間中の過去6年間においても全てA評価相当と、特に後半3年の頑張りで有終の美をもって最初の中期計画を終了する事ができました。
 
 昨年4月、平成25年度からは6年間の新中期計画が始まっています。新中期計画の中で最も重要で、期待と注目を集めるのが新キャンパス構想です。昨年11月から西19丁目軽グランドにおいて体育館・リハビリテーション実習施設と保育所の工事が始まりました。26年度には保育所、体育館が移動、その場にフロンティア医学研究所を含めた教育研究棟Ⅰ期工事、27年度には助産学専攻科を含めた保健医療学部増築棟、病院増築棟の工事、そして30年度には残りのⅡ期工事と管理棟の工事に入る予定です。
 スクラップ&ビルドで少し時間はかかりますが、ようやく具体的な新キャンパス構想が実現することになりました。西17丁目市道については、札幌市と認定解除に向けた協議を行っており、取得することによって、緑と駐車場の多い、学内で足りなかった研究、臨床スペースを確保できるものと期待しております。

 また、病院につきましては、多くの方々の強い後押しもあって、25年度基本設計、26年度実施設計、27年度に工事が開始できる予定です。念願の個室の増加や6人部屋の4人部屋化を図るとともに、外来化学療法室、治験センター、リハビリ部門等の拡充を行うこととしており、これら整備が進むことによって附属病院も大きく変わり、道民の皆様に貢献できるものと思っております。
今回の新キャンパス工事は全て、設置者である北海道の負担で行われます。厳しい道財政の中、道庁、道民の皆様に感謝を申し上げます。さて、病院西棟新築にあわせて現在の南・北病棟と中央棟の整備も重要となります。中央棟につきましては、手術室改修、ハイブリット手術、ロボット手術のためのダヴィンチの導入に加え、25年度はMRI2台の導入で、当初の病院計画は予定通り3月までに完了します。この4年間で大きく診療環境、就労環境を改善してきました。
 現在も病床利用率が90%近い値を出してくれています。26年度は病棟薬剤師実現のための薬剤師、MRI増設のための放射線技師などの定数を増やします。これからも病院の稼働に応じて定数を増加する方針で参ります。現在の職員の頑張りが確実に病院を良くしていることは疑いの余地もありません。5月には、最も新しい第3世代version1.0の病院機能評価があります。病院長をはじめ、病院現場で大変な努力をされている全ての医療職、事務の皆様に感謝申し上げます。

 さて、新キャンパスを含む新中期計画への準備段階として、先端医学研究の橋渡し研究による応用を実践する場として、医学部長のリードのもと、フロンティア医学研究所7部門の教授・准教授の選考も終了しました。本学の研究部門の象徴として、今後の益々の発展を期待しております。加えて医学部では、遺伝医学教室を新設し、病院での臨床遺伝外来も昨年11月に開設、道民の期待に沿った診療が行われています。今後、卒後研修センター、感染制御部、医療安全推進部の各教授、内科の再編による診療科増加など、必要に応じてさらに新しい教室や教員を増やしたいと思っております。
 保健医療学部では、昨年、学部開設20周年、衛生短期大学部開設30周年を迎えましたが、保健医療学部長、副学部長のご尽力で設立された助産学専攻科も2年目を迎え、順調に始動しております。附属病院との協力により、看護、理学療法、作業療法の3学科の1日学生体験も、好評下に継続しています。リハビリテーション部での理学療法士、作業療法士の研修制度も全国に先駆けてこの4月から開始すべく準備が進んでいます。また、看護キャリア支援センターを4月に設置し、看護学科の協力を得て、附属病院の看護師、学生の看護教育を一新致します。今後さらに、日本を代表する保健医療学部として発展するものと期待しております。
医学部、保健医療学部、医療人育成センターの研究などに対しましては、23年度、24年度に渡って約11億円の目的積立金を取り崩して、研究用備品などの整備にあてました。残りの目的積立金は、新キャンパスの完成時等、必要に応じて有効に使っていきたいと思っております。
 このように、医学部、保健医療学部共に新キャンパスに備えて、大きく変貌しようとしているところです。
  
 さて、独法化に伴って、外部資金の確保が重要である事はいうまでもありません。科研費が厳しい状況になってきましたが、国からの外部資金による研究費は約6億円で安定しており、減少していません。緩和医療学推進講座の寄附講座も、昨年4月からは㈱アインファーマシーズ様と㈱ニトリ様による寄附講座として再スタートを切っております。
 また、地域社会の発展に資することを目的とした民間企業との連携協定事業も活発に進んでおります。北洋銀行様との連携協定事業により、3年前の10月から、FM北海道で「医の力~札幌医科大学最前線」の放送を開始し、その後2回の延長を経て3月末までの予定で放送されています。大変好評で4月からさらに1年延長してくれるとの嬉しいお話もいただきました。さらに、北海道新聞社様との「健やか北海道プロジェクト」による公開講座の開催、㈱ハーバー研究所様による患者様へのメイクアップサービス、(株)HORI様による附属病院のクリスマスツリー点灯式・入院患者様へのゼリーのご寄附、帯広の(株)オカモトグループ様のご支援により、昨年10月からHBCテレビにて3か月間放送された「医の一番~札幌医科大学の挑戦~」や、新和グループ様のご支援による附属病院への車イスなどのご寄附・ロビーコンサートの開催など、多くのご支援を道内企業の皆様からいただきつつ、大学からの様々な情報発信や、病院の環境整備など、企業と連携した活動を行っております。
 また、文科省の医学教育改革事業で採択された本学の2つのプログラムが昨年スタートし、今年度においてもリサーチマインドを持つ総合診療医養成を中心とした未来医療研究人材養成拠点形成事業が採択され、5年間で3億4千万円程度の予算が措置される予定です。グローバルスタンダードに基づく、新制度による医学教育認証を出来るだけ早く受けるためにも、学生教育、専門家教育に大きな一歩を進めてくれるものと期待しています。
 さて、研究面では、橋渡し研究支援プロジェクトである、脳梗塞の再生医療や、癌ワクチンの研究が全国的にも大きく注目され、オーソドックスなテーマを正攻法で行っていく本学の研究が高く評価されています。医学部病理学第一講座・附属病院 第一外科のチームによる癌ワクチンは、一昨年8月から医師主導治験に入っていますし、附属病院 神経再生医療科のチームによる骨髄幹細胞を使った脳梗塞神経再生医療も昨年5月に医師主導治験が開始されました。
さらに、整形外科においても脊椎損傷患者への骨髄幹細胞を使った再生医療の医師主導治験を開始するなど、神経再生医療学部門と臨床各科との共同研究が進んでおります。また多くの教室でも極めて優れた基礎研究・臨床研究が行われております。研究面でも今年は飛躍の年になるよう支援をして参りたいと存じます。

 最後に、本学の抱える大きな課題の一つに、両学部共に道内で活躍する優秀な、質の高い学生の確保があります。医学部は医学部長のリードのもと、道内で従事する医師を養成するための「北海道医療枠」が昨年新たにスタートし、その動向には注目が集まっております。4月からはアドミッションセンターを設立し、さらに入試制度を改善、整備して参りたいと思います。
もちろん、入学後の教育も重要です。両学部合同のチーム医療実習の意義・大切さにつきましては、北海道あるいは全国から注目されているところです。文部科学省GPを活用した医学部の地域包括型診療参加型臨床実習についても内容を充実させ、次第に学生全員に拡大して参ります。

 学生留学につきましては、中国医科大学、カナダアルバータ大学に加え、韓国カトリック大学も加わり充実してきました。台北医科大学、ロシアのパシフィック国立医科大学からも本学との交流の申込みがあり、学生教育のグローバリゼーションという流れの中で、積極的に進めて参りたいと思っています。学生に魅力的なカリキュラムを作り、実践する事も重要と考えています。特に教養教育については、両学部の新しいカリキュラムと連携し、学生にとって魅力的な教養教育が実現できるよう、教養教育改革を推進したいと思います。医療人育成センター長や教養教育研究部門の諸先生との話し合いもスムーズに進んでおり、改革実現に向けて努力して参りたいと思います。
 これらの努力が、最終的には、研修医、医員の確保にも重要なアプローチとなると思います。卒後研修センターの充実と活性化も多いに進めて参りたいと思います。

 本学も開設64年と既に還暦を終え、今、前期高齢といわれる年に入ろうとしています。本学の更なる飛躍のため、教職員、病院職員の皆様のご理解、ご支援、ご協力を心からお願い致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。


平成26年1月6日
北海道公立大学法人札幌医科大学 理事長・学長 島本和明
 

発行日:

情報発信元
  • 経営企画課企画広報係