解剖学第一講座

我々の身体を構成する細胞の顔となり、細胞内オルガネラの生理反応の場となる生体膜の構造・機能を、電子顕微鏡による超微形態学・生化学・分子生物学・生理学・情報解析学を駆使して明らかにし、肝疾患・神経変性疾患など組織特異的な疾患の病態の解明を目指します。

Department of Anatomy(1)

To develop new therapies of tissue specific metabolic disorders, we research the structures and functions of biological membranes, the platform of different physiological reactions of organelles as well as ‘faces’ of cell surface to be recognized by other cells, by using ultrastructural morphology/biochemistry/molecular cell biology/physiology/metabolomic analyses.

スタッフ

教授 Professor
大﨑 雄樹 Yuki Ohsaki, Ph.D.
所属:医学部医学科基礎医学部門講座 解剖学第一講座
医学研究科情報伝達制御医学生体構造情報学生体情報形態学
Department of Basic Medical Science Department of Anatomy(1)
研究テーマ:
膜脂質と脂質構造体(マイクロドメイン・脂肪滴)の生理機能の解明
研究活動と展望:
細胞膜・オルガネラ膜における特定脂質・タンパク質の集合領域であるマイクロドメイン、および脂質の貯蔵庫であり特殊な膜に覆われた構造である脂肪滴が、シグナリング・エネルギー産生・オートファジー/プロテアソームタンパク質分解系・細胞内物質輸送・脂質合成・核内生理機能(DNA修復・タンパク質品質管理・ゲノム安定性)などの生理機能に関与する仕組みを解明している。
得られた知見を基に、先天性/後天性脂質代謝異常症組織における病態解明につなげ、新規治療法の開発を目指す。



准教授 Associate Professor
二宮 孝文 Takafumi Ninomiya, Ph.D.
所属:医学部医学科基礎医学部門講座 解剖学第一講座
医学研究科情報伝達制御医学生体構造情報学生体情報形態学
Department of Basic Medical Science Department of Anatomy(1)
研究テーマ:
神経細胞の髄鞘形成おける接着装置の機能探求、金ナノ粒子のドラッグデリバリーシステムの開発と応用
研究活動と展望:神経細胞は神経興奮の伝導を高速に行うシステムとして絶縁性の高い髄鞘を形成している。この髄鞘構造維持において接着装置が必須である。上皮組織に存在する種々の接着タンパク中で髄鞘構造に必要不可欠な接着タンパクを解明することで、髄鞘疾患や髄鞘形成不全疾患との関連を探求する。さらに細胞膜を透過できる特性をもつ金ナノ粒子の開発することで、髄鞘維持に関する物質輸送システムの解明やドラッグデリバリーシステムへの応用も目指す。


准教授 Associate Professor
市川 量一 Ryouichi Ichikawa, M.D., Ph.D.
所属:医学部医学科基礎医学部門講座 解剖学第一講座
医学研究科情報伝達制御医学生体構造情報学生体情報形態学
Department of Basic Medical Science Department of Anatomy(1)
研究テーマ:
大脳皮質投射神経細胞と小脳プルキンエ細胞を用いたシナプス構築の形成ならびに維持機構の解明
研究活動と展望:神経回路網形成の過程を探求している。神経細胞樹状突起の発育の機構を連続電顕観察法によって解析し、それによりシナプス構築の形成過程及び維持再生機構の解析を行っている。


講師 Assistant Professor
菊池 真 Shin Kikuchi, R.P.T., Ph.D.
所属:医学部医学科基礎医学部門講座 解剖学第一講座
医学研究科情報伝達制御医学生体構造情報学生体情報形態学
Department of Basic Medical Science Department of Anatomy(1)
研究テーマ:末梢神経系の各種ストレスにおける細胞動態の解明
研究活動と展望:培養系などを用いて各種ストレス(特に、低酸素や低栄養)における細胞の動態を観察し、細胞の応答メカニズムを解明している。細胞におけるストレスは適当な量であればストレスに対する抵抗力を上昇させることができるが、過度なストレスは細胞死を誘導する。培養系を通して、神経系に効果的なストレス刺激とその量を探索している。


助手 Instructor
新見 隆彦 Takahiko Shimmi, B.Sc.
所属:医学部医学科基礎医学部門講座 解剖学第一講座
医学研究科情報伝達制御医学生体構造情報学生体情報形態学
Department of Basic Medical Science Department of Anatomy(1)
研究テーマ:
1)医学・医薬・医療文献情報の形態学的解析及び画像データのAnnotation、Data Warehouse実装に関する調査・研究。
2)解剖学関連文献情報の相互Annotation、Context Analysis。
3)各種情報通信技術(ICT)による遠隔診断技術を含む地域周産期医療支援環境の設計・実装及び検証。
研究活動と展望:
1)基礎・臨床医学分野に於ける各種文献Corpusの形態学的解析に基づく、Archive/Multi-Dimensionnal DWHの要件仕様策定、概念及び基本設計、Prototype設計及び実装。
2)各種データベース技術(MD-DWH, XML, HL7等)の医療応用に関する調査・検証実施。
3)周産期医療に於ける妊婦健康診査項目の電子カルテシステムへの実装に関する調査・検証、Prototype設計。加えてハイリスク妊娠の判定に関するアルゴリズムの設計及び検証。
4)医学教育に於けるICT(情報通信技術)の活用(e-Learningを含む)による、自学自習環境の基本的設計。
5)情報通信技術の構造及び機能的解析と医療応用に於ける実装形態の研究。