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札幌医科大学救急医学講座・高度救命救急センターは、北海道の救急医療の中心としての責務を果たすべく、日々活動しております。
本学高度救命センターでは、心肺停止ショック、蘇生後脳症、急性冠動脈疾患、多発外傷、特殊外傷、重症熱傷、指肢切断外傷、重症内因性疾患、急性薬物中毒、環境障害、等の様々な疾患分類の最重症(3次)救急患者に対し、特殊緊急処置、ICU全身管理、体外循環、等の最先端医療を駆使し、また各専門診療科の協力も得ながら、24時間365日休むことなく診療を行っています。
また基幹災害拠点病院の救急医療施設として、集団災害(多数傷病者発生)に対応するための準備体制を維持し、災害発生時には医療スタッフの現地派遣(DMAT、国際緊急援助隊)や被災患者の収容を行っております。
我々は、広域かつ人口密度が低い北海道の患者広域搬送に不可欠なヘリコプターでの患者航空搬送を札幌医大病院屋上へリポートを活用して積極的に行っており、更には道内のドクターヘリ事業にも教室員を派遣し協力しております。また移植医療にも臓器・組織提供側の立場から積極的に関連しております。
救急医学講座としては、PCPS(経皮的心肺補助)を用いた心肺蘇生、蘇生後脳症に対する脳低温療法、虚血性心疾患・大血管疾患に対するステント治療、救急感染症、多発・特殊外傷治療、熱傷治療、急性薬物中毒治療、等の臨床研究、および急性薬物中毒、心肺蘇生、蘇生後脳症、救急感染症、等に関連した実験研究を行っております。
救急病態に対する緊急対応は医師の必修項目であり、医学教育における救急医学の重要性は非常に大きいものがあります。教育・卒後研修では、日本救急医学会指導医4名、専門医13名、日本集中治療医学会専門医3名で医学部学生、初期・後期臨床研修医の教育にあたっています。また教室員の救急科専門・指導医、集中治療専門医の育成にも力をいれています。
社会から救急医療に寄せられる期待には大きなものがあり、同時に我々には、現在の高度医療の提供に加えて将来の医学・医療の発展を生み出し、現在と将来において社会に貢献するという医科大学としての責務があります。
今後は大学業務である高度医療、教育・研究、社会活動を建設的に進め、また高度救命救急センター・基幹災害拠点病院として、北海道全体の救急医療や災害医療を調和的に発展させていきたいと考えております。これから先進的な仕事ができるような組織創りを行い、その仕事が社会に還元されるよう尽力していきます。また高い臨床力と調整力を持った有能な救急医を社会に送り出していく所存であります。
教授 成松英智
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