教授挨拶
2017年2月1日に就任いたしました。私にとって第2の故郷である北海道の地で勤務できることは望外の喜びであります。自己紹介をいたします。
私は長野県で生まれ、高校まで須坂市で育ちました。昭和の初期までは生糸業で栄えた町です。地元の高校を卒業後、札幌オリンピックで流れた映像やテーマ曲「虹と雪のバラード」の歌詞にあこがれて北海道大学に進みました。皮膚科の臨床実習で20代の乾癬患者さんを担当し、レポートに乾癬という疾患の精神的なつらさについて書いたところ、担当教官にすごく褒められ、これに気をよくして皮膚科をやってみてもよいかなと思うようになりました。北海道では様々な方にたくさんの恩をいただきましたが、個人的な事情により研修は出身地の信州大学皮膚科で始めました。幸せなことに斎田俊明信州大名誉教授(当時助教授)をはじめ、優秀な先輩たちに一般診療や皮膚病理を懇切丁寧に指導していただきました。3年目の夏から国立がんセンター(現国立がん研究センター)の研究所の病理部でHPVとEBVの研究を行いながら、並行して皮膚科で研修を受けました。国立がんセンターで皮膚腫瘍の分野に興味を持てたことが、現在まで皮膚科を続けて来られた理由の1つだと思っています。がんセンターは熱意にあふれていました。都内の有名病院の外科のトップの先生が手術を終えてから夜遅くに研究をしに来ていたり、硫黄島に赴任中の医官が月に1週間とれる休みをフルに使って(戦闘機に乗って)(やはり楽しそうに)研究をしに来ていました。皮膚科では石原和之先生が早朝から深夜まで激しく働き、そして卒後数年に満たないレジデント達にどんどん手術をさせていました。石原先生の姿勢(直接お言葉として聞いたことではありませんが)「来た仕事はこばまない」(できない理由をまず挙げない、前に進める方法はないかまず考える)+(私:やってみてだめなら謝る)が、その後30年間の私の基本姿勢になりました。師匠の斎田先生に門戸を開いていただいた皮膚腫瘍の分野に飛び込み、皮膚診療に役立つ技術やレジメンの開発にエネルギーを注いで来ました。しかし、四半世紀の間、転移を起こした患者さんに効く治療はなかなか開発できませんでした。あきらめかけていた数年前、突然、メラノーマの企業治験の依頼を多数受けるようになり、2014年には抗PD-1抗体ニボルマブの世界初の承認に関わることができました。このような成果は、奥山隆平信州大学現教授と優秀で熱意にあふれたスタッフに全面的に支えていただいたおかげです。
一方、若い先生たちに皮膚科の診療スキルを効率よく伝える方策も四半世紀の間模索してまいりました(皮膚診療はじめの一歩、羊土社 2013年刊)(皮膚科への一歩、無料電子書籍)ので、当地でも発展させたいと思っております。未来を担う先生たちに(私自身が意識できるまでに時間のかかった)皮膚科の診療や研究の面白さを伝えること、皮膚科医という道を選んで本当に良かったと実感してもらえるようになることが、目下、私の目指すところです。また、大学で診療ばかりしていると専門外の疾患や大切なcommon diseaseを勉強しなくなるかもしれないという恐れから、一般の方向けの皮膚疾患解説ブログ「うはら皮膚科」を開設しています。今年の3月で10年になります。私にとってはcommon diseaseのup dateと患者さんになるべくわかりやすい言葉で説明するトレーニングですが、一般の方向けの啓発活動として今後も続けていきたいと考えております。
山下利春名誉教授が育ててこられた教室をさらに発展すべく、みんなと、仲よく、楽しく(楽ではありません)、一生懸命に働きたいと思います。ご支援をお願い申し上げます。
宇原 久
2017年2月
皮膚科学講座の沿革
札幌医科大学皮膚科学講座の設立は皮膚泌尿器科学講座が分離し、新たに皮膚科学講座が独立した昭和39年に始まりました。
下記に初代からの教授を列挙致します。
歴代教授
- 初代 小室秀一郎 教授 在任期間: 昭和25年〜昭和26年
- 2代 外塚岩太郎 教授 在任期間: 昭和26年〜昭和30年
- 3代 高井 修道 教授 在任期間: 昭和31年〜昭和43年
- 4代 久木田 淳 教授 在任期間: 昭和39年〜昭和48年
- 5代 神村 瑞夫 教授 在任期間: 昭和48年〜昭和57年
- 6代 高橋 誠 教授 在任期間: 昭和57年〜平成 6年
- 7代 神保 孝一 教授 在任期間: 平成 7年 〜平成19年
- 8代 山下 利春 教授 在任期間: 平成19年〜平成28年
- 9代 宇原 久 教授 在任期間: 平成29年〜現在
スタッフ紹介
札幌医科大学医学部皮膚科学講座のスタッフをご紹介します。
教授:宇原 久(Uhara Hisashi)
教授 宇原 久 (うはら ひさし) |
1986年 | 北海道大学医学部卒業 |
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1986年〜1988年 | 信州大学医学部附属病院 | |
1988年〜1990年 | 国立がんセンター研究所 | |
1990年〜1991年 | 諏訪赤十字病院皮膚科 | |
1991年〜1993年 | 信州大学医学部附属病院 助手 | |
1995年〜2011年 | 信州大学医学部附属病院 講師 | |
2011年〜2017年 | 信州大学医学部 准教授 | |
2017年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科 教授 |
所属学会 2021/5現在: 日本皮膚科学会 (代議員), 日本皮膚悪性腫瘍学会 (副理事長), 日本色素細胞学会 (理事), 日本研究皮膚科学会 (評議員), 日本癌学会 (評議員), 日本癌治療学会, 日本臨床腫瘍学会, 日本臨床皮膚医会, 日本皮膚病理組織学会, The American Society of Clinical Oncology (ASCO), The European Society for Medical Oncology(ESMO)
委員他: 日本皮膚悪性腫瘍学会・悪性黒色腫薬物療法の手引作成委員, JCOG皮膚腫瘍グループ代表委員, WHO Classification of Skin Tumours, 4th edition 2018 (協著), NPO法人皮膚オンコロジー若手教育機関(理事長)
著書: 皮膚科診断をきわめる-目を閉じて診る、もうひとつの診断学 (秀潤社、2016刊); どう診る、どう治す、皮膚診療はじめの一歩 (羊土社、2013刊); 皮膚科への一歩(電子書籍)
Web: うはら皮膚科(仮想クリニック)uhara.org
准教授:肥田 時征(Hida Tokimasa)
准教授 肥田 時征 (ひだ ときまさ) |
2000年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2000年〜2001年 | 札幌医科大学附属病院皮膚科 | |
2001年〜2002年 | 札幌厚生病院皮膚科 | |
2001年〜2005年 | 札幌医科大学大学院(皮膚科学講座) | |
2005年〜2007年 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助手 | |
2005年〜2007年 | ロンドン大学セントジョージ校基礎医学科訪問研究員 | |
2007年〜2013年 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 | |
2014年〜2022年 | 札幌医科大学附属病院皮膚科講師 | |
2022年〜2024年 | 札幌医科大学皮膚科准教授 | |
2024年〜現在 | 札幌医科大学皮膚科准教授(病院教授) |
助 教:加藤 潤史(Kato Junji)
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2004年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2004年〜2005年 | 北海道社会保険病院 | |
2005年〜2006年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2006年〜2007年 | 砂川市立病院 | |
2007年〜2008年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2008年〜2009年 | 埼玉医大国際医療センター皮膚腫瘍科 | |
2009年〜2010年 | 釧路赤十字病院皮膚科 | |
2010年〜2011年 | 札幌医科大学付属病院 | |
2011年〜2012年 | 国立がん研究センター中央病院 | |
2012年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
助 教:菅 裕司(Kan Yuji)
助教 菅 裕司 (かん ゆうじ) |
2005年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2005年〜2006年 | 道立紋別病院 | |
2006年〜2007年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2007年〜2008年 | 室蘭日鋼記念病院 | |
2007年〜2011年 | 札幌医科大学大学院(皮膚科学講座) | |
2011年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
助教 : 堀本 浩平(Horimoto Kohei)
助教 堀本 浩平 (ほりもと こうへい) |
2006年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2006〜2007年 | 斗南病院 | |
2007〜2008年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2008〜2009年 | 釧路赤十字病院 | |
2009〜2010年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2010〜2011年 | 札幌厚生病院 |
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2011〜2012年 | 釧路赤十字病院 | |
2013〜2014年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2014〜2016年 | 札幌医科大学大学院(皮膚科学講座) | |
2016年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
助教 : 熊谷 綾子(Kumagai Ayako)
助教 熊谷 綾子 (くまがい あやこ) |
2005年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2005〜2012年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2012〜2013年 | 北海道社会保険病院 | |
2013〜2016年 | 札幌医科大学大学院(皮膚科学講座) | |
2016〜2019年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2019〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
助教 : 佐藤 さゆり(Sato Sayuri)
助教 佐藤 さゆり (さとう さゆり) |
2008年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2008年〜2009年 | 市立室蘭総合病院 | |
2009年〜2011年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2011年〜2012年 | 砂川私立病院 | |
2012年〜2013年 | 札幌厚生病院 | |
2013年〜2014年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2014年〜2015年 | 埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科 | |
2015年〜2016年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2016年〜2020年 | 札幌医科大学大学院(皮膚科学講座) | 2020年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
助教 : 神谷 詩織(Kamiya Shiori)
助教 神谷 詩織 (かみや しおり) |
2006年 | 札幌医科大学医学部卒業 |
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2006年〜2007年 | NTT東日本札幌病院 | |
2007年〜2009年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2009年〜2010年 | 砂川私立病院 | |
2010年〜2011年 | NTT東日本札幌病院 | |
2013年〜2017年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2017年〜2018年 | JCHO北海道病院 | |
2018年〜2023年 | 札幌医科大学附属病院 | |
2023年〜2024年 | JCHO北海道病院皮膚科医長) | 2020年〜現在 | 札幌医科大学附属病院皮膚科助教 |
臨床教授等リスト2023年度
氏名 | 臨床教授等の種類 | 卒業大学 |
澄川 靖之 | 臨床教授 | 大阪大学医学部医学科 |
鎌田 麻子 | 臨床教授 | 札幌医科大学医学部医学科 |
廣崎 邦紀 | 臨床教授 | 札幌医科大学医学部医学科 |
ノ澤 健二 | 臨床教授 | 札幌医科大学医学部医学科 |
神谷 崇文 | 臨床准教授 | 札幌医科大学医学部医学科 |
加瀬 貴美 | 臨床准教授 | 鳥取大学医学部医学科 |