献体について

献体とは、献体の意義について等のご説明。

献体とは

献体とは、医学・歯学の大学における人体解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。

「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」とこころざした人が、生前から献体したい大学またはこれに関連した団体に名前を登録しておき、亡くなられた時、遺族あるいは関係者がその遺志に従って遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されることになります。

解剖にもいろいろありますが

解剖には大きくわけて次のような種類があります。
  1. 人体の構造をしらべるための解剖(正常解剖)
  2. 死後、すぐ病変をしらべるための解剖(病理解剖)
  3. 変死体の死因をしらべるための解剖(法医解剖又は司法・行政解剖)

献体に直接関係があるのは、上記 1. 正常解剖で、医学・歯学教育の基礎といわれております。

医学教育の最初にまず履修する「人体解剖学実習」がこれに当たります。亡くなった直後に病院で行う病理解剖とは違い、正常解剖は、医学・歯学系の大学解剖学教室で行われます。

良い医師・歯科医師を育てるためには、全身の構造を学ぶ「解剖学」の教育を充実させることが絶対に必要なことなのです。

献体の意義

より良い医師・歯科医師の育成のために

今日ほど「医の倫理」が強調され、「良医」の育成が強く要望されている時はありません。医師・歯科医師になろうとする学生が、医学・歯学の勉強をはじめるに当たり、「人体解剖学実習」で、「より良い医師・歯科医師になるために、自分の身体を使って十分に勉強して下さい。」という願いをこめて献体されたご遺体によって学習することにより、学生は、人体解剖学の知識の習得と同時に、献体に対する感謝の気持ちと、その期待に応える責任と自覚を持つという点で、大きな精神的教育を受けています。

献体の最大の意義は、みずからの遺体を提供することによって医学教育に参加し、学識・人格ともに優れた医師・歯科医師を養成するための礎となり、医療を通じて次の世代の人達のために役立とうとすることにあります。しかし、医療は医師・歯科医師によるばかりではありません。現代の医療はチーム医療と呼ばれ看護師・理学療法士・作業療法士など多くのコメディカルと呼ばれる専門職によって支えられています。最近はその人達の教育にも解剖学実習が必要だとの考えがあり、コメディカル側からも強い要望が出されております。日本の医療水準を更に高めるため、献体者のご理解を願う運動が始まっております。

献体登録をするには

どこに申し込むのか

北海道には、以下の4大学に白菊会があり、それぞれ自分の希望する大学に申し込むことができます。希望する大学に連絡し、資料請求をして下さい。白菊会のパンフ、入会申込書などが送られて参ります。

家族とも十分なご相談の上、主旨にご賛同できたなら、この申込書に必要事を記入、捺印の上、大学へ郵送して下さい。 登録が完了すると会員証が送られて参ります。
旭川医科大学白菊会
 旭川医科大学内 ・・・ 電話0166-65-2111(内線2119)
札幌医科大学白菊会
札幌医科大学医学部解剖学教室内 ・・・ 電話011-611-2111(内線 26460)
北海道医療大学白菊会
 北海道医療大学歯学部内 ・・・ 電話0133-23-1211(内線 2154)
北海道大学白菊会
北海道大学医学部生体機能構造学講座内 ・・・ 電話011-706-7852(直通)

ご親族の同意

献体登録にはご親族者の同意が必要!

生前、献体登録をしておられても、死後、実際にその意志を実行できるのは、ご遺族(ご親族の方々)であって、申込者本人ではありません。従って、ご遺族に1人でも反対がありますと献体は実行されず、その遺志が生かされないことにもなりかねません。

そのため、献体登録をする時にあらかじめご親族の方々の同意を得ておくことが大切です。また、登録後もできるだけ多くの身近な人達に理解しておいてもらうよう、その旨を伝えておくことが必要です。

本人の意思を確実に家族の方々に伝え理解を得るためには、本人が元気なうちでないとできないことです。

ご親族の範囲

登録にあたって、同意を得ておいていただくご親族は、配偶者および、同居別居を問わず親、子、兄弟姉妹などを指します。ことに親族中で発言力の強い方の同意を得ておくことは特に必要です。

その他、不明な点はご自身の希望する大学へお問合せ下さい。