教授挨拶

教授挨拶

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解剖学第二講座 教授 永石歓和
 2023年(令和5年)6月1日付けで札幌医科大学医学部解剖学第二講座の第5代目の教授を拝命し就任しました。母校である本学の歴史ある講座を主宰することとなり、重責に身が引き締まる思いであります。講座の歴史を受け継ぎ、教室と大学の発展のために全力を尽くして参りたいと思います。
 本講座では、患者さんの生体組織を用いて、炎症性腸疾患や自己免疫疾患、糖尿病合併症、アルツハイマー病、認知症等の慢性炎症性疾患や難治性疾患の病態解明と、これに基づく治療に直結する研究を行っています。身体の各組織は、受精卵から組織幹細胞まで段階的に分化能が異なる様々な幹細胞から分化した機能的な細胞によって構成されています。幹細胞の恒常性や機能変化を解明することは、疾患により傷ついた細胞や組織を修復・再生する上で重要であり、細胞機能に立脚した治療法である再生医療に関する研究を進めています。細胞移植治療に用いる細胞を調製するために、幹細胞なかでも間葉系幹細胞の増殖や分化、セクレトームなどの細胞機能の解明や、移植治療を最適化するための生体外での細胞制御技術を開発する研究、また運動による炎症と再生の制御メカニズムや糖尿病潰瘍潰瘍の病態メカニズムの探索を行っています。さらに、高齢化社会に伴い喫緊の課題であるアルツハイマー病の研究では、ヒトの死後脳を用いた病理組織解析と生前の認知機能の乖離のメカニズムの解明や、予防医学・先制医学の観点から生活習慣や心理的側面に焦点を当てた認知症予防に関する研究も行っています。慢性炎症制御、組織再生を軸に、先見性ある深い探求と臨床現場に届く研究・開発を進めて参ります。
 また本講座は、医学教育の中で最も重要な土台となる肉眼解剖学教育および人体発生学の教育を担当します。解剖学の学びを通して医学に対する倫理観や心構えを十分に養い、優しさと忍耐力を兼ね備えた医療人を育てるべく、教職員皆で尽力いたします。さらに、最先端の医療技術を安全に患者さんに届けるための外科系医師の実践的卒後研修(サージカルトレーニング)やメディカルスタッフのための研修を管理・運営しています。札幌医大白菊会会員様の篤志に報い、本研修を通して地域医療に貢献できるように臨床講座との連携を強め、今後も推進して参ります。
 小さな発見や尖ったアイディアを大事にし、自由闊達に能力を発揮できる環境を整えて、幅広い視点と柔軟な発想力をもった医療人・研究者を育てたいと思います。活気溢れる若い力を結集し、新たな発見を積み重ねる喜びを一緒に体験しましょう。門戸はいつでも開いています。

 札幌医科大学 医学部解剖学第二講座 教授 永石歓和