よくある質問Q&A

大体の内容は本文と重複しますが、これまでよく質問を受けた内容を一部まとめました。

当科での受診について

1.最初に受診するタイミングはいつが良いですか?

手術の計画時には初診で早い方から優先して組んでいますので、1歳の誕生日を待って受診いただけるのが良いかと思います。
しかし、手術自体は小学5年生以降ですので、それにこだわらない方は手術時期までの間に受診いただければ結構です。
あせらずまず情報収集をし、知識をつけた上で受診するのが良いかと思います。

2.小学5年生になってから受診しても良いですか?

それでも問題はないのですが、現在すでにかなり待機患者様が増えていて、学校のお休み期間中に皆様の手術をこなすことが困難な状況になっています。
やむを得ず、初診の早かった方から優先して希望時期に入院していただくようにしていますので、遅い受診だと、なかなか希望時期での入院は難しいというのが正直なところです。  

3.最初の受診後、先生のところには毎年受診が必要でしょうか?

理想的には、本人なりに手術についての理解を深めてもらいたいので、やはり1年1回でも顔を出していただければとは思いますが、遠方の方の場合、旅費その他のことも考えると、なかなか難しいかと思いますので、一度受診いただき、じっくり理解していただければ、あとは手術が近くなった時点(手術を予定する前1年以内)で確認のため診察させていただくだけで十分です。 

4.外来日に行けば説明していただけますか?

定時の外来は、水曜日の午前に行っていますが、十分に時間が取れないのが現状です。
従って事前にメールで連絡いただき、外来時間外で予約を取っていただいております。
ただし、これは私の時間が空くとき、という形でしか受けれませんので、大体は水曜の午後でお願いしていることが多いです。
残念ながらその他の曜日は殆ど手術等で時間を確保できないというのが現状ですので、ご理解ください。
また、特に春、夏、冬休み期間中は、早くから予約されてお越しになる方が多く、ぎりぎりに連絡を頂いても時間を作る事が出来ません。  

5.手術後の通院はどのくらい必要でしょうか?

傷の経過にもよりますので、正確には言えませんが、各手術後1,2回程度の受診、というのが一つの目安です。
また、ワイヤーの露出や軟骨の吸収の有無の確認のため、20歳までは1〜2年に1度程度受診いただくことが望ましいです。 

手術に関して

1.親の軟骨は使えないのですか?

残念ながら、本人(または一卵性双生児)以外の軟骨は、移植後2,3年経過すると、徐々に吸収されて、ほとんどなくなってしまいます。 

2.体格が小さいので手術ができるのか心配です。

135cm以上、30kg以上を一応の目安としていますが、必ずしもこれに達していないと手術ができないというわけではありません。
正確には手術前に一度受診いただき、直接触診で軟骨の厚さ、堅さ、幅を確認した上でGoサインを出しています。

3.アトピー性皮膚炎があるのですが、手術は大丈夫ですか?

確かに皮膚の炎症を繰り返すことで皮膚が硬くなり、凹凸が出にくい、またはむくみが抜けにくいという傾向はありますが、アトピーだから手術できないということはありません。 

4.髪は広く剃らないといけないのでしょうか?

私の場合には、耳の周り幅1〜2cm程度剃るだけなので、その上の髪を伸ばしておいていただければ全く目立ちません。  

5.手術中に目が覚めたりしないのでしょうか?

今の麻酔技術は非常に進んでいて、一定の深度で眠れるようにきちんと麻酔科の医師が管理していますので、全く問題ありません。
札幌医大の麻酔科は、優秀なことで有名なんですよ!  

6.手術は危険性はないのですか?

勿論歯を1本抜くにも100%安全とは言えませんから、絶対という言葉は使えません。
しかし一般に手術が危険なのは、たくさん出血したり、広い範囲の手術が必要だったり、というような場合、またはハイリスクの合併症(糖尿病、心臓疾患…)を伴っている場合です。
小耳症の手術は時間がかかりますが、これは主に耳の形に軟骨を組立てたり、細かな皮膚の調整をするのに時間がかかるということで、危険な部位をいじるわけではありませんので、心配いりません。出血量もせいぜい何十ccというレベルですから、輸血などの可能性もありません。 

7.手術の季節はいつが一番いいですか?

あまり手術時期が結果に影響することはありません。
アトピー性皮膚炎の方は症状が少ない時期を選んだほうがよいです。  

術後について

1.傷は退院後目立つのでしょうか?

1回目の手術後はむくみと傷の赤みがあり、2〜3ヶ月かけて徐々に引いてきます。
2回目の手術後は耳の後ろの移植皮膚の色素沈着や赤みが数ヶ月続きます。
退院と同時に綺麗になるわけではありません。  

2.作った耳に感覚はあるのでしょうか?

手術後すぐに感覚が戻るわけではありません。神経の治りには時間がかかり、半年〜1年かけて少しずつ戻ってきます。
ただし、耳介挙上後(2回目の手術後)、耳の後ろの移植皮膚の感覚はやはり周囲よりはやや弱いようです。
逆に、肋軟骨移植術後(1回目の手術後)耳を擦ると、強い痛みが起こることがあります。
これは一種の過敏症、または皮膚が全体に引っ張られた状態になっているためと思われますが、これは徐々に軽減しますし、また耳介挙上術(2回目の手術)を行うと楽になりますので心配はありません。  

3.手術の後すぐスポーツできますか?

1回目の手術の後2〜3ヶ月は、軟骨を採取した後の胸郭の強度が低下していますので、強くぶつけたり体を大きくひねるような激しいスポーツは禁止です。
軽いジョギング等であれば問題ありません。
耳介挙上術(2回目の手術)の後は、すぐにスポーツが可能です。 

4.手術後やってはいけないスポーツはありますか?

耳の変形が起きるスポーツ(レスリング、柔道、相撲…)などは、避けてほしいものです。
その他のスポーツは、基本的には可能です(剣道で面を付けるときは工夫が必要、など、スポーツの種類によっては注意を要することがあります)。  

5.手術でワイヤーを使っていると、CT検査はできないのですか?

ワイヤーはステンレスなので、CTを撮ると、画像が干渉で綺麗に映らないことがあります。
しかし、できないわけではありません。
同じくMRIという磁気を使った検査は、金属が動くから検査できないと言われますが、それは脳にクリップを使用した術後、などの場合であり、小耳症ではワイヤーがあちこち動くようなものではないので、問題ありません。  

6.できた耳はずっとそのまま維持されますか?

何十年という経過で見ると、やや厚さが減ったりするなど細かな変化はありますが、殆ど作ったままの状態でちゃんと一生維持されます。
逆に時間と伴に馴染んできて、見た目も実際さわった感じも自然な柔らかさが出てきます。

7.作った耳は怪我をするとだめになっちゃうんでしょうか?

普通に血が通った耳ですから、一度馴染んでしまえば、擦り傷、切り傷は普通の処置で治ります。
もっとも、軟骨の深くまでの傷や、強い打撲による骨折、という可能性もないわけではありません(幸いこういうことは今まで一度もありませんでしたが)ので、形成外科で診察を受けて、きちんと治療をした方がいいでしょう。 

全般的なことについて

1.二人目の子供を作っても大丈夫でしょうか?

勿論絶対という言葉は使えませんが、基本的に遺伝性疾患ではありませんので、二人目のお子様も小耳症ということはきわめて可能性が低いと言えます。 

2.小耳症の耳も中耳炎になるのでしょうか?

外耳道、鼓膜がなくとも、中耳、内耳はありますので、当然中耳炎になる可能性はあります。
しかも中を覗けないので、状態がわかりません。
そこで、反対の耳の状態を参考にしたり、痛がり方をみながら治療することになりますが、きちんと治ります。

3.小耳症だとバランス感覚が悪くなるのでしょうか?

確かに内耳はバランス感覚の点で重要ですが、内耳自体の機能は維持されていることが多く、まず問題となることはないかと思います。  

4.小耳症で水泳をやってもいいのですか?

しばしば、医師の中にも水泳はあまり良くないとおっしゃる方もいるようですが、全く問題ありません。
かえって、心肺機能を高め、風邪が引きにくくなりますし、また胸郭が発達するため、手術の際には有利にもなりますから、私の一番お勧めしたいスポーツです。 

5.顔の左右差は大きくなると目立ってくるのでしょうか?

顔の低形成は、頬のお肉と、骨の両方の低形成があります。
生後すぐは、特に頬にお肉がいっぱいついていますので、目立ちやすいものです。
成長と伴に頬が痩せてくると、左右差が目立ちにくくなることが多いです。ただし、あごの骨自体の変形はやや強くなる可能性があります。
また生後特に左右差の気にならない方で、あとから極端に目立ってくるようことはまずありません。 

6.夜薄目を開けて寝ているんですが…

小耳症の側だけ程度が強いようなら、顔面神経麻痺による可能性があります。
程度が強ければ角膜炎などになる場合もありますので、眼科にご相談ください。
両方薄めを開けている、というのであれば小耳症が関与しているものではないです。 

7.言葉が聞き取りにくいのですが…

まれに、顔面神経麻痺の影響で、軟口蓋(のどちんこのあたり)の動きの左右差のため、鼻に言葉が漏れ、聞き取りにくいことがあります。
程度が軽ければ、言語訓練で様子をみますが、程度が強ければ手術の適応となる可能性もあります。 

8.いつも良い方のあごばかり使ってご飯を食べるのですが…

関節にあまり無理がかかってはいけませんが、小耳症の側でもちゃんと噛むようにしないと、咬筋の筋力や厚さの左右差がよけい広がってしまう可能性がありますので、両方で噛むよう工夫したほうがいいでしょう。 

9.あごの骨の治療はいつがいいのですか?

あごの骨の治療には2種類あります。骨延長と骨切り術です。
前者は5歳頃から可能です。
後者は高校生くらいになってからが一般的です。
状態や治療施設によって考え方が異なりますから、医師と相談して計画ください。
この治療は形成外科でやる施設と歯科口腔外科でやる施設があります。 

10.耳鼻科を受診した方が良いのでしょうか?

生後聴力検査が行われ、反対側の耳介の聴力が確認できていれば、特に定期的受診は必要ありません。
聴力検査を行っていない方も、あせらずに、まず音への反応を見ましょう。
ただし、一見正常に見える耳でも、まれに聴力低下を認める場合がありますので、音への反応が鈍いようなら1歳前に、聴力検査をしておいた方がいいでしょう。
両側小耳症の方は、早めに補聴器で音を入れる必要がありますので、定期的に受診して医師と相談していく必要があります。  

11.再生医療で耳を作れないのですか?

残念ながら現時点では全く目処はたっていません。
耳の形の軟骨を作るところまではできているのですが、移植するとすぐに吸収されて形が崩れてしまうという欠点が解決しないまま現在に至っています。
将来的には可能性はあると思いますが、まだかなり先の話になると思います。 

最終更新日:2017年02月24日


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