As is our pathology, so is our practice.
(私たちの病理がそうであるように、私たちの診療もそうである)
現代医学の父といわれる内科医 Sir William Osler(ウィリアム・オスラー) が残した有名な言葉です。そのまま訳したのでは、少し意味が分かりにくいかもしれませんが、この短い文には2つの意味があります。
- 病理医としての解釈
病気を診断するに際し、最後の結論は病理診断に委ねられることがとても多いのをご存じでしょうか?特にがんの診断には決定的な役割を果たしています。どのように診断するかが、そのまま治療選択に直結します。 第一の意味は「診断が変われば、治療が変わる」ということです。 - 病理学者としての解釈
病理という言葉は単なる診断ではなく、病気の成り立ち(病態生理)、分子メカニズム、疾患概念そのものを含んでいます。これらは、様々な医療技術が発達した今でも、分からないことだらけです。 つまり第二の意味は「どのように病気を理解しているかで、医療の限界が決まる」ということです。
この言葉には続きがあります。
What the pathologist thinks today, the physician does tomorrow.
(今日、病理医/病理学者が考えたことが、明日の臨床医の行いとなる)
病理医/病理学者は、病理医として、個々の症例に対して下した診断によって、(日付の意味での)明日の臨床医の診療の根拠となる指針を提供します。そして、病理学者として、病気の成り立ちやメカニズムを研究することで、(未来という意味での)明日の臨床医の診療をかえうるという使命をもって研究を行っています。
病理学第一分野では、2つの役割を体現できる病理医/病理学者の実践と育成に取り組んでいます。

