札幌医科大学 医学部 病理学講座病態究理病理学分野

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ご挨拶

2026年4月、鳥越俊彦前教授の後を受け、第六代教授として本講座を担当することとなりました廣橋良彦でございます。
病理学はいわば医学を統括する学理探究の学問であり、医科大学、医学部の根幹をなすものです。私どもの教室も、その任を全うすべく今後とも努力を続けてまいります。

沿革

私ども札幌医科大学医学部病理学講座病態究理病理学分野(旧病理学第一講座、通称:札幌医大一病)は、北海道庁立女子医専病理学教室(1945年)を母体として、1950年、札幌医大創設と同時に開講されました。
北海道大学医学部第一病理の新保幸太郎助教授が教授として迎えられ、ついで小野江為則教授が任命されました。新保(後に札幌医大第3代学長、故人)、小野江(後に副学長、故人)両教授は北大一病武田勝男教授(故人)の一門であり、形態ばかりでなく、実証的な機能病理学を主体とする学風と、北国らしい大らかなロマンチシズムが札幌医大病理に根づいたといえます。
1964年、第一病理(新保)、第二病理(小野江)に分離しましたが、以後多くの人材を輩出しています。 第一病理、第二病理および病院病理部は、人体病理研究と臨床病理業務を共同して行い、機能病理・実験病理研究は各々独立して方法論を共有するという、理想的な協同体制を維持してきました。
第一病理は、初代新保教授、二代目藤本輝夫教授(後に大阪市大病理)に続き、武田勝男教授の最後の愛弟子である三代目菊地浩吉教授(後に札幌医大第6代学長)がヒトがん免疫病理学の基礎を築かれ、四代目佐藤昇志教授(後に札幌医大医学部長)ががん免疫療法の臨床研究を発展させ、2015年に五代目鳥越俊彦教授が就任、そして2026年、私が第六代教授を拝命し今日に至っております。

これから

菊地教授が礎を築かれ、佐藤教授、鳥越教授へと受け継がれてきた「がんに対する免疫を病理学の言葉で理解し、治療へとつなぐ」という姿勢は、本講座の何よりの財産であり、私自身もこの教室で育てていただきました。がん免疫療法は医療の一角を占めるまでになりましたが、依然として効果の得られない患者さんが多く存在し、その背景には、がん細胞の多様性、抗原提示機構の破綻、免疫を抑制する腫瘍微小環境など、病理学が正面から取り組むべき問題が横たわっています。私どもは、HLAを介した抗原提示とT細胞による認識機構を軸に研究を進め、これを基盤とした新たながん免疫療法の開発に取り組んでおります。ヒトの組織・細胞を観ることから出発し、得られた知見を再びヒトへ還すこと。この往復こそが、人体病理学に立脚する私どもの研究の要諦であると考えております。
同時に、病気を形態と機能の両面から理解する眼を学生に伝え、病理診断を担う次代の医師・研究者を育てることは、研究と並ぶ重要な使命であります。学内外の臨床各科、他大学、国内外の研究機関との連携をいっそう深め、開かれた教室として、若い方々が自由に議論し挑戦できる場をつくってまいります。 札幌の地から、世界に届く病理学を。皆様の一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

札幌医科大学医学部 病理学講座 病態究理病理学分野(旧病理学第一分野)
教授 廣橋 良彦

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