教授挨拶   

 私が、札幌医科大学呼吸器外科学教授に就任してから、早いもので3回目の春を迎えることになりました。北海道初の呼吸器外科教室の誕生をこの上もなく喜んでいただいた方々に報いるべく、この間教室員とともに鋭意努力を重ねてまいりました。2017年6月で4年目を迎えます。学内の関連教室、道内関連施設、そして諸先生のご支援・ご指導により、手術数の増加と質の向上、教室員の増加など、胸を張って朗報をお届けすることができます。


手術数
 就任前年(2012年)272例であった手術数は、年々増加し昨年は311例となりました。そのうち原発性肺癌は、138例であり目標の200例には距離がありますが、通過点の150例は、視野に入ってまいりました。この間、常に90%以上が完全鏡視下手術で施行され、気管支形成術、肺動脈形成術、胸壁大血管合併切除以外の症例ではほぼ完全鏡視下手術が施行されています。完全鏡視下手術が予定された症例の1%前後が、何らかの理由で開胸移行しております。根治性を損なわずに肺機能を保つ、進行癌に対する気管支形成術、肺動脈形成術も徐々に増加し昨年は7例に達し、一方、早期癌に対しての区域切除術は、適応を厳格化しつつ継続施行されています。胸郭変形疾患である成人ロート胸に対するNuss手術も、2014年から施行開始いたしました。また、延期されていたロボット支援手術も今年度中に開始予定です。
研究
日本呼吸器外科学会学術委員会が主体となった「間質性肺炎合併肺癌症例に関する外科治療成績の関する研究」「早期肺癌に対する積極的縮小手術成績に関する研究」など他施設共同研究の一員として主体的に取り組んでまいりました。これらに、関しては複数の論文が関連有名雑誌に掲載されています。
この他にも、現在4件の他施設研究に参加し、教室員一同新たな臨牀知見の解明、発見に鋭意尽力しています。教室が主体となった自主臨牀研究、呼吸器アレルギー内科、基礎教室との協力による癌遺伝子、プロテノミクスの研究、肺胞上皮と細気管支基底細胞の性質を併せ持つ細胞Human Lung cells (HuL cells)などに関する研究などが行われ、臨床医研究のみと言っても過言ではなかった研究領域次第にそのすそ野が広がってきています。
同志
教室の方針として、医学部卒業と同時に呼吸器外科教室への入局を勧めて参りました。
その理由は、1)より責任を持った教育、その依頼が可能なこと:必要なことをより明確に伝えることができ、さらに所属が明らかであれば、初期臨牀研修中も関連各科の支援も手厚くなる傾向があります。2)早期の所属科志望により、自覚が芽生え研修中の動機づけが容易となります。3)教室、同門からの多様な援助、支援を受けることができます。4)全国学会での発表、専門医の取得が早期に可能となります。これらの、優位性は、恐らく劣性を凌駕することでしょう。少なくとも、外科志望の学生には、早期の所属教室、施設の決定をお勧めします。札幌医科大学呼吸器外科教室は、3名でスタートし、現在6名の初期研修医を擁し、さらに来年にも2名の研修医の所属が決定しています。彼らが、極近未来に同志として、その能力を発揮してくれるものと信じて疑いません。さらに、病める人を癒すため、自身の向上、呼吸器外科分野の発展を目指して新たな仲間が加わってくれることを願ってやみません(2017年3月)。

2013年挨拶


資格
日本外科学会指導医(S007837)
日本胸部外科学会指導医(呼吸器)、評議員

呼吸器外科専門医 (2100848呼吸器外科専門医合同委員会)

日本呼吸器外科学会指導医、

日本がん治療認定医機構暫定教育医(第071368)

日本呼吸器外科学会胸腔鏡手術インストラクター


略歴

1985年 札幌医科大学 医学部 外科学第二講座 研究生

1990年 札幌医科大学 医学部 外科学第二講座 助手

1994年 砂川市立病院胸部外科医長

2001年 札幌医科大学 医学部 外科学第二講座 講師

2002年 カナダカルガリー大学胸部外科臨床研究員

2007年 札幌医科大学 医学部 外科学第二講座 准教授

2013年 札幌医科大学 医学部 呼吸器外科学 教授


所属学会

日本胸部外科学会、評議員

日本内視鏡外科学会、評議員

日本外科学会、代議員

日本呼吸器学会、評議員

日本肺癌学会、評議員

日本冠動脈外科学会

日本胸腔鏡手術研究会世話人

日本Nuss法およびロート胸手術手技研究会世話人

日本胸腔鏡手術研究会世話人

世界肺癌学会会員

ヨーロッパ胸部外科学会会員

アメリカ胸部外科学会(STS)会員

学会委員など

日本胸部外科学会  評議員審査委員会委員

日本呼吸器外科学会 学術調査部会 部員

          選挙管理委員会 委員

日本肺癌学会    ガイドライン作成小委員会委員(胸腺腫) 

                  学術誌編集委員