新任教授挨拶
外科学講座 呼吸器外科学分野 宮島 正博
2025年(令和7年)9月1日付にて、札幌科大学外科学講座呼吸器外科教授を拝命いたしました。札幌医科大学並びに北海道における肺がんをはじめとした呼吸器外科の診療・研究・教育の発展に貢献すべく全力で取り組んでまいります。
私は2000年に札幌医科大学を卒業後、同大学第二外科に入局し、心臓血管外科および呼吸器外科の修練を積んでまいりました。2008年からは米国マサチューセッツ総合病院に留学し移植免疫の研究に従事しました。この研究で得た知識は本学の一宮慎吾教授の免疫学研究所免疫制御医学部門と共同で行っている原発性肺癌におけるT細胞の抗腫瘍免疫機構の研究へと繋がり、今後さらに発展させていきたいと考えております。これまでも留学中に米国で培った人脈を活かし、若手教室員の留学支援を行ってきましたが、今後はさらに発展させ、リサーチマインドを持った若手外科医の育成や、呼吸器・胸部外科疾患の治療・予防に寄与する研究を継続的に進めていく所存です。
2010年に帰国してからは呼吸器外科を専門とし、2013年に本学の呼吸器外科学教室が独立して以来、教室長、教育主任として学生教育、外科医指導を担当してまいりました。多職種連携を実践しチーム医療の要となる人材の育成、倫理観と使命感を備えた未来志向の医療人の育成を継続し、教育と医療の向上に寄与していく所存です。
当科では、低侵襲手術である胸腔鏡下手術(VATS)を積極的に導入し、患者様の負担を軽減する手術を心がけております。また、da Vinciシステムを用いたロボット支援手術を国内でも早期に導入し、数多くの実績を誇ることで、正確で安全な治療を実現しております。これらの技術をさらに進化させ呼吸器外科医療の発展に寄与したいと考えております。一方、進行がんにおいては呼吸器内科・放射線科と密に連携し集学的治療を実施し、患者様に最善の治療を提供できる包括的な医療を提供してまいります。当教室はまだ若い組織ではございますが、優秀な若手を大きく成長させ、将来的に北海道、そして日本、世界の呼吸器外科医療を支える人材育成に尽力したいと存じます。
また、北海道には依然として呼吸器外科専門医不在の総合医療機関が存在します。肺癌は死亡数第一位の難治性疾患であるため、今後は優秀な若手呼吸器外科医の育成に努めるとともに、遠隔診療サポートなどを活用した呼吸器外科医不在地域への診療支援を行うことが急務であると考えております。
北海道の呼吸器外科医療を支えると共に、専門性を極め、札幌医科大学呼吸器外科学教室が国内外から高く評価されるよう尽力して参ります。同窓会の先生方からの温かいご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
略歴
宮島 正博(みやじま まさひろ)1974(昭和49)年生まれ(51歳)
所属札幌医科大学医学部外科学講座 呼吸器外科学分野
学歴
- 1993年3月
- 函館ラ・サール高等学校卒業
- 2000年3月
- 札幌医科大学医学部卒業
- 2005年3月
- 札幌医科大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)
職歴
- 2000年4月
- 札幌医科大学医学部附属病院第二外科にて実地修練
- 2001年4月
- 北海道立北見病院心臓血管外科
- 2001年11月
- 北海道循環器病院心臓血管外科
- 2002年4月
- 市立小樽第二病院心臓血管外科
- 2002年11月
- 北海道立釧路病院胸部外科
- 2003年2月
- 恵庭第一病院循環器科
- 2004年4月
- 札幌医科大学大学院医学研究科
- 2005年4月
- 市立札幌病院呼吸器外科
- 2006年4月
- 砂川市立病院胸部外科
- 2008年7月
- 米国マサチューセッツ総合病院外科 Research Fellow
- 2010年8月
- 札幌医科大学医学部外科学第二講座
- 2011年4月
- 札幌医科大学医学部外科学第二講座 助教
- 2013年6月
- 札幌医科大学医学部呼吸器外科学 助教
- 2016年4月
- 札幌医科大学医学部呼吸器外科学 講師
- 2025年9月
- 札幌医科大学医学部 外科学講座 呼吸器外科学分野 教授