新任教授挨拶
スポーツ医学講座 渡邉 耕太
2025(令和7)年2月1日付で、本学医学部スポーツ医学科の教授を拝命いたしました。スポーツ医学が本学に新設されたのは令和5年12月1日付です。これは、令和4年に改訂された医学教育モデル・コア・カリキュラムに学生教育の項目としてスポーツ医学が導入されたことや、スポーツ医学が総合医学として国民の健康増進に対する重要性が強調されたこと等によります。医学部ではおそらく国公立大学初の設置であり、まさに本学の建学の精神の一つである"進取の精神"が体現された例かと理解しております。
私は苫小牧東高校卒業後にスポーツ医学を志して本学に入学し(40期)、1993年に整形外科へ入りました。本邦のスポーツ医学のパイオニアの一人である石井清一第2代教授のご指導のもと研鑽を重ね、山下敏彦第3代教授にはスポーツ現場での活動を後押ししていただきました。2000年からは米国Mayo Clinicに留学し、バイオメカニクス研究に従事しました。2014年には保健医療学部理学療法学第二講座教授を拝命しました。現在までスポーツ現場活動には日本オリンピック委員会、日本スケート連盟、全日本スキー連盟などで従事し、オリンピックには日本選手団本部ドクターとして4回参加する機会をいただきました(バンクーバー2010、ソチ2014、ピョンチャン2018、北京2022)。
スポーツ医学が医学部に設置された社会的意義は大きいと感じております。現在わが国が抱える超高齢化や健康寿命延伸、子供の体力低下などは喫緊の課題です。スポーツ医学についてはアスリートだけでなく、一般人や疾病のある方々における運動を手段とした健康増進や疾病予防・治療のエビデンスが示され、これら諸課題の解決に大きな役割が期待できます。医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、習得が必要な資質・能力について、"総合的に患者・生活者をみる姿勢"や、"医学的・文化的・社会的文脈における健康"が掲げられております。医学生には、総合医学としてのスポーツ医学を教育し、運動を手段として社会に貢献できる人材を育てます。臨床や研究ではアスリートの競技力向上のほか、子供から高齢者までの健康増進や疾病予防・治療にスポーツ医学の可能性を広げていきたいと考えております。同窓会の先生方におかれましては、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
略歴
渡邉 耕太(わたなべ こうた)1967(昭和42)年生まれ(57歳)
所属札幌医科大学医学部スポーツ医学講座
学歴
- 1986年3月
- 北海道苫小牧東高等学校卒業
- 1993年3月
- 札幌医科大学医学部卒業(40期)
- 2009年2月
- 医学博士取得(札幌医科大学)
職歴
- 1993年5月
- 札幌医科大学医学部整形外科
- 1994年4月
- 市立札幌病院整形外科
- 1995年4月
- 函館五稜郭病院整形外科
- 1996年4月
- 国立相模原病院整形外科
- 1998年4月
- 札幌医科大学医学部整形外科
- 2000年1月
- 札幌医科大学医学部整形外科 助手
- 2000年4月
- Mayo Clinic, Orthopedic Biomechanics Research Laboratory
- 2002年8月
- 北海道立羽幌病院整形外科
- 2003年4月
- 札幌医科大学医学部整形外科
- 2004年4月
- 留萌市立病院整形外科 部長
- 2005年4月
- 札幌医科大学医学部整形外科
- 2006年4月
- 札幌医科大学医学部整形外科 助手
- 2009年12月
- 札幌医科大学医学部整形外科 講師
- 2012年4月
- 札幌医科大学附属病院スポーツ医学センター 構成員(兼務)
- 2014年4月
- 札幌医科大学保健医療学部理学療法学第二講座 教授
- 2022年4月
- 札幌医科大学附属病院スポーツ医学センター センター長(兼務)
- 2025年2月
- 札幌医科大学医学部スポーツ医学科 教授