新任教授挨拶
集中治療医学 数馬 聡
2025年(令和7年)1月1日付けで札幌医科大学医学部集中治療医学の第2代教授を拝命いたしました。道民に信頼される集中治療を提供すること、本学のますますの発展に貢献することを目標に、全力で職務に励む所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。
私は、2010年に山蔭道明教授が主宰する麻酔科学講座に所属いたしました。麻酔科学講座は、道内各地域に多数の関連病院があることから、所属当初から複数の地域病院で麻酔科学の知識と技術を学ぶことができました。発売後間もない新規オピオイドであるレミフェンタニルの使用や、国内で初使用となる新規筋弛緩拮抗薬であるスガマデクスの使用にも携わることができました。地域病院では臨床麻酔とともに、救命救急業務やフライト・ドクターを務めさせていただきました。麻酔科学に於いて困難気道管理や呼吸循環・鎮静鎮痛管理を習得し、また本学大学院で学ばせていただき、これらはその後の集中治療医学における全身管理の礎となっております。
集中治療医学に所属して以降は、初代教授である升田好樹教授に直接ご指導いただきました。特に敗血症における炎症性メディエーターの制御や、播種性血管内凝固症候群(DIC)の機序や治療に関する臨床応用に関して学ぶことができました。集中治療医学は血液浄化療法や膜型人工肺(ECMO)といった体外循環を使用した治療も盛んであり、力を注いで参りました。
集中治療分野は重症患者の全身管理を命題とし、主に院内急変対応および高度侵襲術後症例やハイリスク患者症例の術後管理を行います。安全で質の高い集中治療を提供するためには、多臓器にまたがる内科、外科系知識を必要とし、さらにチーム医療のまとめ役としても機能できる指導医の育成に努めていきたいと考えております。"主治医科が「任せてよかった」と思えなければ集中治療医の存在意義はない"と思える人材を輩出すると同時に、国内外に発信できる研究をすすめ、新しい時代に即した明るく活気ある教室づくりを目指していきたいと思います。札幌医科大学のさらなる発展に貢献できるよう、微力ではありますが尽力したく考えております。同窓会の諸先生方におかれましては、今後ともより一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
略歴
数馬 聡(かずま さとし)1978(昭和53)年生まれ(47歳)
所属札幌医科大学医学部集中治療医学講座
学歴
- 1996年3月
- 北海道滝川高等学校普通科卒業
- 2000年3月
- 弘前大学理学部生物学科卒業
- 2002年3月
- 大阪大学大学院医学系研究科修了(医科学修士)
- 2008年3月
- 弘前大学医学部医学科卒業
- 2018年3月
- 札幌医科大学大学院医学研究科修了(医学博士)
職歴
- 2002年4月
- 北海道滝川高等学校教諭
- 2003年10月
- 北海道立花・野菜技術センター
- 2008年4月
- 札幌東徳洲会病院初期臨床研修
- 2010年4月
- 札幌医科大学医学部麻酔科学講座
- 2010年9月
- 旭川赤十字病院麻酔科
- 2012年4月
- 札幌医科大学医学部麻酔科学講座
- 2018年4月
- 札幌医科大学集中治療医学(助教)
- 2020年9月
- 札幌医科大学集中治療医学(講師)
- 2025年1月
- 札幌医科大学集中治療医学(教授)