新任教授挨拶
腫瘍内科学講座 高田 弘一
2024年(令和6年)7月1日付けで札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座の第5代教授を拝命しました。母校である本学のがん診療の礎を築いた伝統ある講座を主宰することとなり、大変光栄に思っています。教室と本学のさらなる飛躍のため全力で挑みます。何卒よろしくお願い申し上げます。
私は本学卒業後、がん治療を専門とする内科医師を目指し、1996年札幌医科大学内科学第4講座(現腫瘍内科)に入室しました。以来、札幌医科大学附属病院ならびに関連病院で、がん薬物療法の研鑽を積みつつ、本学大学院でがんの基礎研究に従事しました。2009年から米国のハーバード大学Dana-Farber Cancer Instituteに留学する機会をいただき、大腸癌および多発性骨髄腫におけるWntシグナル異常の解析を進め、同シグナルを標的とした新規がん治療薬開発に携わりました。帰国後は、留学中に学んだ最新の研究手法を用いて、第3代新津洋司郎教授、第4代加藤淳二教授が中心となり研究してきました「がんと活性酸素種」の関連について解析を進め、新しい知見を多数報告しています。また、最も予後不良な膵癌の新規治療法開発を目論んだ研究にも注力しています。
当教室は、消化器癌に加えてがん種横断的(頭頸部癌、希少がんなど)にがん薬物療法を実践しています。さらに、2019年1月より遺伝子診療科と連携し、がんゲノム外来を立ち上げ、がんゲノム医療の臨床実装に取り組んでいます。その結果、当院のがん遺伝子パネル検査件数は、年間200例を超え、全国有数のハイボリュームセンターになりました。ゲノム情報を駆使し、がん患者さんに最先端の集学的がん治療を提供していきます。がんに関連する臨床・研究・教育をさらに発展させることにより、札幌医科大学に貢献できるように努力していきます。同窓会の先生方におかれましては、今後ともご指導何卒よろしくお願いいたします。
略歴
高田 弘一(たかだ こういち)1970(昭和45)年生まれ(53歳)
所属札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座
学歴
- 1989年3月
- 北海道立函館中部高校卒業
- 1996年3月
- 札幌医科大学医学部医学科卒業(43期)
- 2001年3月
- 札幌医科大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)
職歴
- 1996年4月
- 札幌医科大学付属病院臨床研修医(第4内科)
- 2001年4月
- 札幌医科大学医学部内科学第4講座
- 2006年4月
- 札幌医科大学医学部機器診断学兼内科学第4講座 助教
- 2007年11月
- 札幌医科大学医学部検査医学講座兼内科学第4講座 助教
- 2007年12月
- 札幌医科大学医学部内科学第4講座 助教
- 2009年3月
- ハーバード大学 ダナ・ファーバー癌研究所 リサーチフェロー
- 2011年4月
- 札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座 助教
- 2016年11月
- 札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座 講師
- 2024年7月
- 札幌医科大学医学部腫瘍内科学講座 教授
札幌医科大学附属病院腫瘍診療センター長