新任教授ご挨拶
解剖学第二講座 永石 歓和
このたび、2023年(令和5年)6月1日付けで札幌医科大学医学部解剖学第二講座の第5代教授を拝命し就任いたしました永石歓和(ながいし かんな)と申します。母校である本学の歴史ある講座を主宰することとなり、重責に身が引き締まる思いであります。これまでの講座の歴史を受け継ぎ、今後一層、教室と大学の発展のために全力を尽くして参りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、本学を1997年に卒業し(第44期)、本学第一内科(現・消化器内科学講座ならびに免疫・リウマチ内科)へ入局しました。今井浩三教授のご指導のもと、まだ講座としては研究への取り組みが少なかった炎症腸疾患の基礎研究に従事しました。さらに腸管免疫の基礎研究を進めるために、2005年から米国のハーバード大学Brigham and Women's Hospital消化器内科に留学する機会をいただき、Richard S. Blumberg先生のもとで腸管上皮輸送や腸炎における抗原提示に関わる受容体の役割について研究を深めました。これを機に、病因・病態や治療法の開発において未知の領域が多かった炎症性腸疾患をはじめ、慢性難治性疾患における基礎医学研究の重要性をあらためて自覚し、2009年から藤宮峯子前教授が主宰する本学解剖学第二講座に所属しました。以来、肉眼解剖学教育と慢性炎症・再生医療の研究に取り組んで参りました。
当講座は、医学教育の中でも特に重要な土台となる肉眼解剖学教育、ならびに最先端の医療技術を安全に患者さんに届けるための外科系医師の卒後研修(サージカルトレーニング)を適切に遂行する責務を担っております。今後ますます臨床講座との連携を強め、臨床に繋がる解剖学教育を推進して参ります。また研究の分野では、先見性ある深い探求と臨床(?)に届く研究を追求し、学内外の教室との共同研究を積極的に推進したいと考えております。さらには、ダイバーシティ推進とくに女性医師の活躍や責任ある管理職を多く育てることも自分に課された使命と考えております。次世代を担う優れた医療人・研究者を育成すべく、自由闊達に能力を発揮できる環境を整え、伝統ある札幌医科大学のさらなる発展に尽力して参ります。同窓会の先生方におかれましては、今後ともご指導を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
略歴
永石 歓和(ナガイシ カンナ)1972年(昭和47年)生まれ
所属札幌医科大学医学部解剖学第二講座
学歴
- 1990年3月
- 札幌北高等学校 卒業
- 1997年3月
- 札幌医科大学医学部医学科 卒業
- 2005年3月
- 札幌医科大学大学院医学研究科博士課程 修了
博士(医学)取得
職歴
- 1997年4月
- 札幌医科大学医学部 第一内科
- 1998年4月
- 市立釧路総合病院 内科
- 2001年6月
- 札幌厚生病院 第一消化器科
- 2002年6月
- 同交会病院 内科
- 2004年4月
- 札幌医科大学医学部 第一内科
- 2005年4月
- 摩周厚生病院 内科
- 2005年7月
- 米国ハーバード大学、Brigham and Women's Hospital
消化器内科リサーチフェロー - 2007年11月
- 国立病院機構西札幌病院(現・北海道医療センター)アレルギー科
- 2008年4月
- 国立病院機構西札幌病院(現・北海道医療センター)消化器内科
- 2009年4月
- 札幌医科大学医学部 解剖学第2講座 助教
- 2012年4月
- 札幌医科大学医学部 解剖学第2講座 講師
- 2018年4月
- 札幌医科大学医学部 解剖学第2講座 准教授
- 2023年6月
- 札幌医科大学医学部 解剖学第2講座 教授