新任教授・役職者

新任教授ご挨拶

循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 古橋 眞人

2022年(令和4年)9月1日付けで札幌医科大学医学部循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座の第6代教授を拝命し就任いたしました。母校である本学の歴史ある講座を主宰することとなり、非常に身が引き締まる思いでおります。今後一層、教室と大学の発展のため全力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は、飯村攻教授が退官1年前の1995年に内科学第二講座に入室しました。3年目に大学に戻った以降は、「インスリン抵抗性」の研究に力を入れていた島本和明教授のご指導のもとに臨床および研究に邁進いたしました。当時、脂肪細胞が単に余剰のエネルギーを蓄える貯蔵器官としての役割だけではなく、様々な生理活性物質、いわゆる「アディポカイン」を分泌する内分泌臓器であることが報告されて非常に注目されてきている時でした。私がのちに留学させて頂くことになるHotamisligil先生らによって、脂肪細胞からTNF が分泌されインスリン抵抗性に関与する事が初めて発見されたパラダイムシフト的な報告(Science 1993)以来、様々なサイトカインの産生・分泌が確認され、さらに脂肪細胞に特異的に発現・分泌する物質として、94年にはレプチン、95-96年に4つのグループからのちにアディポネクチンと呼ばれる分子、2001年にはレジスチンと次々と報告されていた時期で、私もそれらの研究に没頭しました。その後、留学先で新たなアディポカインである脂肪酸結合タンパク4 (FABP4) や小胞体ストレスに出会い、帰国後は関連の臨床研究も行い、加えて当教室で約45年前に開始され継続している端野・壮瞥町研究のサンプルを用いて本道発のエビデンスを発信してきました。

当講座は、循環器疾患、腎臓疾患、代謝内分泌疾患という大きな3つの分野を担い、対象疾患は多岐に渡ります。診療や教育面では、それぞれの専門性を生かした幅広い視点をもった医療人の育成を目指したいと思います。一方、研究に関しては、3分野があるメリットを生かして、境界領域のニッチな領域について講座内外で共同研究を積極的に推進したいと考えています。北海道の未来を担う優れた医療人・研究者の育成と、伝統ある札幌医科大学のさらなる発展に貢献できますよう尽力いたします。同窓会の先生方におかれましては、今後ともご指導を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

略歴

古橋 眞人(フルハシ マサト)1969年(昭和44年)生まれ

所属札幌医科大学 医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座

学歴
1988年3月
群馬県太田高等学校 卒業
1995年3月
札幌医科大学医学部医学科 卒業(42期)
2002年7月
医学博士を取得(札幌医科大学)
職歴
1995年4月
札幌医科大学 内科学第二講座
1996年4月
帯広厚生病院 第二内科
1997年4月
札幌医科大学 内科学第二講座
1998年4月
旭川赤十字病院 循環器科
1999年4月
札幌医科大学 内科学第二講座
1999年10月
北海道立江差病院 循環器科
2000年4月
札幌医科大学 内科学第二講座
2002年4月
帯広厚生病院 第二内科
2004年7月
米国ハーバード公衆衛生大学院 遺伝・複合疾患部門
Gökhan S. Hotamisligil研究室 博士研究員
(日本学術振興会 海外特別研究員)
2009年7月
札幌医科大学 内科学第二講座 助教
2013年4月
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 助教
2015年4月
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 講師
2022年9月
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 教授