新任教授・役職者

新任教授ご挨拶

神経内科学講座 久原 真

2022年9月1日付けで札幌医科大学医学部神経内科学講座第3代教授を拝命いたしました久原 真と申します。たいへん光栄に存じております。その一方で重責に身の引き締まる思いであります。今後一層、教室と大学の発展のため全力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は1991年に本学を卒業(38期)し、筑波大学ならびに大阪大学で脳神経内科学の臨床研修と基礎研究に従事してまいりました。大学院ではグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトの細胞死の分子生物学的メカニズムを研究いたしました。その後、臨床医として北海道の医療に貢献したいと考え、神経内科学初代教授松本 博之先生のご高配で、本学で教育、研究、臨床を継続する機会を与えて頂きました。さらに、先代教授下濱 俊先生のもとで、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症などの神経難病の基礎ならびに臨床研究に従事してまいりました。

脳神経内科は難病を取り扱うイメージがありますが、実臨床では頭痛、めまい、痺れ、物忘れ、筋力低下などありふれた症候を丁寧な問診と正確な神経学的診察により診断することが求められます。本邦はすでに未曾有の高齢化社会となっており、数年以内に認知症患者さんが700万人を上回ると試算されていることからもわかるように脳神経内科が普段診療する疾患の多くはcommon diseaseであります。このように脳神経内科診療の充実は社会的要請が非常に高いと言えますが、残念ながら脳神経内科専門医の数は少なく、殊に本道において顕著であり、その偏在によりさまざまな課題があることを認識しております。

私は本学建学の精神に謳われております地域医療の充実のため、何よりも高い臨床能力と優れた人格を有する脳神経内科医の育成に努めてまいりたいと考えます。さらに大学の使命として、次世代の脳神経内科学の臨床ならびに研究を牽引するリーダーたりうる人材を育てることも引き続き行ってまいります。本学同窓会の諸先生方におかれましては今後ともご指導・ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

略歴

久原 真(ヒサハラ シン)昭和41年生まれ

所属札幌医科大学医学部神経内科学講座

学歴
1991年3月
札幌医科大学医学部医学科卒(38期)
1999年3月
筑波大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)
職歴
1991年6月
筑波大学附属病院内科・神経内科レジデント
1993年11月
国立水戸病院(現国立病院機構水戸医療センター)神経内科
1994年10月
筑波大学附属病院にて神経内科 シニアレジデント
1999年4月
大阪大学大学院医学系研究科附属ポストドクトラルフェローならびに日本学術振興会特別研究員 (PD)
2000年4月
大阪大学附属病院基礎系医員
2001年4月
札幌医科大学医学部薬理学講座助手(神経内科兼任助手)
2007年4月
札幌医科大学医学部附属病院神経内科助教
2013年4月
札幌医科大学医学部神経内科学講座講師
2019年4月
札幌医科大学医学部神経内科学講座准教授