新任教授・役職者

就任のご挨拶

札幌医科大学理事長・学長 山下 敏彦

この度、塚本泰司先生の後任として、札幌医科大学理事長・学長を拝命した山下敏彦です。1983年の本学医学部卒業(30期)で、これまで整形外科を専門としてきました。もとより微力ではございますが、本学のさらなる発展のため力を尽くしていく所存です。

2020年から始まった新型コロナウイルス感染症パンデミックは、依然として収束には至っていません。厳しい社会・医療状況の中、診療の維持・継続、そしてコロナ対策に多大なるご尽力をされている同窓会の皆様に心より敬意を表する次第です。

本学附属病院におきましても、これまでコロナ専用病棟および高度救命救急センターが受け入れた中等症~重症患者数は700名以上にのぼります。最重症患者に対するECMO(体外式膜型人工肺)については全国有数の治療成績を上げているほか、附属病院内にとどまらず、保健所や他の医療機関に教職員を派遣してコロナ感染患者の入院調整等に従事するなど、本学は北海道における感染症医療や保健行政に大きく貢献してまいりました。

近年進めてきました本学の諸施設・キャンパスの整備も完成に近づいています。本年末までには、メイン広場が完成し、まさに「新生札幌医科大学」がその姿を現わします。同窓会の先生方にも、ぜひ新しい施設を訪れていただきたく存じます。

しかし、やはり肝心なのは建物や設備ではなく、その中身であります。近年の本学の研究活動が、かつての勢いを欠いていることを、しばしば同窓の先生方からご指摘いただいております。「進取の精神」と「医学・医療の攻究」は本学の建学の精神にも謳われています。全学的な研究の活性化・促進により、かつての輝きを取り戻すことは、私たちの使命であると考えます。手始めとして、「先端医療研究推進センター」を新たに立ち上げ、研究の活性化を図っていく所存です。

現在の入試制度の妥当性や国家試験合格率の低迷など、教育面においても課題は山積しています。背景にある問題点を詳細に分析し、早急に改善策を講じていきたいと考えます。

一昨年、本学は開学70周年(創基75周年)を迎えましたが、コロナ禍にあって、記念式典・祝賀会などは一切見送られました。開学75周年となる2025年には、ぜひ何らかの記念行事を行いたいと考えますので、同窓会の皆様にはご協力をいただければ幸いに存じます。

本学を、全国そして世界に誇ることのできるより良い大学としていくため、全力を尽くす覚悟ですので、同窓会の皆様の絶大なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。