新任教授ご挨拶
解剖学第一講座 大﨑 雄樹
令和3年9月1日付で札幌医科大学医学部解剖学第一講座教授を拝命いたしました、大﨑雄樹(おおさきゆうき)と申します。本学解剖学講座が1964年に2講座制となりましてからは4代目の重責を辰巳治之前教授の後任として引き継ぐ栄誉に際しまして、札幌医科大学の発展と優れた医療人育成のため全力で励む所存でございます。
私は旭川市で生まれ育ち、鳥取大学医学部生命科学科および同大学大学院を修了後、名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学分野(旧・解剖学第一講座、藤本豊士教授/和氣弘明教授)でポスドク、助教、講師、准教授を務めさせていただくなかで、解剖学教育の経験を積ませていただきました。
研究面ではニーマンピック病C型などの脂質代謝異常症の病態解明研究をきっかけに、コレステロール等の脂質輸送/代謝経路解明、そして脂肪滴の新規機能解明に取り組んでまいりました。その中で、単なる中性脂質の貯蔵庫と目されて来た脂肪滴が、実はタンパク質分解、細菌・ウイルス増殖、遺伝性疾患などに関与する一個のオルガネラであることを明らかにしてまいりました。さらに従来は細胞質の構造というのが常識であった脂肪滴が、肝細胞などでは核内でも形成されリン脂質代謝などに関与することが分かり、脂肪滴・膜脂質が核内での新たな生理反応の場として機能する可能性を多様な観点から追及しております。本学の多くの講座の先生と共同研究をさせていただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。
教育面では、医学生が初めに接する医学科目でもある組織学・解剖学分野の講義実習を通じて、後の専門科目を学ぶための礎となる人体の構造知識を身につけてもらい、また実習や研究室活動を通じて学部生/大学院生には好奇心と柔軟な発想を培ってもらえるよう努めます。
私は医師ではございませんが基礎医学教室で育った生命科学研究者としての視点から、北海道の未来を担う優れた医療人・研究者の育成と、伝統ある札幌医科大学のますますの発展に貢献できますよう尽力いたします。同窓会の先生方におかれましては、今後ともご指導を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
略歴
大﨑 雄樹(オオサキ ユウキ)1976年(昭和51年)生まれ
所属札幌医科大学医学部解剖学第一講座
学歴
- 平成7年(1995)3月
- 北海道立旭川東高等学校卒業
- 平成11年(1999)3月
- 鳥取大学医学部生命科学科 卒業
- 平成13年(2001)3月
- 鳥取大学大学院医学系研究科博士前期課程 修了
- 平成16年(2004)9月
- 鳥取大学大学院医学系研究科博士後期課程 終了
(生命科学博士)
職歴
- 平成16年(2004)10月
- 名古屋大学大学院医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学・21世紀COEプログラム・博士研究員
- 平成19年(2007)4月
- 名古屋大学大学院医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学・助教
- 平成22年(2010)4月
- ヘルシンキ大学医学部解剖学(Elina Ikonen研究室)・博士研究員
- 平成24年(2012)4月
- 名古屋大学大学院医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学・助教
- 平成26年(2014)7月
- 名古屋大学大学院医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学・講師
- 平成29年(2017)6月
- 名古屋大学大学院医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学・准教授
- 令和3年(2021)9月
- 札幌医科大学医学部解剖学第一講座・教授