退任教授・役職者

退任のご挨拶

医学部附属フロンティア医学研究所病態情報学部門
名誉教授
小海 康夫

28歳で研究生として研究を開始させていただき、以来37年間札幌医科大学の皆さまにいただいたご恩とご縁に心から感謝申し上げます。皆様の広く暖かい心のおかげで何とか退任にたどり着きました。低空飛行もありました。乱気流に巻き込まれたこともありました。しかし皆さまのご寛容のおかげで最後の日を迎えることができました。簡単ですが退任のお礼のご挨拶をさせていただきます。

昭和59年、大好きな北海道の地で菊地浩吉教授の研究生として病理学の研究を開始させていただきました。以来、病理学の深淵に魅せられ研究に没頭してまいりました。分子を変数とした病いの因数分解は、もとより浅学菲才であるわたくしには困難に満ちた冒険でした。しかし時おり差し込むわずかな光に導かれ進んでまいりました。そんなわたくしを、辛抱強く暖かくご指導いただき感謝のことばもありません。学長をはじめとする札幌医科大学のすべての教職員諸兄姉に心から感謝を申し上げます。

突然門戸を敲いたわたくしを快く受け入れてくださった札幌医科大学の皆さま、とりわけ病理学第一講座菊地浩吉先生、手に手を取って研究の指導をしてくださった石井良文先生、曲がり角で迷うたびに適切な道をお示しくださった松浦晃洋先生など、数え上げれば恩顧を賜った諸先輩、先生方はきりがありません。また留学の機会を授けていただき、世界の研究の現場で自らの可能性を問うチャンスをいただいたことにも感謝申し上げます。そして教授にまで引き上げていただき、数々の賜ったご厚意に対し、身の幸運に驚くばかりです。そしてこれらのご厚情はすべて札幌医科大学の皆皆様から頂きました。

建学の精神
一、進取の精神と自由闊達な気風
一、医学・医療の攻究と地域医療への貢献
とはわたくしの道しるべとなったことばです。今後も建学の精神を具現する一病理学徒を目指して研鑽を重ねてまいりたいと希望しております。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。現在までにお授け頂いたご指導に重ねて感謝を申し上げ、わたくしのお礼の言葉とさせていただきます。長く大変お世話になりました。ありがとうございました。

令和3年3月吉日 小海 康夫