新任教授・役職者

新任教授挨拶

血液内科学 小船 雅義

2020年4月1日付けで血液内科学の初代教授に就任致しました。本学における血液病に関する臨床・研究・教育の一層の発展のため,全力を尽くす所存ですので,何卒よろしくお願い致します。

私は1990年に本学内科学第四講座に入局致しました。同講座は癌研内科を前身とした講座でしたので,入局当初は消化器腫瘍を含む様々な腫瘍性疾患を担当しました。当時は,リンパ腫および白血病などの血液腫瘍性疾患は,比較的稀で標準治療も確立されていない状況でした。その後,1990年代後半から国内外で臨床試験が進み,一部の血液疾患で長期生存が得られるようになりました。私は1997年から血液疾患を専門的に担当するようになりました。米国留学中の研究テーマは造血幹細胞に治療遺伝子を導入して造血幹細胞移植をするといった遺伝子治療の開発に着手していました。2001年に本学の内科学第四講座助手として戻った際から,造血・腫瘍幹細胞の機能を維持する造血微細環境の研究を行ってきました。その後,内科学第四講座が2013年に腫瘍・血液内科学講座に改変され,さらに2016年4月に腫瘍内科学講座と学科目である血液内科学に分かれ,この度,血液内科学教室を主宰させて頂くこととなりました。

近年,血液疾患におきましても,遺伝子異常の解析が急速にすすみ,あらゆる血液疾患の発症・進展に関わる分子が同定されました。それに伴い多数の分子標的薬および抗体薬が使用可能となり,また,骨髄非破壊的造血幹細胞移植および細胞遺伝子治療の臨床応用がすすみ,高い専門性が要求されるようになって参りました。この結果,北海道では血液疾患を専門的に診療できる医師が激減した状況にございます。このため学生・研修医の教育を強化し,血液学の魅力と重要性を幅広い診療科に携わる医師に情報発信し,将来の血液内科学を支える多くの人材の育成を目指したいと考えております。

血液疾患の治療におきましては,集学的治療の他,全身管理が治療の成功率を左右しますので,多くの診療科の先生のお世話になることと思います。今後ともご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

略歴

小船 雅義(コブネ マサヨシ)昭和40年生まれ

所属札幌医科大学医学部血液内科学

学歴
平成2年(1990)3月
札幌医科大学医学部 卒業
平成6年(1994)3月
札幌医科大学大学院医学研究科博士課程 修了 (医学博士)
職歴
平成2年(1990)4月
札幌医科大学医学部
平成6年(1994)4月
留萌市立総合病院内科
平成7年(1995)11月
札幌医科大学医学部 研究生
平成10年(1998)7月
米国インディアナ大学・ハワードヒューズ研究所 訪問研究員
平成13年(2001)1月
札幌医科大学医学部内科学第四講座 助手
平成19年(2007)1月
同 講師
平成21年(2009)8月
同 准教授
平成25年(2013)4月
(講座名改変)同 腫瘍・血液内科学講座 准教授
平成28年(2016)4月
(同講座改組)同 血液内科学 准教授
令和 2年(2020)4月
札幌医科大学医学部血液内科学 教授