新任教授挨拶
小児科学講座 川崎 幸彦
札幌医科大学小児科学教室の第5代目教授を拝命いたしました川崎幸彦です。
3月まで福島県立医科大学小児科学教室で勤務しており、小児科学全般と小児腎臓病学、小児感染症学、膠原病、アレルギー学を専門としています。研究面においては、IgA腎症、紫斑病性腎やネフローゼ症候群及び溶血性尿毒症性症候群などの小児腎疾患の発症・進展病態に関して動物モデルを用いて解析、さらに新規治療法に関する研究をしてまいりました。
今後、教室運営をさせていただくにあたり下記目標を掲げています。
1. 小児専門分野の充実と病院間の連携強化
現在の小児科医療は、新生児、循環器、感染症や小児救急などの急性疾患、神経・発達、血液・腫瘍、免疫・アレルギー、腎泌尿器、リウマチ、代謝内分泌、消化器やこどものこころなどの慢性疾患の診療、さらには予防接種や保健指導に至るまで広範囲で多岐に渡る専門分野が存在しており、それらを責任もって請け負うことができる専門医を育成します。そのため、教室内のそれぞれの専門診療グループを拡大充実させ、道内の小児医療施設との連携を強化し、派遣病院から重症・難治・希少疾患をもつ患者さんを受け入れ、高度かつ先進的な医療を提供できるような体制を構築して参ります。
2. 研究活動のさらなる活性化
それぞれの小児専門分野における研究活動を活性化します。日々の診療の中からその疑問点を探り出しそれを解決するために研究にとりくみ、研究で培った考える力を再度診療に生かすことのできるクリニシャンサイエンティストを目指す小児科医を育成します。札幌医科大学小児科では、初代南浦邦夫教授、2代目中尾亨教授、3代目千葉俊三教授、4代目堤裕幸教授と長年にわたりウイルス感染症を中心としたすばらしい臨床・基礎研究が行われています。これらの研究を今後もより充実拡大し、さらに免疫・炎症の視点を加えた新しい分野(腎臓、膠原病、アレルギー、内分泌代謝、血液・腫瘍、神経、新生児など)の研究も加味し教室を発展させます。
3. 診療参加型臨床実習の充実
医学生自身が診療にも参画する診療参加型臨床実習を推奨し、卒前・卒後教育に力をいれることで、学生や研修医に小児科学の面白さとやりがいを教え、小児科医を志す医師を増やしていきます。
このように安全で質の高い小児医療を提供するとともに、高度な先端医療の研究・開発に取り組み、人間性豊かな優れた小児科医の育成に努め、北海道の小児地域医療に貢献するべく日々努力を積み重ねる所存です。
略歴
川崎 幸彦(カワサキ ユキヒコ)昭和37年生まれ
所属札幌医科大学医学部小児科学講座
学歴
- 昭和62年(1987)3月
- 福島県立医科大学 卒業
- 平成3年(1991)3月
- 福島県立医科大学大学院 卒業
- 平成3年(1991)3月
- 学位取得
職歴
- 平成2年(1990)9月
- 竹田綜合病院小児科
- 平成5年(1993)10月
- 公立相馬総合病院小児科
- 平成9年(1997)4月
- 福島県立医科大学小児科 診療医
- 平成10年(1998)7月
- 福島県立医科大学小児科 助手
- 平成17年(2007)7月
- 医学教育研修:Vanderbilt大学とVanderbilt小児病院
- 平成17年(2007)11月
- 福島県立医科大学小児科 講師
- 平成20年(2008)4月
- 福島県立医科大学小児科 准教授
- 平成31年(2019)4月
- 札幌医科大学医学部小児科学講座 教授