新任教授・役職者

医学部長就任のごあいさつ

三浦哲嗣

 4月より医学部長を拝命し、医学部と大学院医学研究科の運営を担当することになりました。これまで副医学部長(教務担当)、臨床研修センター長、副病院長(教育担当)を経験させていただき、医学部における卒前と卒後の教育に関わってまいりましたが、その経験を活かして本学医学部の発展のため努力したいと思っております。

 現在、医学部のめざすべき目標として、グローバルな視野をもち人間性豊かな医師・医学研究者の育成、独創的な先端研究の推進、高度先進医療の開発と研究成果の社会還元、国際交流の促進、などが含まれると思います。こうした目標の達成のため、本学では継続的なディプロマ・ポリシーならびにカリキュラムの改定、教育・研究設備の整備と高度化、海外の大学や医療施設との交流が進められています。特に今年度の大きな課題として、2016年度に改訂された医学教育モデル・コア・カリキュラムへの対応や、2020年度に受審予定の医学教育分野別認証評価への対策があり、関連の方々のご協力のもと準備を進めております。医学教育分野別評価は、世界医学教育連盟(WFME)の国際基準をふまえて日本医学教育評価機構(JACME)が行うもので、その評価基準にはこれまで見過ごされがちであった重要な視点も多く含まれており、それらへの対応を通して本学医学部における教育の質をさらに向上させることができると考えております。また、国際交流に関しては、大学間の協定に基づくもなど既存のものに加えて、学生、大学院生や講座の研究者レベルの国際交流をさらに促進させる仕組みを検討したいと思っております。

 現在、医療は高度化し、その成果は平均寿命の延伸にも表れていますが、その結果、個々の患者さんがもつ疾病は複数かつ複雑になり、患者さんを取り巻く社会環境も多様化しています。一方、癌の診療だけでなく、循環器疾患を含めた広い領域の診療にゲノム医学が応用され、AIの進歩ともあいまって精密医療(precision medicine)や精密予防(precision prevention)の時代が到来する可能性も示されています。それら多くの新しい課題に挑戦し、課題の独創的な解決に貢献する”tough and competent”な人材の育成と活躍の場として、本学医学部がさらに発展するよう教職員、学生諸君とともに努力する所存です。

2018/4/27