新任教授ご挨拶
医療統計学 樋之津 史郎
2018年4月1日付けで札幌医科大学医学部医療統計学の教授を拝命いたしました、樋之津 史郎と申します。医療統計の知識と臨床研究支援の経験を生かして、本学で行われる臨床研究を支援してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、1987年に筑波大学医学専門学群を卒業後、筑波大学泌尿器科に入局し、泌尿器科医としての研修を始めました。研修医の頃から臨床研究における統計解析とデータ管理に興味を持っておりました。1994年より、大橋靖雄教授が赴任されたばかりの東京大学医学部 疫学・生物統計学教室の研究生となり、生物統計学、データ管理学を体系的に学ぶ機会を得ました。2000年からは東京大学医学部薬剤疫学寄附講座の助手となり学部教育、大学院教育をしました。
2002年からは筑波大学に戻り、臨床医学系泌尿器科の講師として診療と教育、研究に携わり、前立腺癌を対象としたコホート研究の解析担当として2万人を超える患者データのデータ収集、データ管理、統計解析を行いました。2008年からは京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野の准教授として、特に大学院教育とデータベース研究を行いました。2013年から、岡山大学病院新医療研究開発センターの教授として、研究支援業務と倫理委員会の事務局業務を行いました。
これからの臨床研究は、臨床研究法、各種倫理指針、GCPなど研究者が知っておくべき事項が加速度的に増えております。統計解析においても、コンピュータの処理速度が速くなり、記憶媒体の容量も指数関数的に増えたことに伴い、項目数もデータ数も莫大なデータセットの解析が可能になっております。地域医療に貢献するためにも、臨床の現場で生まれたクリニカルクエスチョンを研究計画書の形にして、質の高いデータを適切に解析し、臨床的解釈を加えて論文化してエビデンスを構築する、この一連の研究活動を円滑に行うことが求められており、私は研究のすべての段階で支援をしていきます。
新しくできた教室ですので、スムーズな研究支援のためには先生方のご理解、ご協力が不可欠です。何卒、ご指導・ご鞭撻よろしくお願いいたします。
略歴
樋之津 史郎(昭和36年生まれ)
所属札幌医科大学医学部医療統計学
学歴
- 昭和55年
- 山口県立大津高等学校卒業
- 昭和62年
- 筑波大学医学専門学群卒業
職歴
- 昭和62年
- 筑波大学附属病院研修医
- 平成元年
- 日立製作所日立総合病院
- 平成3年
- 猿島協同病院 泌尿器科科長
- 平成4年
- 筑波大学附属病院 医員
- 平成5年
- 筑波学園病院 泌尿器科
- 平成6年
- 東京大学医学部 疫学・生物統計学教室 研究生
- 平成9年
- ヒューマンサイエンス振興財団 リサーチレジデント
- 平成12年
- 東京大学医学部 薬剤疫学寄附講座 助手
- 平成14年
- 筑波大学臨床医学系泌尿器科 講師
- 平成20年
- 京都大学大学院 医学研究科 准教授
- 平成25年
- 岡山大学病院 新医療研究開発センター 教授
- 平成30年
- 札幌医科大学医学部 医療統計学 教授