新任教授ご挨拶
医療人育成センター
教養教育研究部門・生物学 佐々木 泰史
2018年1月1日付けで、吉田幸一名誉教授の後任として札幌医科大学医療人育成センター教養教育研究部門・生物学教授を拝命し、就任いたしました。今後、札幌医科大学の発展のために全力を尽くす所存でおります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、1988年(昭和63年)に本学を卒業後 (35期)、谷内昭元学長が当時主催していた内科学第一講座に入局し、以後1993年からは今井浩三元学長のもと、消化器内科医として臨床、研究に携わって参りました。多くのがん患者を担当した中で、同じレベルの進行度でも、難治性、あるいは早期に再発する患者、未治療でも年単位で長期生存される患者を経験し、個々のがんの個性を客観的に分析したい、と考えておりました。その後、縁がありまして、札幌医科大学医学部・がん研究所・分子生物学部門(時野隆至教授)にて、ヒト癌で最も高頻度に変異が認められる癌抑制遺伝子p53とそのファミリーp73, p63の生理機能について、分子および細胞レベルで解析を進めてきました。2014年からは教育研究機器センターに導入された次世代半導体シーケンシングシステムを用いて、種々のヒト腫瘍におけるがん関連遺伝子の変異解析、ゲノム異常解析に着手しました。幸い共同研究者に恵まれ、大腸癌、食道癌、膵癌、口腔扁平上皮癌、多発性骨髄腫等の患者サンプルを利用して、がんの診断・治療の標的となり得るがん関連遺伝子の体細胞変異、コピー数異常を同定することができました。
これからは研究から教育に重点を移すことになりますが、入学直後の両学部の新入生と最初にかかわることから,責任は重大と認識しております。医学部におきましては、基礎医学、臨床科目の先生方と連携し、医療人に必要な基礎知識や考え方を伝授していきたいと思います。母校における医学教育全般に貢献できるよう努力いたします。また、今後も次世代シークエンサーを用いて、遺伝子変異、遺伝子発現(RNA-seq)、転写制御(ChIP-seq)、メタゲノム解析を行っていきたいと考えております。興味のある先生がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけると幸いです。改めまして、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
略歴
佐々木 泰史(ササキ ヤスシ)昭和38年生まれ
所属札幌医科大学医療人育成センター 教養教育研究部門・生物学
学歴
- 昭和57年3月
- 札幌南高校卒
- 昭和63年3月
- 札幌医科大学医学部卒
- 平成13年12月
- 札幌医科大学で博士(医学)の学位を取得
職歴
- 昭和63年5月
- 札幌医科大学付属病院臨床研修医(第一内科)
- 平成元年4月
- 函館五稜郭病院 研修医
- 平成3年4月
- 松前町立松前病院 内科医師
- 平成4年6月
- 札幌医科大学附属病院診療医 (第一内科)
- 平成6年4月
- 札幌第一病院 内科医長
- 平成10年1月
- 札幌ときわ病院 内科医長
- 平成10年4月
- 札幌医科大学第一内科 研究生
- 平成11年10月
- 札幌医科大学医学部附属がん研究所・分子生物学部門 助手
- 平成16年4月
- 札幌医科大学医学部附属がん研究所・分子生物学部門 講師
- 平成20年6月
- 札幌医科大学医学部附属がん研究所・分子生物学部門 准教授
- 平成23年4月
- 札幌医科大学医学部附属 フロンティア医学研究所・ゲノム医科学 准教授
- 平成30年1月
- 札幌医科大学医療人育成センター 教養教育研究部門・生物学 教授