新任教授ご挨拶
病理学第一講座 鳥越 俊彦
2015年10月1日付けで、佐藤昇志先生の後任として札幌医科大学医学部病理学第一講座教授を拝命し、就任いたしました。
私は1984年に防衛医科大学校を卒業後、航空医官として自衛隊千歳基地衛生隊で勤務する傍ら、菊地浩吉先生が当時主催しておられました病理学第一講座の研究生となり、以来約30年間にわたって佐藤先生と一緒に腫瘍免疫学の研究に携わらせていただきました。この間に3年間の米国留学を経験し、帰国後は4年間にわたって教室同門の石井良文先生のご指導の下、自衛隊札幌病院において臨床病理学を学び、9年間の防衛庁義務年限を満了してから助教となり、現在に至っております。
当教室は、菊地浩吉先生・石井良文先生の時代から、ヒト腫瘍免疫学の分野で世界トップクラスの研究実績があり、その成果は悪性リンパ腫診断の標準抗体であるモノクローナル抗体L26および抗体治療薬リツキサンの開発につながり、世界のがん医療に大きく貢献しています。前任の佐藤昇志先生の時代には、がん細胞に対する細胞性免疫の研究を飛躍的に発展させ、2004年からは進行がんに対する治療ワクチンの臨床試験を実施しています。このように当教室が医学・医療に大きく貢献できた背景にあるのは、血と汗と涙を流しながら共に崇高な目標に向かって邁進されてきた同門・同窓の先生方のご努力であることは言うまでもありません。
このような大きな伝統を引き継ぎ、さらなる進化を遂げて、若い世代にバトンタッチすることが私に与えられた使命であることを自覚しております。病理学第2講座・病理診断学講座とも密接な連携をとりながら、世界の医学・医療に貢献する若い医師を育て、札幌医大を世界トップの医科大学に押し上げるべく、粉骨砕身努力する所存であります。どうか同窓の先生方のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
略歴
鳥越 俊彦(とりごえ としひこ)
所属札幌医科大学 医学部 病理学第一講座
学歴
- 昭和59年(1984年)
- 防衛医科大学校医学科卒
職歴
- 昭和59年
- 臨床研修医、航空自衛隊航空医官
- 昭和61年
- 札幌医科大学医学部病理学第一講座 研究生
- 平成2年
- 米国ペンシルバニア大学(病理学講座) 博士研究員
- 平成4年
- 米国ラホーヤ癌研究センター 博士研究員
- 平成5年
- 自衛隊札幌病院診療科 医長(病理検査科)
- 平成9年
- 札幌医科大学医学部病理学第一講座 助手
- 平成11年
- 札幌医科大学医学部病理学第一講座 講師
- 平成13年
- 札幌医科大学医学部病理学第一講座 助教授
- 平成16年
- 札幌医科大学大学院医学研究科分子免疫制御学 准教授
- 平成27年
- 札幌医科大学医学部病理学第一講座 教授