新任教授・役職者

新任教授ご挨拶

フロンティア医学研究所遺伝医学担当
教授
櫻井 晃洋

 2013年4月1日付で、新設されました学科目、遺伝医学担当教授を拝命いたしました櫻井晃洋(さくらいあきひろ)と申します。私は1984年に新潟大学を卒業し、母校で一年間の研修を行った後は28年間にわたって信州大学で臨床、研究、教育に取り組んでまいりました。

 私が遺伝医学に触れることになったのは、シカゴ大学留学時に遺伝性のホルモン不応症をテーマにした時にさかのぼります。帰国後は,内分泌内科医として特に遺伝性内分泌腫瘍に興味を持ち、これは現在まで私の最も重要な診療・研究テーマとなっています。また1996年に全国に先駆けて信州大学に遺伝子診療部が発足しましたが、その準備段階から今日に至るまで、体制整備と診療、運営に関わってまいりました。

 これまでの臨床遺伝学は主に小児科、産科が中心の領域であり、わが国の臨床遺伝専門医も小児科医、産婦人科医が多数を占めています。もちろん新しい命をはぐくむ医療分野としてその重要性は今後も変わることはありません。一方で遺伝医学の急速な進歩に伴い、内科系、外科系を問わずあらゆる領域の一般診療で遺伝情報が不可欠となってきました。特に多因子疾患や腫瘍など成人疾患における遺伝医療や薬理遺伝学の重要性は今後確実に大きくなっていきます。さらにゲノム解析がより安価で迅速になるのにともない、遺伝医療が現在のような特定の遺伝子や染色体の情報を扱うものから、全ゲノム情報とその発現情報を扱うものへと変貌していくことは疑いがなく、新たな遺伝医療体系の構築が求められています。これからの遺伝医療の体制整備、遺伝医学教育の体系化に関しては、医療の全領域に関与する横断的な専門分野という視点がこれまで以上に重要であり、多くの診療科・部門との協力体制が不可欠です。そのためにも同窓の先生方がこれまでに築いてこられた本学の伝統と建学精神に学びつつ諸先生のご指導を仰ぎ、札幌医科大学を日本における遺伝医学教育および遺伝医療における先導的医育・医療機関とするために全力を尽くす所存であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

略歴

櫻井 晃洋(さくらい あきひろ)53歳

所属札幌医科大学医学部 遺伝医学 教授

学歴
昭和53年(1978)3月
新潟県立高田高等学校 卒業
昭和59年(1984)3月
新潟大学医学部医学科 卒業
職歴
昭和59年(1984)6月
新潟大学医学部附属病院 医員(研修医)
昭和60年(1985)4月
信州大学医学部附属病院 医員(研修医)
昭和61年(1986)6月
佐久市立国保浅間総合病院 内科医
昭和62年(1987)9月
シカゴ大学医学部甲状腺研究部 研究員
平成3年(1991)10月
信州大学医学部附属病院 医員
平成5年(1993)4月
JA長野厚生連篠ノ井総合病院 内科医
平成6年(1994)2月
信州大学医学部附属病院老年科 助手
平成15年(2003)4月
信州大学医学部社会予防医学講座 遺伝医学分野 助教授
平成19年(2007)4月
信州大学医学部遺伝医学・予防医学講座 准教授
所属学会

人類遺伝学会(評議員,教育推進委員長,臨床遺伝専門医制度委員,広報委員),日本遺伝カウンセリング学会(評議員,遺伝教育委員長,臨床遺伝専門医制度委員,研修委員),日本遺伝子診療学会(評議員),日本家族性腫瘍学会(評議員,将来検討委員,家族性腫瘍カウンセラー・コーディネーター制度委員)日本内科学会,日本内分泌学会(評議員),日本糖尿病学会,日本甲状腺学会(評議員),日本性差医学・医療学会(評議員),日本癌学会,日本医学教育学会,米国内分泌学会,米国甲状腺学会,欧州内分泌学会

学術関連受賞

日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医,日本内科学会 認定内科医・指導医,日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医・指導医,日本糖尿病学会 糖尿病専門医