新任教授ご挨拶
札幌医科大学医学部放射線医学講座 教授 坂田 耕一
平成24年12月1日に、晴山雅人前教授の後任として、放射線医学講座教授に着任いたしました。
私は大学卒業以来現在まで、東大病院、都立豊島病院、札幌医大病院で、一貫して、放射線治療医として働いてきました。また、大学卒業と同時に大学院に入学し、研究生活をスタートして、現在も、放射線治療医として働きながらですが、研究を継続しています。研究テーマは、一貫して、放射線治療成績の改善に関わる研究を行なっております。最近は、X線照射による癌細胞の細胞死の分子メカニズムに基づいた、臨床応用が可能な放射線増感剤の研究を行っています。
癌の放射線治療は最近10年で大きな進歩を遂げてきました。札幌医大病院の放射線治療患者数は、この10年で、約3倍に増加しております。しかし、未だ治癒率の低い癌が多いのが現状です。これらの難治性癌の治療拠点を預かる者として全力を尽くしたいと思います。また、我が国では、放射線治療を受ける癌患者の割合は欧米の60%に比べ、30%と低いのが現状です。これは、放射線治療医の数が少ないこと、放射線治療の認知度が低いことなどが原因です。一般市民に対する放射線治療の啓蒙活動も積極的に行っていきたいと思います。IVRは高齢者や状態の悪い進行癌をふくめた癌の治療に広く応用されています。また、緊急状態(大出血)からの救命や、動脈瘤に対する治療にも有効な治療方法です。
現在放射線科医不足が問題となっていますが、充実した医療、研究、教育を行い、多くの若手医師が放射線医療を志し集ってくる魅力的な教室を構築していきたいと思います。また、放射線診療は、医師のみならず、放射線技師、医学物理士、看護師のチーム医療で行われるものであり、これら医療従事者の教育にも尽力したいと思います。
略歴
坂田 耕一(さかた こういち)54歳
所属札幌医科大学医学部放射線医学講座
学歴
- 昭和52年(1977)3月
- 北海道立札幌南高等学校 卒業
- 昭和58年(1983)3月
- 旭川医科大学医学部 卒業
- 昭和62年(1987)3月
- 東京大学大学院 卒業修了
職歴
- 昭和62年(1987)4月
- 東京都立豊島病院診療放射線科
- 平成元年(1989)6月
- 米国SRI International (スタンフォード研究所) (訪問研究員)
- 平成3年(1991)6月
- 東京大学病院放射線科(助手)
- 平成5年(1993)12月
- 東京大学医学部放射線医学講座(講師)
- 平成7年(1995)6月
- 札幌医科大学医学部放射線医学講座(講師)
- 平成11年(1999)3月
- 札幌医科大学医学部放射線医学講座(助教授)
- 平成19年(2007)4月
- 札幌医科大学医学部放射線医学講座(准教授)
- 平成24年(2012)12月
- 同放射線医学講座 教授