会長挨拶

平成26年度札幌医科大学医学部卒業式並びに大学院修了式
卒業証書・学位記授与式 祝辞

 平成26年度札幌医科大学医学部卒業式ならびに大学院修了式にあたり、同窓会を代表して一言お祝いを申し上げます。

 札幌医科大学医学部62期の卒業生の皆様と大学院医学研究科修士・博士課程を修了された先生がた、並びにご父兄の皆様、関係各位に対しまして、心から祝福とお慶びを申し上げます。

 現在、本邦では世界に例を見ない速度で少子高齢化が進行し、地域によってはもうすでに超高齢社会を迎え、人口減少のフェーズに入っております。昨年6月に「医療介護総合確保推進法」が成立以降、いまや社会保障制度改革は待ったなしで、さらには診療報酬や介護報酬改定などの手段をも駆使して進められております。

 医療(病床)機能分化と連携の強化に関しては、地域医療構想策定による地域医療の再編を図るとされています。

 一方、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制、いわゆる「地域包括ケアシステム」が提唱され、医療のみならず介護、コミュニティーをも包括したシステム構築に取り組まなければいけない状況となっています。

 さて、札幌医科大学では、前回の中期計画は外部評価委員から高い評価を得、次いで、平成25年4月から6年間の新中期計画が実施されています。新キャンパス構想も順調に進捗していると聞き及んでいます。また、研究面でも橋渡し研究支援プロジェクトによる脳梗塞や脊髄損傷の再生医療研究やがんワクチン研究も全国的に注目を集めています。

 卒業生諸君が忘れてならないのは、いまや日本有数の医学・医療・医育機関として成長してきた札幌医科大学の卒業生という誇りです。この誇りを胸に、急激に変わろうとしている社会情勢のなかで、卒業生諸君がリーダーとなり、医学・医療の向上発展に大きく寄与されることを大いに期待しています。そして、人々から信頼される医師・研究者に成長し、広域医療圏を抱える北海道の医療のために貢献していただきたいというのが、道民すべての願いであります。

 ところで、札幌医科大学医学部同窓会は、大学の発展に継続的に支援をする義務があると考えております。大学の発展、持続性なくして同窓会はありえません。同窓会自体の発展を図りつつ、大学とも連携をとりながら、学生教育、卒後初期研修、後期研修等々私たち同窓会で支援可能なことには積極的に対応していきたいと考えております。そのためにも、62期の卒業生の皆様全員が同窓会に入会してくださることをお願い申し上げて、簡単粗辞でありますがお祝いの言葉とさせていただきます。

 本日は誠におめでとうございました。

平成27年3月20日
札幌医科大学医学部同窓会
会長 田中 繁道