書籍 『時間感染症学』 北海道大学出版会・2020年刊 9,350円(税込)
感染症の流行を「時間の科学」として体系化した初の専門書。時間解析を通じて、
感染症の周期構造・非線形性・カオス的振る舞いを明らかにしています。
ISBN 978-4-8329-3376-4
目次
第 1 章 概 説
は じ め に 1
1.1 時系列解析とは 2
コラム 1:時系列データ 2
コラム 2:スペクトル解析 3
コラム 3:最小 2 乗法(LSM) 3
1.2 海外との共同研究の成果 4
1.2.1 デング熱・レプトスピラ症[フィリピン] 4
1.2.2 コレラ[バングラデシュ] 4
1.2.3 手足口病[中国] 4
1.3 日本の感染症発生数(率)時系列データから得られた結果 5
1.3.1 水 痘 5
1.3.2 結 核 5
コラム 4:寄 与 率 6
1.4 予 測 解 析 6
1.5 数理モデルと麻疹 7
1.5.1 カオス時系列 7
コラム 5:感染症の数理モデル 7
コラム 6:不規則変動とカオス時系列 8
1.5.2 3D スペクトルアレイ 9
コラム 7:セグメント解析 9
1.5.3 デンマークの麻疹発生数時系列データと指数スペクトル 10
1.6 更なる可能性―時系列解析の空間系列データへの適用 10
参 考 文 献 11
図 表 14
第2章 気象と感染症
は じ め に 25
2.1 コ レ ラ 25
2.1.1 コレラ発生率データ 26
2.1.2 太陽黒点数データ 26
2.1.3 エルニーニョ監視海域(Ninõ.3)の海面温度データ 27
2.1.4 コレラ発生率と海面温度の周期性の比較 27
2.1.5 コレラに影響を与える海面温度の短い周期構造 28
2.2 デング熱・レプトスピラ症 28
2.2.1 デ ン グ 熱 28
2.2.2 レプトスピラ症 29
2.2.3 フィリピンでのデング熱とレプトスピラ症 29
2.2.4 デング熱・レプトスピラ症・気象データの時間変動 29
2.2.5 デング熱・レプトスピラ症データと気象データの季節サイクル 30
コラム 8:腎症候性出血熱(HFRS)とハンタウイルス肺症候群(HPS) 31
2.3 ロタウイルス 31
2.3.1 ロタウイルスデータと気象データの時間変動 32
2.3.2 スペクトル解析と LSF 解析 32
2.3.3 ロタウイルスデータと気象データの季節サイクル 32
2.3.4 ロタウイルス流行が冬に起きる理由 33
2.3.5 ロタウイルス流行のモンスーンとの関係 33
コラム 9:ロタウイルスの無症候感染 33
コラム 10:ロタウイルス検出方法 34
2.4 水 痘 34
2.4.1 日 本 35
コラム 11:春休みの長さ 36
コラム 12:予防接種(ワクチン) 37
2.4.2 武漢市(中国),香港 37
コラム 13:年齢分布と性別 40
コラム 14:亜熱帯地域における水痘 40
コラム 15:予防接種(ワクチン) 40
2.4.3 デンマークとフィンランド 41
2.5 手 足 口 病 42
2.5.1 武漢市(中国) 43
2.5.2 日 本 46
コラム 16:手足口病データ・病原体データ・気象データの相関の導出 49
コラム 17:手足口病の病原体 51
2.6 ム ン プ ス(流行性耳下腺炎,おたふくかぜ) 51
2.6.1 ムンプスデータ 51
2.6.2 気象データ 52
2.6.3 結 果 52
参 考 文 献 54
図 表 61
第3章 社会と感染症
は じ め に 103
3.1 結 核 103
3.1.1 日本―年齢別 104
コラム 18:BCG ワクチン 107
3.1.2 日本―地域別 108
3.1.3 武漢市(中国) 110
3.2 予防接種効果 113
3.2.1 麻疹─日本 113
コラム 19:流行間隔の理論値 115
コラム 20:予防接種(ワクチン)率 116
3.2.2 麻疹─武漢市 117
コラム 21:麻疹データの長期変動の扱い 119
3.2.3 インフルエンザ 119
コラム 22:インフルエンザデータの長期変動の扱い 123
3.3 予 測 解 析 123
3.3.1 麻 疹 123
コラム 23:ニューヨーク市の麻疹症例報告数時系列データの予測解析 129
コラム 24:カオス時系列の予測可能性 129
3.3.2 肝 炎 129
コラム 25:A 型肝炎の季節性 131
コラム 26:E 型肝炎の季節性 132
3.3.3 インフルエンザ 132
コラム 27:インフルエンザ流行の 8.7 年周期 134
3.3.4 カンピロバクター 134
コラム 28:フィンランドとノルウェーの流行パターンの違い 136
参 考 文 献 136
図 表 145
第4章 複雑系としての感染症
は じ め に 189
4.1 日本―麻疹,水痘,ムンプス,風疹 189
4.1.1 データの定性的な記述 190
4.1.2 時系列全体の解析 190
4.1.3 3D スペクトルアレイ 192
4.1.4 スペクトル・ピークの周波数の時間変動 193
4.1.5 感染症の発生の季節変動 193
4.1.6 ワクチンの効果の定量的な見積もり 194
4.1.7 感染症の発生の予測 195
4.1.8 議 論 196
4.2 麻疹発生率データのカオス特性 200
4.2.1 時系列データ 201
4.2.2 麻疹データの解析 201
4.2.3 SEIR モデルから生成された時系列の解析 202
4.2.4 ノイズ時系列の解析 204
4.2.5 麻疹流行のメカニズムの説明 204
4.2.6 議 論 205
4.3 指数スペクトルと人口サイズの関係―イギリス,アメリカ,デンマーク 209
4.3.1 パワースペクトル密度と時系列データ 210
4.3.2 セグメント解析 211
4.3.3 麻疹流行の非線形過程 211
4.3.4 予 測 解 析 212
4.3.5 議 論 213
4.4 SEIR モデル 216
4.4.1 SEIR モデルの説明 216
4.4.2 スペクトル解析 218
4.4.3 セグメント解析 222
4.4.4 予 測 解 析 222
4.4.5 議 論 223
4.4.6 精度の評価 224
参 考 文 献 225
図 表 229
第5章 時系列解析の今後の展開
は じ め に 269
5.1 時系列解析の空間系列データへの適用 269
5.1.1 材料と方法 270
5.1.2 結果―マウス小腸 270
5.1.3 結果─ 2 次元空間モデル 271
5.1.4 考 察 274
参 考 文 献 276
図 表 277
第6章 データとモデル,その背景
は じ め に 281
6.1 使用したデータ 282
6.1.1 コ レ ラ 282
6.1.2 デング熱・レプトスピラ症 283
6.1.3 ロタウイルス 283
6.1.4 水 痘 284
6.1.5 手 足 口 病 286
6.1.6 結 核 288
6.1.7 麻 疹 289
6.1.8 インフルエンザ 291
6.1.9 肝 炎 291
6.1.10 カンピロバクター 291
6.1.11 日本の感染症サーベイランスデータ 292
6.2 他の解析方法との比較 292
6.2.1 自己回帰(AR)モデル 292
6.2.2 高速フーリエ変換(FFT),ウェーブレット変換 292
6.2.3 アトラクター 293
6.3 感染症の分類 294
6.3.1 時系列データ 294
6.3.2 スペクトル線の同定 294
6.3.3 PSD の傾き 295
6.3.4 3D スペクトルアレイ 295
6.3.5 感染症流行メカニズムの分類 295
6.3.6 感染症のサーベイランスデータの解明のための今回の方法の有用性 298
6.4 日本の感染症サーベイランスデータと病原微生物検出情報の相互利用 299
6.4.1 概 要 299
6.4.2 日本における感染症および病原体サーベイランスデータ 301
6.4.3 感染症データおよび病原体データを相互に関連付けることの意義 301
6.4.4 感染症データと病原体データを相互に関連付けるための解析方法 303
参 考 文 献 307
図 表 311
初 出 一 覧 333
索 引 337