全身性エリテマトーデス

 エリテマトーデスとは、皮膚に赤い湿疹(紅斑)ができる病気という意味ですが、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)は皮膚の紅斑に加え、腎臓や関節、漿膜や神経などの全身の臓器に炎症性の障害をきたす自己免疫疾患です。SLE患者さんの血清では、抗DNA抗体に代表されるさまざまな自己抗体が検出され、また補体と呼ばれる免疫成分が消費性に低下しています。SLEはかつて有効な治療法がなく致死的な経過を辿る重篤な病であり、ステロイドで病勢を抑えたとしても長期のステロイド使用による副作用が避けられず非常に治療の難しい病気でした。またSLEは20-40歳の女性に好発するため妊娠・出産といった女性のライフプランに影響を及ぼすこともしばしばでした。

 しかし近年の医学の進歩によって、SLEに有効な免疫抑制剤や生物学的製剤がたくさん開発され、実際の診療に応用されてきました。そのため現在では、これらの治療薬を適切に選択し組み合わせて使用することで、ステロイドの使用量を抑え、今までよりずっと少ない副作用でSLEをしっかりコントロールできるようになってきました。実際に多くのSLEの患者さんは、SLEを発症した後も、健康な方とほとんど変わらない生活を送っています。SLE治療薬の一部は妊娠中も継続して使用できるため、SLE患者さんも妊娠・出産は可能です。当教室の神田真聡講師は2023年9月10日放送のUHB「松本裕子の病を知る」に出演し、「私の人生を生きる…全身性エリテマトーデスで夢をあきらめない!」と題したSLEの最新治療について概説しました。私たち免疫・リウマチ内科学教室では、患者さんの病態や病勢をしっかり評価した上、患者さんそれぞれのライフプランに合った治療法を相談・提供しています。