フロンティア医学研究所神経再生医療学部門 教授 本望 修

 2011年9月1日付けで札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所神経再生医療学部門教授を拝命いたしました。札幌医科大学における神経再生医学の教育、診療、研究の推進のため、教室のスタッフと協力しつつ努力する所存でおります。

 これまで、神経再生の分野で、動物を用いた基礎研究により積み重ねてきた知見をベースに“脳梗塞患者に対する自己培養骨髄幹細胞の静脈内移植”の臨床研究を実施してまいりました。これらの基礎及び臨床研究の成果より、今後、一般医療化へ向けた着実な臨床試験を推進しようと考えております。しかしながら、現時点では、再生医療の一般医療化という観点では、入り口に立ったに過ぎないと思っております。今後、トランスレーショナルリサーチ拠点として成熟し、総合的な戦略を着実に実行することが必要と考えます。

 具体的には、幹細胞の増殖・分化に関する研究、障害された脳や脊髄の可塑性や再生に関する研究、幹細胞を用いた再生治療に関する基礎的研究、各種脳神経疾患への臨床研究、細胞治療の効果判定の為の新しい方法の開発研究、再生医療の推進の為の基盤整備、臨床グレードの幹細胞の供給システムの確立に関する開発研究、などを精力的に行い、脳梗塞に対する幹細胞治療を確立すると同時に、他の難治性神経疾患への適応拡大も積極的に行う予定です。

 高齢化を迎えるわが国の医療において脳梗塞診療の占める割合は極めて大きく、もし将来的に“脳梗塞に対する幹細胞治療”が実用化されれば、その診療体系は大きく変貌すると予想されます。また、その応用範囲は脳卒中領域ばかりでなく、その他の難治性脳神経疾患(アルツハイマー病、ALS、パーキンソン病、脱髄疾患、プリオン病等)など多岐に渡り、対象となる患者数も多大になると推測されるため、今後の展開が期待されます。

 本学で世界に先駆けた再生医療の最先端基礎研究を進める一方、それらの成果を着実に医療現場まで届けるべくトランスレーショナル研究を推進し、難治性疾患に対する新たな治療方法を確立・提供することを通じて、本学における教育・研究・診療の発展に努める所存です。


略 歴

氏  名: 本望 修 (ほんもう おさむ)  47歳
所  属: 札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所神経再生医療学部門
学  歴: 平成元年3月  札幌医科大学医学部医学科卒(医大36期)
(学位: 医学博士 札幌医科大学)
職  歴: 平成元年4月   札幌医科大学脳神経外科学講座
平成2年4月   市立釧路総合病院・脳神経外科
平成3年4月   札幌医科大学脳神経外科学講座
平成3年9月   米国ニューヨーク大学メディカルセンター脳神経外科
         研究員
平成4年11月  米国エール大学医学部神経内科、神経科学・神経再生研究所
         研究員
平成7年7月   米国エール大学医学部神経内科、神経科学・神経再生研究所
         講師
平成7年10月  札幌医科大学脳神経外科学講座 助手
平成12年5月  札幌医科大学脳神経外科学講座 講師
平成20年5月  札幌医科大学神経再生医学講座 特任教授
平成23年9月  札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所
         神経再生医療学部門 教授
所属学会: 日本脳卒中学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
日本ニューロリハビリテーション学会(理事)
日本意識障害治療学会(理事)
日本脳神経外科学会
Society for Neuroscience (USA)
日本脳ドック学会
学術関連受賞: 日本心臓財団研究奨励 (1999年)
かなえ医薬振興財団研究助成 (2000年)
藤田記念医学研究振興基金研究助成 (2000年)
第20回日本脳神経外科コングレス感謝状 (2000年)
第1回日本分子脳神経外科研究会感謝状 (2000年)
第2回日本分子脳神経外科研究会感謝状 (2001年)
第1回日本再生医療学会総会感謝状(2002年)
第25回日本脳神経外科コングレス感謝状 (2005年)
第12回日本脳低温療法学会感謝状 (2009年)
第30回日本脳神経外科コングレス感謝状 (2010年)
The International Conference of Stem Cell & Regenerative Medicine for Neuroregenerative Diseases 感謝状(2010年) 
Asia-Oceania Symposium on Prion Diseases 感謝状(2010年)
第2回日本ニューロリハビリテーション学会感謝状(2011年)

免許・資格: 日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医