会長挨拶

平成30年度札幌医科大学医学部卒業式並びに大学院修了式
卒業証書・学位記授与式 祝辞

 平成30年度札幌医科大学医学部卒業式ならびに大学院修了式にあたり、同窓会を代表して祝辞を申し上げます。  まずもって、札幌医科大学医学部66期の卒業生の皆様と、大学院医学研究科修士・博士課程を修了された先生がた、並びに本日の晴れ舞台を待ち望んでいらっしゃったご父兄の皆様と関係各位に、心からお慶びを申し上げます。

 さて、卒業は英語でcommencementあるいはgraduationといいますが、commencement とは、大学が主催し、卒業生・大学関係者・家族等が出席する公式な式典で、まさに本日施行されている卒業式に当たるようです。一方、graduationは式典を指すというより純粋に規定の学業の完了を示します。
 Commencementは日本語に訳すると「始まり」という意味で、これから社会人として新たなことを始めるという意味を込めてそう呼ぶのに対して、graduationはgrade(ランク、レベル)が一段上がることと理解できます。
 学びに終わりはありません。社会に出ることを契機に、さらなるランクアップに向けて、新たなことに挑戦し続けてほしいと願っています。

 あらゆる医療分野において、近年の知見、技術の進歩は目覚ましいものがあります。医師単独ですべての分野の知見・技量を習得し最良の医療サービスを提供することは、当然ながら不可能です。したがって、多職種でチームを形成し、患者中心の医療を提供することになりますが、そのチーム医療のリーダーになるのは医師である皆さんです。
 しかし、いまやリーダーのみがリーダーシップを発揮する時代でありません。役に紐付いたリーダーシップでなく、メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮するshared leadership(共有型リーダーシップ)が推奨され、そうすることが、より迅速に質の高いサービスを提供できるとされています。
 クーゼス & ポズナー(James M. Kouzes & Barry Z. Posner)がリーダーシップ・チャレンジの最小3要素として掲げる目標共有、率先垂範、同僚支援を日々の実践の中で心掛けてください。

 66期の卒業生の皆さんは、これから初期研修、引き続き後期研修あるいは専門医研修の道へと進むことになります。皆さん一人ひとりが、自らの意志によって、継続学習、自己啓発、キャリア形成について責任を持たなければいけないことを認識し、研鑽に励んでください。そして、大きく成長・飛躍され、医療界の真のリーダーになることを心から期待しています。

 ところで、札幌医科大学医学部同窓会の目的の一つに、大学の発展に継続的に寄与することがあげられます。大学の発展、持続性なくして同窓会はありえません。同窓会自体の発展を図りつつも、大学と連携を図りながら、学生教育、卒後初期研修、専門医研修等々私たち同窓会で可能なことには積極的に対応し、私たちの母校である札幌医科大学のさらなる発展に寄与したいと考えております。そのためにも、66期の卒業生の皆様全員が同窓会に入会してくださることをお願い申し上げて、簡単粗辞でありますがお祝いの言葉とさせていただきます。
 本日は誠におめでとうございました。

平成31年3月15日
札幌医科大学医学部同窓会
会長 田中 繁道