4. ワーキンググループの提言の要旨

 ワーキンググループの提言の要旨は次のとおりである。

 第一点は、ICTVの第7次報告 で正式に決まった新しいウイルス種名であるノーウォークウイルス(Norwalk virus)とサッポロウイルス (Sapporo virus)というウイルス名を使用すること。ICTVの第6次報告 でのウイルス種名であったヒトカリシウイルス(human caliciviruses) は、混乱をさけるため、今後一貫して使用しないこと。

 第二点は、ノーウォークウイルス(Norwalk virus)とサッポロウイルス (Sapporo virus)の同定は遺伝子レベルの基準で行うものであること。従って、ノーウォークウイルス遺伝子検出法によって小型球形ウイルスの検査を行って、Norwalk-like virusesと同定しているところでは、今後ノーウォークウイルス(Norwalk virus )とウイルス種のレベルで同定すべきである。これは、形式的には今までNorwalk-like virusesと言っていたものをNorwalk virus と言い換えるだけである。

 第三点は、同定が電顕形態学のみに基づいているのであれば、従来どおり電顕形態学的ウイルス名を用いる。小型球形ウイルス(SRSV)しかり(ノーウォークウイルスとしてはならない)、アストロウイルスしかり、カリシウイルスしかり(サッポロウイルスとしてはならない)である。ただし、カリシウイルスが見られた場合、ヒトカリシウイルスと表記すべきではない。

 第四点は、食品衛生法にもとづく行政検査の報告では、同定が電顕形態学のみに基づいている場合も、遺伝子レベルで同定された場合も、すべて小型球形ウイルスと報告される場合があることを、情報を提供する側も利用する側も認識しておくことが必要である。


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