この治験で用いられる治験薬の原材料は、患者さん自身の骨髄液の中にある自家骨髄間葉系幹細胞です。
骨髄は血液を作るところで、骨髄液の中に神経や血管系などの細胞・組織へ分化する能力を持つ「骨髄間葉系幹細胞」が含まれています。
自家骨髄間葉系幹細胞は、脳の神経組織を再生させると考えられています。
患者さん本人から採取した骨髄液中の骨髄間葉系幹細胞を分離し、自分の末梢血を用いて培養して治験薬を作ります。
治験薬を点滴投与することで、後遺症の軽減を目指します。
骨髄間葉系幹細胞 mesenchymal stem cell(MSC)は、骨髄液に含まれる骨髄細胞のうち0.1%程度含まれる、内臓、血管系、骨・軟骨、脂肪、筋肉、さらに神経へ分化が可能な細胞です。
細胞表面抗原マーカーによる検証では、CD34(-), CD45(-), CD73(+), CD105(+) であり、in vitroの培養においてプラスチックに付着する扁平・紡錘状の直径10µm程度の細胞です。
① 脳梗塞患者の腸骨から局所麻酔下で骨髄液を採取
② これを細胞調製施設(CPC)にて目的の細胞を分離し、
約2週間で約1万倍に培養
③ 約1億個の細胞を40mlのバッグに封入し細胞製剤を製造
④ この細胞製剤を30分~1時間かけて一回静脈内投与