昨今の高度化するリハビリテーション医療では、急性期から慢性期にわたる様々な病態に対応する高度な専門的理学療法・作業療法が期待されています。本研修プログラムでは、医師と強い連携が確保された専門化した理学療法や作業療法を推進していくための基礎的・専門的知識と技術、および医療人としての態度などの臨床能力の向上を目標としています。
札幌医科大学附属病院リハビリテーション部において、実際に勤務しながら研修を受けることで実践的な知識・技術を学ぶことができます。とくに、大学附属病院という先端的医療を担う当院の関係診療科との連携を深めながら研修を実施することにより、専門的な知識を取得することができます。
また、研修療法士の多様な臨床経験や希望する研修内容に配慮し、研修目的に応じた研修コーディネーターを配置した個別プログラムとなっています。
1 総合研修プログラム
プログラム コーディネーター |
柿澤 雅史(リハビリテーション部 主査) 太田 久晶(PT・OT研修センター 副センター長/保健医療学部作業療法学第一講座 教授) |
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指導者 | リハビリテーション部理学療法士・作業療法士 保健医療学部理学療法学科教員・作業療法学科教員 |
対象 | 理学療法士・作業療法士 |
コース概要 | 本プログラムでは、研修期間を3つのクールに区分し、研修理学療法士は、4つの専門分化した理学療法係のチームの中から、希望に基づき3つのチームの指導を受けることができます。研修作業療法士は、作業療法係のチームの指導のもと、各クールで異なる疾患領域の患者を担当することができます。 これらを通じて、様々な疾患や病態を幅広く経験し、評価の選択と実施、得られた結果の統合と解釈のほか、多職種連携を含めた理学療法・作業療法の実践に必要な基本的知識・技術を学びます。 各クールの終わりには、症例報告会が設定されており、それを経験することにより、症例報告のプレゼンテーションスキルも身につけます。 このプログラムは、主として、新卒の理学療法士・作業療法士のほか、学び直しを希望されている療法士を対象としております。 |
研修期間 | 原則1年。 研修内容によって半年以上2年までの研修期間とすることができます。 |
2 専門研修プログラム
専門性に応じた4つのコースがあります。この専門研修プログラムは、研修内容に応じ関係診療科と連携した研修をすすめることができます。各コースに関係診療科との連携と専門性を備えた研修コーディネーターを配置しています。コーディネーター | 河合 誠(リハビリテーション部 係長) |
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指導者 | リハビリテーション部理学療法士・作業療法士 保健医療学部理学療法学科教員・作業療法学科教員 |
対象 | 理学療法士・作業療法士 |
コース概要 | 運動器障害の病態、評価、治療に対する専門的な知識を取得し、運動器障害理学療法・作業療法全般に関する幅広い知識や技術を活用し、運動器障害に対する治療チームにおいて自立して活躍できる専門療法士となることを目指します。希望により、スポーツ外傷・障害に対する理学療法、あるいはハンドセラピーを主体とした作業療法の実践的な指導を組み込んだ研修プログラムに参加することができます。 研修の初期段階では、基礎的な運動器障害で認められる病態の理解を深め、病態像の把握につながる各種評価方法と検査結果の解釈について学びます。研修の後半では、適切な治療介入を選択する能力を養います。 さらに整形外科カンファレンスへの参加、手術見学などから、医師との連携や最新の医療について学び、様々な知見を統合した理学療法・作業療法を実践できるよう研鑽します。 |
研修期間 | 原則1年。 研修内容によって半年以上3年までの研修期間とすることができます。 |
コーディネーター | 橋本 暁佳(医学部病院管理学 教授/循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座) 片野 唆敏(リハビリテーション部 係長) |
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指導者 | リハビリテーション部理学療法士、保健医療学部理学療法学科教員 |
対象 | 理学療法士 |
コース概要 | 内部障害理学療法学全般に関する幅広い知識や技術だけではなく、呼吸理学療法や循環器理学療法に関する専門的な能力の取得を目指します。 研修の初期段階では、基礎的な呼吸循環機能障害で認められる症状に対する理解を深め、また、病態像の把握につながる各種評価方法と検査結果の解釈について学びます。 研修の後半では、得られた結果からどのような治療介入が適切であるのかを学びます。呼吸循環機能障害のみならず、必要に応じて身体機能障害も含めた治療介入方法を選択し、治療経過に合わせて治療介入効果の妥当性について検討します。さらにADL場面で認められる呼吸循環機能障害に対する評価、看護師からの情報提供をもとに、病棟生活における問題点を整理し、評価結果との整合性を追究します。 |
研修期間 | 原則1年。 研修内容によって半年以上3年までの研修期間とすることができます。 |
コーディネーター | 菅原 和広(リハビリテーション部 副部長/保健医療学部理学療法学第一講座 教授) |
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指導者 | リハビリテーション部理学療法士・作業療法士 保健医療学部理学療法学科教員・作業療法学科教員 |
対象 | 理学療法士・作業療法士 |
コース概要 | 脳神経疾患・脊髄損傷に関する幅広い知識と技術を学び、中枢神経障害に対する専門的な理学療法および作業療法を学びます. 研修の初期段階では、神経筋疾患や脊髄損傷を含む中枢神経障害で認められる病態を理解し、その病態像把握につながる各種評価方法と検査結果の解釈について学びます.研修の後半では、中枢神経疾患に対する適切な治療介入を選択し、実施する能力を養います. |
研修期間 | 原則1年。 研修内容によって半年以上3年までの研修期間とすることができます。 |
コーディネーター | 太田 久晶(PT・OT研修センター 副センター長/保健医療学部作業療法学第一講座 教授) |
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指導者 | リハビリテーション部作業療法士、保健医療学部作業療法学科教員 |
対象 | 作業療法士 |
コース概要 | 本コースでは、様々な高次脳機能障害を呈する患者に対応できる専門的な臨床技能の習得を目指します。 まずは、主要な高次脳機能障害の特徴および責任病巣について学習します。加えて、各種検査バッテリーの実施方法と検査結果の解釈の仕方についても学びます。 さらに、臨床実践を通して、症状に対する掘り下げ検査を実施することの必要性や、動作分析・観察評価から日常生活場面で認められる高次脳機能障害の特徴を把握することの必要性を学びます。また、日常生活場面での治療・訓練方法について工夫することを学び、応用的な評価技術・訓練技術を身につけます。 |
研修期間 | 原則1年。 研修内容によって半年以上3年までの研修期間とすることができます。 |