口唇裂・口蓋裂の治療
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口唇裂の治療
治療の概要
手術時期 | 一部の施設では生後1ヶ月以内で手術を行うところもありますが、手術は全身麻酔になるため、当科では安全性を考えて、生後約3ヶ月~6ヶ月、体重6kgを目途に行うことを原則としています。 しかし合併症、体調、発育の状態によって時期を変更することがあります。 |
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外来初診 | 口唇裂・口蓋裂専門外来:水曜日 9時〜11時 十分な知識をつけておくため、また入院が混み合っていることから、良いタイミングでの手術を計画するためにも、早めの受診をお勧めします。 初診の折に、本疾患の概略と治療の流れについて説明します。 経過を見た上で、入院・手術日程につき相談します。 裂が広い方の場合には、絆創膏による矯正を行うことがあります。 顎裂・口蓋裂を合併している患者様で、哺乳にお困りのお子様に対しては、小児科や歯科口腔外科にご紹介し、哺乳指導やホッツ床(うわあごに入れる装具)を行います。 |
入院日が 決まったら |
入院の1~2週前に、小児科で全身状態の確認のための検査(採血、心電図、胸部レントゲン、尿検査)を行います。 看護師から入院の準備に関する説明があります。 また医療相談室で諸医療費の交付のための手続きが相談できます。 入院前1ヶ月は予防接種は受けられません(インフルエンザ等を含む)ので注意ください。 基本的に入院までは、通常の生活で問題ありませんが、カゼその他で体調が悪いと手術ができなくなることがあります。 |
入院 | 特別な事情がなければ手術の前日に入院していただきます。 通常は形成外科病棟への入院となりますが、状況によっては小児科等他の病棟に入院していただく場合があります。 入院当日は、看護師から入院生活について、麻酔科医から全身麻酔について、形成外科医から手術や術後の注意についての説明があります。 入院期間の目安は約2週間です。 |
手術当日 | 手術場の状況にもよりますが、通常は朝一番の手術を計画します。 手術時間は大体2~3時間位がひとつの目安です。 時間に合わせて看護師が手術場まで連れて行きます。 |
手術方法
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口唇形成術の模式図(赤線が切開線)
同時に外鼻形成術も行う
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口唇形成術の模式図(赤線が切開線)
口唇裂手術の目的は、対称的な口唇と外鼻の形態を形成し、かつ食事や正常発声のため筋肉の再建も行うことを目標とします。
口唇裂の術式には多くの方法が報告されてきましたが、現在は筋肉の再建が最も優れているミラード法が基本です。
札幌医大形成外科では、赤唇の自然な形態と対称性を得るため、ミラード法に加え、赤唇-白唇境界部に小三角弁を加えた方法を行っています。
さらに個性にあわせて、随時デザインや手術操作を細かく調整します。
鼻の形態を改善する手術(外鼻形成)は、施設によって初回手術時に行わない施設もありますが、当科では、外鼻形成術を同時に行うことで、高い成果をあげています。
また、成長により、顔つき、傷の状態は変化しますので、通常修正手術が必要となります。
これは必ず必要というものではありませんが、希望があれば、時期を相談して行います。
口唇裂の術式には多くの方法が報告されてきましたが、現在は筋肉の再建が最も優れているミラード法が基本です。
札幌医大形成外科では、赤唇の自然な形態と対称性を得るため、ミラード法に加え、赤唇-白唇境界部に小三角弁を加えた方法を行っています。
さらに個性にあわせて、随時デザインや手術操作を細かく調整します。
鼻の形態を改善する手術(外鼻形成)は、施設によって初回手術時に行わない施設もありますが、当科では、外鼻形成術を同時に行うことで、高い成果をあげています。
また、成長により、顔つき、傷の状態は変化しますので、通常修正手術が必要となります。
これは必ず必要というものではありませんが、希望があれば、時期を相談して行います。
主な症状の治療例
不全唇裂
完全唇裂(強い鼻変形を伴う)
両側唇裂
手術後の経過(退院まで)
手術直後 | 手術が終わると速やかに麻酔を覚まし、手術後15分程度で病棟に戻ることが出来ます。 手術直後は、点滴、経腸栄養(鼻から胃へ、細いチューブを入れて、直接胃に栄養を流します)のチューブ、鼻と上口唇部のガーゼ、抑制帯(創部に手が届かないように、両肘を固定します)の着用が必要になります。 これらによりお子様は初め不機嫌でむずかりますが、1,2日で落ち着いてきます。 また、手術後は麻酔や手術の影響で、熱が出ることがありますが、これも1,2日で落ち着きますので心配ありません。 |
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食事 | 創部の安静と清潔を保持するため、初めは口からの食事(経口摂取)を控え、経腸栄養を行います。 通常以下のスケジュールで経口摂取を開始します。 術後2日目から注射筒で水・お茶、術後5日目から注射筒でミルク、術後7日目からほ乳瓶でミルクを開始。 上手に飲めたらチューブを抜去します。 |
傷の処置 | 創部の安静を図るため、入院中は口唇に対しテープによる固定を行います。 ガーゼは唾液や鼻汁でよごれることが多いので、ほぼ連日ガーゼ交換を行います。 術後3日目ころから抜糸をはじめます。 術後1週間でほぼ抜糸が終了しますが、抜糸後も創の強度が得られるまでテープ固定を継続します。 手術後10日頃より、鼻の形体を維持する目的で、装具(レティナといいます)を装着します。 2,3日装着してみて、問題がなければ退院です。 |
外来通院
退院後は外来通院で経過観察が必要です。退院後はまず1,2週間後に受診していただき、創の状態をチェックします。
その後は、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、といったペースで受診していただきます。ある程度大きくなるまでは年に1,2度の受診を続けていただき、成長による傷の変化をチェックし、修正手術等の希望があれば計画します。
その後は、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、といったペースで受診していただきます。ある程度大きくなるまでは年に1,2度の受診を続けていただき、成長による傷の変化をチェックし、修正手術等の希望があれば計画します。