神経内科(下濱俊教授)、神経科学講座(長峯隆教授)、リハビリ科(石合純夫教授)および脳神経外科の4講座合同で「札幌医科大学脳機能センター」を開設いたしました。
薬剤難治のパーキンソン病やてんかんに対して入院精査の上、専門医が総合的に手術適応を判断させていただきます。また、病態・機能診断に基づく包括的治療や術後リハビリに関してもお任せいただけることが最大の特徴であります。
パーキンソン病には保険適応の脳深部刺激という治療によって生活が大きく改善する可能性がすでに知られています。
てんかんは北海道随一の外科治療拠点病院として多くの患者さんを受け入れています。
脳機能部位近くにできた治療困難な脳腫瘍に関しても、安全で有効な治療を受けることができます。
初診は医師からの紹介制となっており、地域医療連携室まで(FAX 011-621-2233)診療予約申し見込み書・診療情報提供書を送ってください。
診療日は毎週金曜日13:00~15:00(毎月第1,3週は脳神経外科医によるてんかん、脳腫瘍診察、2,4週は神経内科医によるパーキンソン病診察)とさせて頂きます。お手数ですが患者さんには、これまでの臨床経過・治療歴を記した紹介状および(T2*を含めた)MRI画像(CD-ROMが望ましい)、脳波などの資料を御持参していただくようにお願いいたします。
脳深部刺激を目的にパーキンソン病患者さんをご紹介いただく場合は、以下の資料(脳深部刺激適応例について)をご参照いただき除外項目を含まないことをご確認の上、ご紹介いただけましたら幸いに存じます。
パーキンソン病患者さん脳深部刺激適応例について
水野美邦編集「パーキンソン病診療Q&A 110」などを参考に作成
(以下のリストはチェック用のものであり、これらをすべて満たしていても、DBS適応症例とされない可能性があります)
必須条件(すべてを満たさないと適応になりません)
□ 患者が手術を希望していて、同意している介護者がいる
□ 70歳以下である
□ パーキンソン病の診断が確実である
□ 罹病期間が7年以上である。
□ L-Dopaへの反応性が良好(On時のADLがH&Y 2or 3)であるが、Wearing offがある(Off時のADLがH&Y 4or 5)。
□ 知能が正常である(HDS-R 26点以上)
□ 十分な薬物コントロールが試みられた
除外項目(1つでもある場合は適応になりません)
□ 著明な脳萎縮や多発性虚血性病変
□ アミロイド・アンギオパチー(T2*MRIで要確認)
□ 出血傾向
□ 悪性腫瘍・重度の糖尿病・心臓・肝臓・腎臓疾患
□ 精神症状(易怒性、幻視、幻覚、妄想など)
□ ドパミン調節異常症候群(軽躁、病的賭博、性欲亢進など)
□ 中等度以上の脳波異常(貴施設での施行をお願いします)
以上の諸点についてご確認の上、ご紹介いただけましたら幸いです。
平成24年6月20日
札幌医科大学脳神経外科教授
脳機能センター長
三國 信啓