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教授からのごあいさつ

アイン・ニトリ緩和医療学・支持療法学講座 兼任教授 山蔭道明 教授 写真
 世界では、医療の進歩に伴い、多くの病気が治療,克服され、寿命が確実に伸びています。とくに日本では世界一の長寿を誇る一方、今や2人に1人ががんにかかり、また3人に1人ががんで死亡するといわれています。最近、このがんによるさまざまな諸症状を和らげる医療として「緩和医療」が注目され、その重要性はますます増してきています。
 ”北海道の緩和医療のさらなる発展と推進”という目的に賛同いただいた(株)アインファーマシーズと(株)ニトリの全面的なバックアップにより、平成25年度に札幌医科大学内に寄附講座「アイン・ニトリ緩和医療学推進講座」が誕生しました。私、医学部麻酔科学講座教授 山蔭道明が当寄附講座の教授を兼任させていただいております。
 当講座は、「札幌医科大学における緩和医療の教育、研究ならびに診療の進展と充実を図り、地域医療に貢献する」ことを目的として活動を開始しました。患者さん、家族、遺族の想い、悲しみ、そして痛みは複雑です。その気持ちや諸症状に対応するため、われわれは麻酔科(ペインクリニック)、神経精神科、ソーシャルワーカーなどさまざまな医療職種からなるチームを構成し、附属病院「緩和ケアチーム」とも連携を取り、がん患者さんを取り巻く諸症状の緩和に努めます。
 がん患者さんの身体的苦痛はもちろん、心の苦痛や不安、さらにがん患者さんの家族にも他の人には理解しがたい苦痛や苦悩、さらには経済的な不安もつきまといます。今までの医療では、がんそのものの治療が優先し、患者さんや家族の意思があまり尊重されなかったと言っても過言ではありません。緩和医療は、その反省から、患者さんの意思を尊重すること、そしてQOL(生活の質)を維持し、高めること、つまりにがん患者さんや家族の“尊厳”に重点を置いています。
 興味のある方は是非当講座ホームページをご覧いただき、気軽にご連絡ください。窓口は附属病院内の医療連携福祉センター内にあります。
※がんに関する相談をご希望の方は、札幌医科大学 腫瘍診療センター内にある「がん診療相談室」にご連絡ください。
山蔭道明プロフィール
資 格:
日本麻酔科学会認定麻酔科指導医
厚生労働省認定臨床修練指導医
日本医師会認定医療安全推進認定者
日本ペインクリニック学会認定ペインクリニック認定医
日本心臓血管麻酔学会暫定指導医
出身大 / 卒業年: 札幌医科大学(昭和63年)卒業
札幌医科大学大学院(平成5年)修了
専 門: 吸入麻酔薬、気道平滑筋、血液凝固系、体温管理、他  

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アイン・ニトリ緩和医療学推進講座について

アイン・ニトリ緩和医療学・支持療法学講座
 本学では、2008年4月に (株)アインファーマシーズからのご支援を受けて(寄附講座)緩和医療学講座が開設され、5年間にわたり緩和医療の教育・研究・社会貢献を推し進める活動を一貫して行って来ました。この活動は国の施策である「がん対策基本計画」とも時期を同一にするものであり、5年間で「緩和医療」も一定の市民権を得るまでに発展を遂げています。この様な状況の中で、(寄附講座)緩和医療学講座は2013年3月をもちまして、一区切りとなりました.2013年4月からは、3年間の予定で新たに(株)ニトリからも共同でご支援をいただき、(寄附講座)アイン・ニトリ緩和医療学推進講座として再スタートを切ることになりました。
 5年ごとに見直されるがん医療政策に関しては、2012年からの5年間を対象として、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「がん対策推進基本計画」と文言が変わりました。2007年の「がん対策基本法」施行後、急速に広まった本邦の緩和医療ですが、いよいよその質が問われる時期に入って来ています。 緩和医療の普及を最大の課題と考えていた前講座と異なり、緩和医療学推進講座では、以下の2点を課題とします.
@ いまだに終末期医療、看取りの医療と考えられがちな緩和ケア・緩和医療の概念を、「治療の初期段階から、積極的な治療と並行して提供され、適切に実施されるべきものである」との認識に変えていく。
A がん患者さんとその家族が可能な限り質の高い療養生活を送れるようにするためには様々なニーズに応えていく必要があります。しかし、このニーズは単に治療やケアだけに留まりません。医師や看護師が聴取する医療情報だけでなく、様々な場の提供から得られる医療情報以外の情報も重要であり、包括的なアセスメントが必須となります。そのため従前の医師主導型チーム医療から多職種連携型チーム医療へと発展的な転換を図る。
 なかでも多職種連携型チーム医療の構築は重点的に取り組むべき課題と位置づけており、当講座ではコメディカルの特任教員を配しています。附属病院医療連携福祉センターとも緊密な連携をとりながら院内・外の患者さんとその家族へのサービスに取り組むことを実践し、多職種連携型チーム医療のモデルケースとなり得ることを目指します。

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スタッフ(教員)紹介


山蔭 道明 麻酔科学講座教授、緩和医療学推進講座兼務
  ●経 歴: 1988年3月 札幌医科大学 卒業
      1993年3月 札幌医科大学大学院 修了
●専 門: 吸入麻酔薬、気道平滑筋、血液凝固系、体温管理、他
山蔭 道明


川村 舞 特任助教・臨床心理士・公認心理師
  ●経 歴: 2003年3月 北海道医療大学 看護福祉学部医療福祉学科臨床心理専攻 卒業
      2008年3月 佛教大学大学院 教育学研究科臨床心理学専攻(修士) 修了
●専 門: 臨床心理学
米田 舞

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