平成20年10月24日(
金) 基礎医学研究棟5階会議室において、知的財産教育講義「医薬品と特許−産業界から大学への期待−」が開催されました。 |
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今年度から知財講義は大学院の単位(0.2単位)を認定されるようになり、
今回は大学院生32名の出席がありました。講義は製薬企業や製薬工業協会での
豊富な経験に基づいた内容で、医薬品ビジネスの環境、特許法の基礎、医薬品と
特許など、研究成果を臨床で活用するために必要な特許のあり方について、豊富 な実例を挙げて解説いただきました。 |
医薬品の特許の特徴として、ほぼ一本の特
許が一つの製品を保護すること(自動車などの機械製品には複数の特許が含まれ
る)から、質の高い「強い」特許を取ることが求められています。従って研究成
果を特許として出願する際には、幅広く権利を押さえるために、周辺データを固
めることが重要となります。このように特許取得に当たって必要なデータ取得
や、強い特許を取るために必要な研究戦略など、本学の知財室ではご相談に応じ ております。 |
また、現在アメリカを除く各国では特許の「先願主義」が認められ ておりますが、アメリカでは「先発明主義」を原則としております。「先願主
義」とは特許出願の日を基準とした考えで、同じ内容であれば先に出願したもの
が優先されるというものですが、「先発明主義」とは先に「発明」を完成したも
のが優先されるというものです。医薬・バイオ関係の特許はアメリカにも出願す
る場合が多いので、「発明」をいつ完成したのかその時期を証明できるよう準備
しておくのは大切なことです。すなわち、実験ノートに証拠証明能力を持たせる
ように正しく記載するように心がけておくことが求めらます。具体的には、綴じ
ノートを用い、ペンで記入し、日付確認欄には第三者の署名を入れるなどが挙げ られます。知財室では記載例付きの実験ノートを準備し、各講座でご活用頂いて
いるところです。引き続き希望者にはノートを配布しておりますので、知財室ま でご連絡ください。 |
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