細胞生物学は,遺伝子探索を代表とする分子生物学が全盛な現在にあっても,医学・生物学研究の根幹をなす重要な学問です。ヒトの体は、約60兆個の細胞で構成されてます。そして病気は、この細胞の異常が症状として現れているものです。従って病気の発生メカニズムおよび予防・治療には、細胞を調べること,つまり細胞を科学することが重要です。
私たちは,ヒト疾患のメカニズム解析を行っています。現在,当部門で重点的に取り組んでいる研究分野は,上皮バリア研究です。この研究では,細胞と細胞との間隙の緩みを制御する機構を解析しています。具体的には,細胞間接着装置のギャップ結合およびタイト結合に着目し,その恒常性の維持に関連する細胞内情報伝達機構の解明に取り組んでいます。さらに,上皮細胞の集団に何らかの信号を伝えるスイッチと考えられている一次繊毛という微細アンテナについての研究にも取り組んでいます。
私たちの研究室では,正常細胞と腫瘍細胞を含む疾病状態の細胞との違いを詳細に比較・解析することでヒト疾患のメカニズム解析を行っています。これらの研究は,連携する臨床講座との共同研究のもと,患者様から提供していただいた検体(組織,及び分離した細胞)を用いて実施しています。ヒト正常細胞研究を効率よく行うために,私たちは延命化処理した細胞を使用しています。
共同研究のご提案も随時行っております。ご連絡をお待ちしております(連絡先は コチラ)。
細胞科学部門では,臨床講座・関連病院と密接に連携し,基礎的な研究成果を臨床の場に還元できる研究を進めています。とくに,上皮バリアの機能調節を標的としたDrug Delivery System の開発に向けた知見の集積に取り組んでいます。これらの成果は,アレルギー疾患で見られる炎症の予防・治療や,ウイルス・病原微生物の感染防止と密接に関連しています。さらに,腫瘍の形成や維持,浸潤の機序の解明にもつながります。近い将来,当研究室の成果を応用した創薬や,疾患の予防・治療法が開発されることを信じて,日々研究に精進しています。。。
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